のび太の絵 2006.8.25
2006年 08月 25日
今日は私のバイブルでもある「ドラえもん」を読みました。私のドラえもん好きは、このブログをお読みの方はご存知だと思います。同じ話を覚えるほどに何度も何度も読んでいますが、いっこうに飽きる気配がありません。ドラえもんは私に「人生」を教えてくれましたし、これからもそうあり続けると思われます。子どもにも真っ先に読ませたいものです。でも今読むと微妙な話があるのも否めません。例えば「ヘソリンガス」です。ガソリンスタンドのような機械からおへそに「ガス」を注入するのですが、そうすると痛みも辛さも感じなくなるのです。身体的な痛みだけでなく、心の痛みも感じないので、恥ずかしさもなにもなくなります。要するにこれは「麻薬」なんですが、本来、小学生相手にはヘビーな内容のはずです。でも、大人になって読むからこそ、そのヘビーさを理解できるのであって、子どもたちに対してしては「痛みは危険を知る上で大切なんだよ」と道徳的に教える内容になるのでしょうか。ここで「麻薬の話はやばいよ」と深読みしてしまうのは、ある意味、すれた大人になった証拠なんでしょうかね。
それはそうと、今日読んでて感じたのが、のび太ってやたらと野球好きですよね。いつもエラーや三振ばかりしてチームメイトに迷惑をかけ、ジャイアンにぶん殴られるにも関わらず、2回に一回は野球に対して積極的な姿勢を見せます。まったくもっていいとこなしにも関わらず、野球だけはきちんと参加しているようです。よほど仲間外れがイヤなのか、本当に好き(下手の横好き)なのかは分かりませんが、苦手なものに対するあの積極性は評価していいと思いました。それから、「絵」もです。これは積極的かどうかわかりませんが、彼らの遊びの中にしばしば「写生大会」が登場します。スネオもジャイアンもしずちゃんもそこそこにいい絵を描くのですが、のび太だけはまたどうしようもない下手な絵を描きます。そしてその都度、ドラえもんまでも「下手」と追い討ちをかけます。のび太の勉強やスポーツの苦手さに対して、ある程度寛容な態度を示すドラえもんでも、こと絵に関しては容赦ないのです。例えばこれです。

笑いすぎ!!です。それからこれです。

確かにひどく書けと言ったのですが、「こりゃひどい」とばっさりです。のび太自身も「ひどく書いている」のを自覚しているのに、それでもあえて「こりゃひどい」とばっさりやられるといい気はしないものですよね。他にこの絵に対しては、

みんなから「猫扱い」されたものですが、「え、イヌなの。へただなあ。」と追い討ちをかけます。さらにこの絵に対しては、

「なるほど・・・大わらいだ。」とまったくもって容赦がありません。探せば他にもあるのでしょうが、のび太の「絵の下手さ」に関しては、友達ばかりでなく、一番の理解者であるはずのドラえもんまで救いようのないダメ出しで切り捨てます。そんなのび太であるにも関わらず、「懲りないのび太」として昔から私が好きだった話があるので、ご紹介させていただきます。題名は「週刊のび太」です。

「週刊少年ジャブン」を発売日をまちかねて買ってきたのび太です。私は当時「週刊少年ジャンプ」を買っていたので(キン肉マンを読むため)、「ジャブン」が出てきてちょっと嬉しかったものです。なんでそんなにまちかねていたのかと言うと、、、

「新人まんが賞」に応募したので、その結果を心待ちにしていたのです。でも残念ながら「佳作にも入選していない」と「ジャブン」を放り投げて怒ってます。「大宇宙の大怪魔」という32ページの「ケッ作」だったのにです。さぞ「ケッ作」だったので悔しかったのでしょうね。小学生ながらその悔しさに対して、私も感情移入したのを覚えています。そこで不貞寝するのび太のためにドアえもんが秘密道具を出してくれます。「雑誌作りセット」です。「製版印刷製本機」と「まんが製造箱」と「編集ロボット」の3点セットです。どんな雑誌にするか編集ロボットと相談するといい、とドラえもんからアドバイスをもらうのですが、「相談なんかしなくていい、きまってる。」と自信満々につっぱねます。「絵」に関してあれほど酷評されておきながら、よほど自信があるのでしょうね。そしてこのコマです。

おお~。すげえたくさんです。誰にも読んでもらえず、誰からも評価されず、それでも山のような原稿を仕上げるのは、大したものです。この根気と想像力は全国の小学生は見習わなければなりません。それでできたのがこれです。

いかにも自信満々な表紙ですよね。週刊のび太。そのまんまです。で、ここから「遠写カガミ」でコマーシャルをして、「一冊百円」で友達に売るのです。のび太の家には列ができています。当然手にとって見たくなるわけですが、そこで衝撃のコマが登場するのです。これです。

「なんだこりゃ。」
この一言にすべてが凝縮されています。これ以上の説明は必要ありません。常々、絵を「酷評」されている反省がまったく生かされていません。この後の話は「編集ロボット」としっかり打合せをして、喜ばれる雑誌を作るのですが、相変わらず「のび太のまんがはいらない」と読者の声が集まってしまい、「やめたやめた もうださない!」と「逆ギレ」するオチになります。でもこの話の核は「なんだこりゃ。」の一コマに尽きると思われます。私はこのコマを見て、何度笑ったことか。今でも笑えます。クライマックスが中盤に出てしまうので、残りの話はあまり頭に残らないのですが、それでもやはりこのひとコマのおかげで、20年を経た今の私に対しても笑いの世界へ誘ってくれるのです。ジャイアンやスネオも「なんだこりゃ。」と一言だけ残して、何も言わずに帰っていくのです。この「間合い」もものすごく笑えてしまいます。さすがは「日本一のおもしろマンガ(byコロコロコミック)」です。
「なんだこりゃ。」、、、、これこそ「酷評の極み」でしょうね。腹立つ奴を「ぎゃふん」と言わせたいときは、効果的に使うといいでしょうね。そんな高等テクニックも教えてくれます。この話では。
と、今日もさんざん笑ったので、明日も早いことだし、おやすみとします。ではまた明日。zzz・・・
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自分もその衝撃の「コマ」が見たくて今ようやく見れて感激してます!ありがとうございます!
おっしゃる通り、この作品はこのコマにつきますね。
「なんだこりゃ」次のコマでジャイアンたちが呆れて
帰ってしまう間抜けなところがものすごく印象に残ってます。
でももっとぐちゃぐちゃな絵だったような記憶でしたがw