想いを捨てる話 2006.9.30
2006年 09月 30日
じゃあ私は何のため・・・と聞かれると、それはそれで困ってしまいます。きっかけは「話のネタ」でした。しかし、なぜか続けて、何度か「行」も経験して2年が過ぎました。滝行のメンバーは一定せず、入れ替わり立ち代り新しい人が来ては去っていきます。来てしばらくは、絶対に冬を越すとか、一生続ける、なんて言う人もいますが、そういう人に限って途中で止めてしまうようです。今でも継続して続けておられる方って、年配の方が中心なんですが、ほんと、何も求めず、ただ坦々と滝に来ます。そしてみんなでうどんを食べて帰られるだけです。何が見えるようになりたいとか、何の力が欲しいとか言う人はいません。そういう人はすぐにやめてしまう傾向があります。やめる心理はよく分かります。要するに、何のために滝に打たれているのか分からなくなるからです。特に「何かの力をつけよう」と思ってくる人は、滝に打たれたからと言って何の力もつかないことが分かると、すぐにいなくなってしまうのでしょう。で、結局は最初から何も求めて来ない人が、残っているに過ぎません。もちろん仲間との交流などはあるのでしょうが、それだけだったら別に滝にこだわる必要もありません。でも、ただ何となく来ているのです。
私は「一生続ける」とは言った事がありませんが、40歳くらいまでは続けてみたいと思っています。連続でなくとも千日は入ってみたいと思っています。だから何?・・・と言われたら、何も言い返す言葉はありません。あえて言うとすれば、一つは気持ちがいいから、他は、、、何となくやった方がいいように感じているから、、、ぐらいでしょうか。今さらの話ですが、私は「滝行」が本来的な「行」ではなく、現世で生きてる人生そのものが「行」であると思っています。「滝行」は確かにストイックで厳しい「修行」かもしれませんが、本当の「行」は日々の生活の中にあると感じています。手塚治虫の「ブッダ」だったと思いますが、病気で苦しんでいる特定の人に対して、ブッダの修行仲間が、「そんな怠け者は相手にするな」のようなことを言った時、ブッダは、「こんなに厳しい修行をしている人がどこにいますか!」と言ったように記憶しています。別に滝に入ったり、断食したりなど特別な修行をしなくても、生きていることこそが「行」なのでしょう。何かの本に、「地球は牢獄だ」と書かれてあるのを読んだ事があります。宇宙的に言えば、レベルの低い存在が修行のために地球に送り込まれているのだと。事実を検証するのは難しいので、何とも言えないのですが、言わんとすることはわかる気がします。確かにこの世には苦しんでいる人が多すぎます。痛い、辛い、悲しい、悔しい、寂しい、、、などなど。仏教では「四苦八苦」と言う言葉で、人間が本来的に持つあらゆる苦しみを解いています。このように仏教では人間はアプリオリに「苦」を備えていると解くのですが、一方で、その「苦」の本質を理解し、正直に「苦」と立ち向かっていくためのあり方を教えてくれます。ここで、私が2年前に滝行を始めてから、しばらくして導師にもらったメールを紹介したいと思います(導師曰く、一度放った言葉はすでに自分のものではないから、いくらでも紹介したらいい、と前に言われたので勝手に紹介します)。
2004年11月21日
石田君へ
突然メールで驚いたことでしょう。
M氏より君のホームページの紹介を受け、多趣味な君の人生の一部に触れた様で大変面白く拝読させて頂きました。
HPの中で滝行について書かれていましたが普段余りゆっくりと話をする機会もないので滝に関する僕の所見を少し話してみようかと思います。
HPの中で21日行に入る予知(?)を感じましたが僕の思い込みでしょうか?(笑い)21日行本来は行者の道に入る前段であり(僕は後に述べますが別の意味合いで21日行を取り入れていますが)その後には百日行さらには千日行がまっています。
ちなみに今の滝仲間で百日満行は2名しかいません。
その百日・千日行の中に五穀断ち・10日間の不眠不座の断食行を入れます。
(余談)
五穀断ちは米・麦・小麦粉・粟・大豆を断ちます。芋・野菜果物・蕎麦位しか食べれません、さらに断食ですから本物の行者は普段から粗食になります。飽食するとそのギャップが大きいからなのですが、このあたりはまだまだ人間ぽいですね。
僕は千日7日間の断食行を行じましたが、7日間の断食は1日7回入滝し朝1番に滝中で採った水しか飲むことが出来ません最後の3日間はその水も飲めません、滝中でのみ水分補給をします。この時点までくれば「死」を意識します反面五感が研ぎ澄まされてゆく事も体感します。 1~2㌔先から歩いて来る人の枯葉を踏む音で男性か女性人数迄もおよそ判ります、細胞レベルで生命維持活動を始めます。懸命な再生活動が始まります。癌が完治したとかの報告を聞くのは多分このレベルの話だと思います。
余談で述べた様な行は勿論一般的にごく普通の生活を営まれている方には勧めませんが、唯、望めば幾らでも奥深い世界は待っています。
かく云う僕も行者の入り口にたったばかりで、その先は全く未知の世界ですが、僕が行き着いた処までは幾らでもお教えすることは出来ると思います。
僕の提唱している「21日行」ですが、普通の生活を営まれている方では百日が体力的・生活様式から 限度であろうと勝手に決め付けているからです。7日行では多分物足りないだろうし、百日行に入る前段として21日が適切かと、かような次第でありますが、あくまでも百日行を前提にしか考えていません。21日行じて自信がつけば百日と。
僕の滝指導の第1は 想いを捨てる事 に置いています。
多分21日行を経験すれば理解出来ると思いますが、眠い・寒い・冷たい・食べたい・飲みたい・etc. 行に入った人が一様に感じる様ですが、全ての想い(不満)は自分から出ていることであり、滝はただそこに存在しているだけであり、皆に対して必ず平等な存在である、誰一人特別辛く当たることはありません。正しくそれが「神」の世界だとぼくは信じています。
不満とは自分の思い通りにいかない、相手から発されるものではなく、自分の最適な環境を維持出来ない不条理感であろうと思います。
只、淡々と水に浴し水と一体になれた時、自然から受け入れられたと感じた時至福の瞬間を体感出来ます。そこには、あるがままの世界が存在します。でも本当はそれすらも皆さんには求めていません。健康に体を維持しボケず極寒の滝を耐えることで不満を捨て他人様の手を煩わすことなく、ピンピンコロリの一生を送って頂ければそれだけで十分なのです。
ですから「滝の会」は楽しい会でありたいと思っています。不満の多い方は多分「滝の会」では長続きしないはずです、想いを捨てる事に気が付かなければ何年滝に打たれようが僕は少なくとも認めません。不満と戦いながら滝に打たれている方は一生懸命応援しますが。
これがちょうど2年前、私が滝行を始めたばっかりの頃に導師からもらったメールです。当時はサラリーマンでしたので、週に一回、土曜日に滝に行くか行かないかの程度でしたので、導師ともあまり話しをしたことがない時期でした。このブログになんとなく「21日行とやらをやってみたい」ようなことを書いていたのを、導師が読んだのでしょう。結局その3ヵ月後には「21日行」に入り、その後、当時はまだ2人しかやった事がない100日行もやってしまいました。それはともかく、このメールでの中心は「想いを捨てること」だと書かれてあります。導師の言うように、「行」に入ると「眠い・寒い・冷たい・食べたい・飲みたい・etc.」などの苦しさや欲、不満が出てきます。まるで人生そのもののようです。導師は、そのような苦しさや欲、不満は自らが出しているものであり、「人生・世の中=滝」はただ在るだけだと言います。となると、「滝行」とは人生・世の中の縮図として、いかに自らの想いを捨ててあるがままに生きれるのかをロールプレイさせてくれる場なのかもしれません。
私が行っている「滝行」の意義はそこにあるのかもしれません。ただ、それを自覚してないだけなのかもしれません。想いや煩悩はまだまだあります。2~3日前もエロい夢を見たばかりです。でも滝行を始める前は四六時中、文句ばかり言ってたのが、今ではほとんど言うこともありません。言わないことはないのですが、少なくともかなり減りました。そして前よりも生きるのが楽ではあります。もしかしたら滝行を続けてきたおかげなのかな、とも思います。じゃあ、滝行をすると人生が楽になるのか、、、と言われると、導師がメールの中で言っているとおり、不満の多い方は「滝の会」は長続きしないのかもしれません。それでもあえて、一冬、二冬を越すと、もしかしたら「想い」が減り、楽になるのかもしれません。私などは元々、不平不満の多い人間でしたので、ちょっとは楽になれたのも、滝のお蔭の部分もあろうかと思います。今でも不平不満は言いますが。
そんなことで「21日行」も残すところ、あと一週間です。アトムカンフーさんがよく言うのですが、「行」の間はやけにブログが濃くなると。確かにその通りかもしれません。今回の21日行でも、何かと考えさせられ、気づきが得られたようにも思います。そう言えば、先達のtorutさんも今日、21日行が終わったようです。最後の記事を読むと、今回の行の間はいろんな事があったようです。でも今は茄子味噌が食べたいようです(笑)。私も残り一週間、気を抜かず、行が出来ることに感謝しながら、滝を頂きたいと思います。ちなみに「導師のメール」ですが、今日紹介したものは一部です。他にも面白いものもありますので、何かの機会にタイミングよくご紹介できればと思います。今日も長い文章を読んでくれてありがとうございました。
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りんごを食べた。