アケビ 2004.9.30
2004年 09月 30日
今日は先進地視察の仕事で、浮羽郡吉井町と浮羽町に行ってきました。そこでは、地産地消の農家バイキングを頂いたあと、農作物の複合センターや道の駅の視察に行ってまいりました。そのような、視察はこれまでも行ってきているのですが、近くにこのような先進地があるのは非常に参考になります。
終わりの方の道の駅でなじみのないものを目にしました。なんと、「アケビ」が売っていたのです。最初はサツマイモかと思ったのですが、よく見ると「アケビ」と書いてありました。思えば「アケビ」って食べたことあるでしょうか。昔の人は山の中に入ってよくとって食べたと聞いていますが、私が物心ついてからはほとんど目にしたことさえありません。珍しい物好きの私としては、2個250円もする「アケビ」を思わず買ってしまいました。
食いしん坊の私は、早速車の中で食べて見たのですが、「何これ、にが~」でした。これはあんまりやろと思ったのですが、中に入っている種を食べてみると、意外や甘かったのです。どうやら食べるところを間違えていたようです。
しかし、この食べるべき種(詳しくは種の周りの白い奴)は恐ろしく食べにくいのです。しかも、甘いことは甘いのですが、なんだか物足りない甘さです。例えば、メロンの中心の種の部分もアケビと同じ感じですが、本来食べるところでないメロンの種の部分の方がはるかに美味しいと感じました。
食べにくくて薄甘い。これでは今の消費者の心をつかむことはできません。しかし、このアケビも、昔の人にとっては最高のおやつだったそうです。野原でバッタやトンボを追いかけ、かけっこをして山の中を探索した時に見つけて、歓喜するのでしょうね。
思えば、今の果物はほとんど品種改良が加えられていたりと、人の手が入っていますが、このアケビみたいなものは品種改良してもそれに値しないのか、完全に自然のものとして残っています。
この自然さ、甘さの控えめさ、そして食べる時のもどかしさは、なんだか日本の原初を見るように感じます。今の子ども達にアケビをあげても、おそらく見向きもしないでしょうね。そう考えると、アケビにこそ子ども情操教育の原点があるように思えます。例えば、水筒に沸かしたお茶だけ持っていって、半日山の中を歩いて皆でアケビをとって食べる。こんなイベントがあっても面白いんじゃないでしょうか。提案したいと思います。
ちなみに、今日一緒に視察をした山川町の職員の人に言わせると、「そんなん、山ん中にたくさんぶら下がってますよ」との事です。貫禄負けした気分です。
(写真はアケビ-昨日の写真はあんまりでしたね)
![アケビ 2004.9.30_b0002156_032989.jpg](https://pds.exblog.jp/pds/1/200410/01/56/b0002156_032989.jpg)