「自由」とは何か? 2008.4.23
2008年 04月 23日
例えばこんなタイトルは全然興味を引きませんよね。
「なぜ、スイカは甘いのか?」
「なぜ、朝青龍は強いのか?」
「なぜ、食べてすぐに寝ると太るのか?」
「なぜ、新卒の方が就職に有利なのか?」
「なぜ、努力は報われるのか?」
これはすべて当たり前すぎて、面白くないわけです。スイカが甘かろうと、どうでもいいこと。朝青龍が強いのは才能と努力でしょ。食べてすぐに寝ると太るのは、なぜと言われなくても、経験的に知ってます。新卒の方が就職に有利なのも同様。努力は報われて当然でしょう。いまさら「なぜ?」と言われても、関心が向きません。ということは、つまり当たり前の命題ではなく、ちょっと意外性のある命題の方が、この問いかけに優れた効果をもたらすということです。例えば、
「なぜ、女の方が男よりもHなのか?」
「なぜ、食べても太らないのか?」
「なぜ、ニート経験者の方が人生成功しやすいのか?」
「なぜ、今、中途採用が有利なのか?」
「なぜ、努力は報われないのか?」
最初に申し上げておきますが、上の命題はいずれも「事実」とは限りません。むしろ、そうでないかもしれませんが、そういう一面もあるという程度の命題です。しかし、「なぜ~か?」と書かれてしまうと、すべてが事実のように思えてしまいます。「女の方が男よりH」なんて、確かめようもないですが、「男の方が女よりH」よりは興味を引きます。Hな女性もいるにはいますし、そうでない人だって普通にいます。「食べても太らない」という命題は、ダイエットに興味ある人の心を鷲掴みするでしょう。普通は「食べたら太る」のですが、その常識を覆して、「なぜ、食べても太らないのか?」ですから、思わず読んでしまいたくなります。ニートや中途採用は、社会的に不利な立場であるにもかかわらず、そうでない!と言う命題を立てたことは、多くの当事者の心を鷲掴みにするでしょう。努力は報われると昔から言われているのに、現実にそうでない人もいる。なぜか?と言われると、やっぱり気になるところ。
一言で言えば、いかにして「脳に空白をつくるか」が重要なのであって、単純に「なぜ?」を連発しても、不発に終わる可能性も高いということです。鳥居祐一さんの「お金持ちにはなぜ、お金が集まるのか?」という本のタイトルなどは、その点、実に興味をそそります。それを知ることができれば、自分もお金持ちになれると思うからです。その例で言えば、人間の「欲求」を刺激するものの方が効果は高いと思います。食べ物、セックス、ダイエット、お金、容姿、、、など。言い換えると、「コンプレックス」をくすぐるもの。
実は世の中で売れるものとしては、まずは生活必需品が第一にあげられますが、それよりももっと付加価値を付けて売れるのは、「コンプレックス産業」であると言われています。人のコンプレックス(劣等感)に巧みに付け込んだ商売です。例えば、肥満、ハゲ、体臭、顔、童貞、恋人不在、外国語、収入、など。ちなみにだいぶ前にですが、「ハゲ」に関心のある時期があり、その手の情報をいろいろと見ていたことがあります。その際、売り手(植毛・かつらメーカーなど)は、決まって「男は見た目じゃないなんて嘘だ!」と書かれていました。「髪があるのとないのとでは、どちらが有利にだと思いますか?」「髪があって困ることはないけど、なくて困ることはたくさんあります」みたいな書き方で、見事にハゲのコンプレックスを刺激するわけです。それも巧みに。おそらく他のジャンルも同様でしょう。マーケティングサイドはそのような「コンプレックス(劣等感)」を刺激するのが、実に巧みなわけです。
話変わりますが、ロバート・キヨサキさんの「金持ち父さん、貧乏父さん」という本がだいぶ前に話題になり、今でもベストセラーを続けていますが、これは実は「お金に対する啓蒙書」ではなく、「キャッシュフローゲーム」を売るために宣伝材料だったのです。そして何とロバート・キヨサキの言う「金持ち父さん」も「貧乏父さん」もこの世には実在しないことが明言されています。その話は河本隆行さんの「ミリオネアの教え、僕の気づき」という本に詳しいです。おまけに、本田健さんの言う、ユダヤ人大富豪、スイス人銀行家なども実在しないと言われています。すべては自分の高額教材を売るための材料に過ぎないわけです。本音のところは。で、それらを読んで「ファイナンシャルリテラシーを向上しなければ!」というコンプレックスを刺激され、キャッシュフローゲームを自動的に買ってしまうわけです。で、このカラクリを知った時、ゲームの購入者の反応は二つに分かれます。一つは「騙された!」と言う反応。もう一つは「なかなかやるな!」という反応です。
さて、どちらの反応の方が人生を豊かにするでしょうが。どちらの反応の方がより「自由」でしょうか。私は「なかなかやるな!」という反応だと思っています。実際、キャッシュフローゲームを買って、お金のことを学べるだけでなく、マーケティングの心理をリアルに実感できたのですから、正直言って、投資としては十分に元を取っているでしょう。しかし「騙された!」と思う人は、それまでです。それ以上、ロバートの本も読まないだろうし、キャッシュフローゲームもしなくなるでしょう。その瞬間に、せっかくの投資が浪費となってしまうわけです。
またまた話が変わりますが、以前、大学の講義でお話をしたことがあります。その際、コミュニケーションの話とかもしたのですが、感想文の中に興味深いのがありました。「石田さんは口がうまく、正直、ものを売られそうで怖いと思いました」など。結論から言うと、「怖い」と思われている以上、ものは売れません。本当にすごいセールスマンは相手に「怖い」などと絶対に思わせないでしょうから。もちろんその時は、コミュニケーションのちょっとしたコツなどを話したと思うのですが、そこに多少なりともテクニック的な話もあったので、そう言うのをたくさん知ってそうな石田さんは「怖い」ということになったのでしょう。しかし、本当の意味で「怖い」のは、テクニックやスキルをまったく明かさずに、自然と好意的にアプローチしてくる輩です。ロバート・キヨサキさんが「金持ち父さんは存在しない」と明言したのは、実は非常に親切な行為なのです。すべてを明らかにして、それで必要な人はキャッシュフローゲームを買って勉強してお金持ちになってください、と言う話ですから。相手に手の内を明かしながらアプローチする詐欺師などこの世にいませんから。
私はこのブログで、いろいろ書いています。「脳の空白」を用いたマーケティングの話、コンプレックス産業の話、、この手の話はいろいろ知っています。興味がありますから。で、これを読んで、私のことを「あやしい」と思うのであれば、それはそれでいいです。しかし、私が思う本当に「あやしい」のは、いかにも善人を装いながら、巧みに相手のコンプレックスを刺激して、知らず知らずにお金や心を巻き上げる連中です。以前、書いたと思いますが「復縁マニュアル」なんてのを販売しているのは、その最たるものです。それでいて「クリックで救える命がある」というバナーを貼ってたりします。それが悪いというのではありません。ただ、そのバナーを貼っているからと言って、すべてが善人だとは限らないということです(もちろん善人もいます)。
私が言いたいことは「自由であれ」ということです。「クリックで救える命がある=いい人」というステレオタイプな図式を持っている精神が果たして「自由」と言えるでしょうか。キャッシュフローゲームを買って「騙された!」という人が、はたして「自由」と言えるでしょうか。「自由」であるためには、私は多少とも「知識」や「理論」も必要であると思っています。コンプレックス産業のカラクリを知っていながら、それでもその商品を買うのは「自由」だと言えます。しかし、カラクリを知らずにクリックしてしまい、効果がないことを知って後で「騙された!」と悔しがるのは「自由」とは言えないでしょう。この人はいい人だから、言うことはすべて正しい、と思うのも「自由」とは言えません。いい人かもしれないけど、人間臭いところもあって、私はこの人のいいところと付き合っていきたいと思うのは「自由」です。「なぜ~か?」というタイトルに惹かれて読んでみたところで、それがカラクリだったことを知って憤慨するのは「自由」だと言えるでしょうか。知ったところで「やられたな~」と思い、それでも読んでみようと思うのは「自由」だと言えます。「自由」を守るためには「知識」や「理論」が必要な場合もあります。いや、知らないよりは知ってた方がいい場合がほとんどです。私の書いた文章が少しでも多くの人に「自由」をもたらすことを願っています。
と言うことで、前置きはこのくらいにして本題、、、と思いましたが、長くなりましたので、今日はこの辺で。ではでは。
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