はれのひ社長に救いあれ 2018.1.12
2018年 01月 12日
最近、ちょっと身近なところで商売に大失敗して大問題になっていることがあって、そう、「はれのひ」の事件。今さら隠してもしょうがないけど、「はれのひ」の社長さんは昨年の夏頃に私のセミナーに参加され、それからちょくちょくお会いしていました。初めてお会いしたのは神田のセミナーで懇親会が8名。学生が一人いましたが、それ以外は全員経営者の場だった。話は面白かった。刺激的だった。元々経営コンサルタントから実業に転じただけに商売のノウハウは確立されている。実際、はれのひ社長さんが入った会社は売上がすべて何倍にも上がっていたそうだ。
ここ数日、複数の方から「Qさん、すみません、あの日のあの場のあの人は、今、渦中の方では・・・」との連絡をいただき、相当ビックリされているそうです。おそらくこれを読んだ人の中で「え~!!わたしいた!」って反応もあろうかと思います。
確かに結果は最悪です。これ以上にないほどに。けど、社長を擁護するわけじゃないですが、最初から騙すつもりで商売をしていたわけじゃない。いろんな批判もあろうけど、「商売」はすべてがすべてきれいごとだけで進められるものじゃない。ある程度の弱肉強食は資本主義である以上、必然だ。稲盛和夫さんにしても、あんな素晴らしい本を書かれていますが、M&Aなどで泣いた経営者は数知れず。しかし、それが商売。やってる人が報われるのが自然の世界。そんな世知辛い世の中に嫌気をさして理想郷を作ろうとした運動が「共産主義革命」なんだろうけど、その壮大な社会実験は見事に失敗に終わり、その残徒が朝鮮半島の北部に君臨している。過去には毛沢東、スターリン、ポルポトのように「理想」を追うがために大量殺人してきた歴史もある。
はれのひ社長とはそんなに根掘り葉掘り話をしたわけじゃないですが、最終的には「融資」にかけていたのだと思う。前払いの商売は手堅い一方で、お客さんの期待に応えるためのリソースはしっかり確保しておく必要がある。最後半年ばかりは給料もろくに払われず、当然のこと辞めていく社員が後を絶たない。そうなるとサービスの質が低下し、お客さんも離れていく。だけど、短期間に急拡大したのでかかるコストが減るわけじゃない。
おそらくこの成人式が最後のかけだったのだろう。成人式をきちんとこなすことができれば何とかなる。そのためには銀行の「融資」が頼みの綱だったけど、6億円もの負債を抱えてしまって銀行の支援にも限界がある。そうなると街金しかない。とにかく成人式だ。成人式さえクリアしたら何とかなる。そう思って年内いっぱい奔走し続けた。しかし、負けた。
本来であればその段階で予約のお客さんに通達すべきだけど、自暴自棄になったのだろう。一部マスコミが報じていますが、社長には1歳になるお子さんがいる。独り身であれば、煮るなり焼くなりご自由にと開き直ることもできようが、守るべきか弱い家族がいる。今、表に出ると街金の取り立てが殺到する。家族に危害が及ぶかもしれない。商売の仁義に反するのは承知の上、家族を守るためには身を隠すしかなかったのが実情だろう。
孫ほど離れた初めての子ども、目に入れても痛くないとはこのことだと、可愛くて仕方なかった。中国に逃亡したとの噂もあるけど、それはないと思う。もし本当に中国に行っていたのなら、臓器でも売りに行ったとさえ思ってしまう。
私は社長の奥さんと子どもにも会ったことがある。だからじゃないけど、商売の失敗を擁護するわけじゃないけど、社長と家族のことが人としてとても心配なのです。正直、私にも小さな子どもがいるだけど、心情を察してあまりあるものがある。今回の事件は単純に「中小企業が事業に失敗して不履行になった」というよくある話にすぎない。ただ、「成人式」にかかわったことで社会的な印象が大きくなった。
「正義」を振りかざして鉄槌を加えるのは簡単だ。何度も言うけど、社長を擁護することはできない。商売人としてのケジメをしっかりつけるべきだ。だけど、そこに「父親」という役割がかぶさったとき、そんなに単純には割り切れないのが素直な心情だろう。
2018年「明らか」になる年だと聞いた。星読みの話だけど、それはあるかもしれません。すべてにおいて隠すことができなくなる。一方で、努力した者はきちんと報われる。「最小努力の最大利益」なんて甘い話は通用しない。
「見たくないもの」をきちんと見る勇気が問われる。放置しておいても、宇宙人は助けに来ない。すべては自分次第。自分でどうにかするしかないんだ。はれのひ社長も十分にわかっていた。もっと早い段階で手を打っておけばよかったと何度も後悔しただろう。
最後の最後に「融資」か、または何か見えない力を信じたのか。斎藤一人さんも大好きだったと聞いた。しかし、結果が出てしまった。考え得る限り最悪の結果かもしれないが、もしかしたら最悪じゃないかもしれない。成人式に出られず悲しい思いをした人も多いけど、もしかしたらもっともっと最悪の事態になる前にことが済んだと考えられるかもしれない。幸いにもいろんな人が救いの手を差し伸べている。ユーミンの実感の呉服店もそうだし、キンコン西野もそうだ。
世の中は、はれのひ社長に絶対的な「正義」を振りかざして、それにかかわる多くの「美談」に対して胸アツだと騒ぎ立てている。成人式に参加できなかった700人、はれのひの取引先、金融機関、直接的な被害は決して小さくはないけど、けど、年始早々の大珍事を「祭り」のように騒ぎ立てている大多数にとっては無関係のはずだ。
はれのひ社長は悪人だろう。世の中的には。だからこそ、オレはあえてはれのひ社長の救いを祈りたい。実際の社長は気のいい普通のおじさんだ。少なくない経営者が気の迷いや力量不足で事業に失敗しただけのこと。社会的に大きな騒ぎになってしまっているけど、ただそれだけのよくある話。あんな社長の救いを願うなんてとんでもない奴だと思うかもしれなけど、クズにはクズが集まるとか言われ等とも、いち人間として、男として、同じ父親として、反感を買うのを承知で篠崎社長の救いと家族の幸せを心から祈っています。ありがとうございました。
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間違いや失敗が一番「人間らしい」とすら思えるのに、そんなに人の失敗を攻撃したらいざ自分が失敗した時、その矢は自分に向くのだとどこかわかってない人も多いと思います。
その土俵はどこか遠いわけではなく、今自分がやりたいことや関わってることと繋がってることだと思います。
みんな、他人事にみすぎ。
なので、はれのひ社長の「人間」らしさを伝えてくださったことは意味を感じます。
血の通った同じ人間。
捨てることも拾うことも、人間がやってると思います。
だからこそ、私も、社長を含めた
今回の騒動に関わる全てのもが赦され癒され救われることを祈ります。
正論!!
経営者なら優先すべきは顧客の利益でしょう。あなたの言うように「少なくない事業の失敗」と言うなら失敗してきた経営者はすべて家族どうこうで言い逃れしていいのですか?違いますよね。
はれのひ社長だけそんな考慮をする理由はない。
キンコン西野さんが言うように「大人としてごめんなさい」ですよ。同じ経営者として最低限の責任を取るのが筋。