ウエストで外食産業に思う 2004.8.8

 今日は完全オフ。午後からはいつもは吹奏楽の練習があるのですが、8月から休団に入っているため、家で読書をしていました。夕方、事務処理のため吹奏楽にちょっと顔を出して、夕食はウエストで焼肉にしました。

 外食の中でウエストは比較的行く方かもれません。ウエストで一番のお気に入りはやはりウドンです。カトキチの麺を使用しており、コシがありつるっとしていて、チェーン店にしてはなかなか食わせる方だと思います。他にも和食や中華もあり、それぞれまあまあだと思います。

 そして今日行った焼肉です。ウエストは上記のようにチェーン店にしては、きちんとした経営をしているようですが、焼肉(牛肉)に関しては、ご存知のようにBSEなどの影響で業界全体が落ち込んでいる状況です。ですので、BSE騒動以前よりは正直言って「味が落ちている」のは事実です。しかし、全体的に料金を下げたり、サラダバーや食べ放題メニューを出したりなど、安定供給の難しい牛肉をきちんと提供しようという経営努力は認める必要があります。味が落ちてもウエストはしばらく応援しておきたいと思います。

 ついでですが、庶民的なチェーン店として私がそれなりに評価する店を2つ紹介したいと思います。1つは牛丼チェーン店の「松屋」です。ここもBSEショック以降非常に苦しんだでしょうが、もう一方の大手牛丼店「吉野家」に比べると、季節限定メニューを企画したり、定食やカレーのメニューを工夫したりなど前向きな経営努力が見られます。もちろん、「吉野家」よりは牛丼のブランド力が小さいので、品を変えあの手この手で攻める必要があり、また攻めやすいのかもしれません。

 「松屋」の品の中ではカレーがお気に入りです。私のカレーマニア度は日記等でも何度か述べたとおりですが、松屋のカレーにはさりげない経営努力が見られます。カレーは庶民的なメニューで家庭で作りやすいため、「ココイチ」を始めとするカレーチェーンはいわゆる普通のカレーとの差別化を図るために工夫し、その分が価格に乗せられ、「カレーにしては」割高な感をもってきました。しかし、「松屋」の場合は、290円という安い価格設定でありながら、しっかりとした独自のカレーの味を追求し、確実に「松屋のカレー」を定着させています。「松屋カレー」は量産的なカレー粉を使用せず、しっかりと玉ねぎをベースにしながら、幾種類かのスパイスを調合し、どちらかというとペッパーの強いインド風で、私のような「カレー食い」を一応は満足させることができます。しかし、惜しむらくは「米の味」が今ひとつというところです。大量に米をさばくため、どうしても軽視されがちになるかもしれませんが、やはり基本である米の味にはもう少し神経質になるべきでしょう。あれだと「アメリカの米」です。私が経営コンサルなら、「米の味」を真っ先に改善させることでしょう。

 長くなっていますが、もう一店紹介させていただきます。居食屋「和民」です。これは近年全国展開しているレストランチェーンであり、ここの経営者である「渡辺美樹氏」は高杉亮著「青年社長」のモデルでもあることからも、経営に対しては確固たる信念が感じられます。いろいろある中で、月並みな言い方ですが「良いものを安く」がきちんと守られているようです。それを可能にしているのが、提供される食材のいくつかを自社経営の農場で生産している点にあります。そのようにして安全、安心な食材を安価で提供することができるのです。これは画期的なことです。実は株式会社の農業経営はこれまで厳しい規整で制限されてきたところ、特区の指定などにより、経営哲学を貫徹しようとしているのです(今度の農地法の改正では株式会社の農業参入を大幅に認めるものになりそうですが)。

 最後に私の外食産業に対する考えを簡単に述べると、今後も外食産業は安全、安心、安定、美味、経済的をベースにした経営展開をする必要があります。しかし、それだけでなく地球環境に配慮したものである必要があります。その意味で、株式会社による農業経営は食の安定供給、農地活用による環境保全に対して画期的な側面ががあります。

 それよりも、私としては、まず、「米の味」に徹底してこだわった外食産業の展開を望みたいと思います。とにかく安全で安心で美味しい米を基本にして、外国の米を寄せ付けないくらいの消費者性向を確立する必要があります。こう言うと右翼的かもしれませんが、かつてミッテラン元仏大統領が言っていたように、先進国たるもの自分の食べ物くらいは自分でまかなわなければならないと思います。それにはまず「米」。超越的に美味しい米を確立して、けっしてアメリカ産などを寄せ付けない(味、値段も)体制を築く必要があるでしょう。

(写真は信州の荒廃農地)

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by katamich | 2004-08-08 20:54 | ■食 | Comments(0)