朝鮮半島から目が離せない 2004.5.22
2004年 05月 22日
小泉首相と金総書記が会談するという歴史的な一日だったようですが、結果としては、必ずしも芳しいものではなかったようです。
思えば小泉さんも長いですよね。
短命で終わると思っていたのですが、これまでいろいろ叩かれながらも何となくやってきている。
実際のところ他に総理になり手がいないのかも知れないですね。
しかし、北朝鮮と言う国はいつまで国家として存続するのでしょうか。
私が大学生の10年程前、韓国の学生とよく交流していたのですが、向こうの学生は口々に今世紀中に朝鮮半島は統一すると言っていました。
金日成が死んだ時に一気に統一になだれ込むと思ったのですが、あれから10年経った今も存続しています。
一方で今日の会談に象徴されるように、日朝国交正常化に向けてもにわかに動き始める気配があります。小泉さん在任中に正常化が実現すれば、それこそ歴史に名を残す首相となることは間違いないです。
果たして北朝鮮との国交正常化が先か、国の消滅が先か、北朝鮮事情は全く混沌としていて読めません。朝鮮ジャーナリストの意見もそれが各々全く異なっていますし。
私には傍観するしかありませんが、目を離せない問題です。
一方で、南の韓国については、昨年から韓国ドラマがブームになり、これまで「近くて遠い国」と言われてきたのが名実共に「近い国」になろうとしています。
かつては禁じられていた日本文化の受け入れも、昨今、正式に解禁になりましたし。
先に述べたように私は10年ほど前、韓国の学生としょっちゅう交流していたのですが、彼らの日本に対する関心と言うのは、我々が韓国に向ける関心の何倍も大きかったように思います。
卑近な例をあげると、我々は韓国の俳優やアイドル、人気歌手など当時ほとんど知らなかったのが、韓国では日本の大衆文化が公式には禁じられていたにも関わらず、ものすごいブームでした。日本の歌謡曲なんかは、私よりも韓国の若者の方がよく知っていましたし。
それが最近は日本も韓国文化に興味を示すようになり、お互いの歩みよりが本格的に進んでいるように思います。
中でも「冬のソナタ」はブームの火付け役として大きく貢献したことでしょう。
私も今、はまっている一人です。
このドラマがブームになった理由として、「高度成長期以降、日本人が忘れていた純粋さがうけた」と、ジャーナリズムでは説明されます。
確かにそれもあるでしょうが、私はもう1つ理由があると思います。
それは出演している俳優が「ほんもの」であると言う点です。
最近の日本の俳優やアイドルは、気軽にスキャンダルに巻き込まれたり、勝手に妊娠したり、言動が子どもっぽかったりなど、どうも素人臭さが感じられて仕方ありません。
かつては、「石原裕次郎」、「松田勇作」、「夏目雅子」、「山口百恵」など真のカリスマと言えるスターがいたものです。マスコミも一般市民も彼らの悪口を言うことがタブー視されていたほどです。しかし今はどうでしょう。一時は本物と期待された「宮沢りえ」や「広末涼子」などもご承知のとおりです。
そのようなスター不在の日本においては、誰もが文句をつけられない真のスターを、我々は韓国に求めたのかもしれません。
私も「冬ソナ」に出てくる、ぺ・ヨンジュンやチェ・ジウには正直惹かれています。
バブル経済を頂点に高度経済成長以降の日本人は、どこかおかしかったと思います。
それが、昨今は長引く不況の中、人間本来の優しい感情や思いやり、ひたむきな心、そして「ほんもの」に積極的に目を向けるようになってきたのではないでしょうか。
韓国ドラマのブームはそれを象徴する現象だと思われます。
日本は確実にまともな国に戻ろうとしていると感じています。