心理学的に売れる人売れない人 2017.3.11

いよいよ薄井先生とのコラボセミナー。2月頭に企画して、とりあえずやってみましょうって感じで、二週間ほどでばばば~と告知して開催。思い付く限りでキーワードとしてはこんな感じかな。

スピリチュアルとは何ぞやから始まり、マズローを中心とする人間性心理学、魂の叫び、至高体験、欲求五段階説の誤解、欠乏動機と成長動機、霊とは何か、脳波同調、透視能力、性格良い人は運が良い、性格良くなるには、神社、変性意識状態、矢沢永吉、長嶋茂雄、統合失調症、コズモクダカ、薬物中毒、悲惨な人生、死後の世界、脳に虫の触覚がある人、心屋、江原、久高島、加賀田晃、松任谷由実はなぜ売れる、サザン、行動主義、精神分析、トランスパーソナル、LSD、ユング、集合的無意識、タロット、ネアンデルタール人、UFOは扱わない、水晶に意思がある、シンクロの計算80年、不安を落とせば気球は上がる、とにかく傷を癒そう、タイムマシンで過去の自分に会え、お金に好かれるって、その他。


私が「生徒役」みたいな感じで、薄井先生に質問しつつ、コメントを挟みつつやったのですが、私自身もかなり勉強になりました。私はかなり合理主義的なとこがあって、超能力、超心理学のようなオカルトっぽい話は否定はしないけど(もちろん明らかな間違いは間違いと否定するけど)、それが人々の「幸せ」につながっているかどうかしか興味がない。スプーン曲げなんかも、それが単なる奇術のような話で終わるのなら関心ないけど、「サインをキャッチしやすい脳波状態にする」と説明されれば、大いに面白い。


結局、私のこの12年間とか、その前年からの「スピリチュアルとの目覚め」からの人生、奇跡やシンクロの連続でしかなく、それは私の特殊なことなのか、そうでないのか。再現できることなのか。今日のコラボで改めてわかったように思います。いくつかシェアするなら、一つはマズローの言葉を借りて「成長動機と欠乏動機」なる概念。


マズローの「欲求五段階説」って有名ですが、世に伝わっているのはちょっと誤解がある。「欲求五段階説」はあるビジネスマンが研修のために言い出したことのようで、よく知られる通りこの五段階。


5.自己実現の欲求 (Self-actualization)
4.承認(尊重)の欲求 (Esteem)
3.社会的欲求 / 所属と愛の欲求 (Social needs / Love and belonging)
2.安全の欲求 (Safety needs)
1.生理的欲求 (Physiological needs)



このうち、人間として成熟度を「3」と「4」の間で分けてるのが一般的のようですが、実際は違う。まず、この五段階ですべてではなく、「5.自己実現」の上に、「自己超越」なる概念があり、さらに「自己超越」と「自己実現」を「成長欲求」、それ以下を「欠乏欲求」として切り分けてきます。


私にとって重要な概念は次の二つ。


・成長欲求と欠乏欲求
・自己超越



五段階説ってのは、わかりやすいのだけど、たとえば日本人であるならば、あまり意味をなさない。1と2はある程度満たされているし、3も程度はありますが、著しく欠いてる人は決して多くない。

ただ、「4.承認(尊重)の欲求」はめちゃくちゃ強くて、それをして私は「欠乏欲求」と同一視しています。わかりやすいのが、「表現するもの」についてで、たとえば「イラスト」を例にとりましょう。


イラストで売れている人、そうでない人がいるとして、素人目には技術的な差異は見当たらない。どちらも上手と言えば上手。しかし売れている人は普通に売れるし、そうでない人はどんなに技術を磨いても売れることはない。


その違いはすべて「人間性」に基づく。マズローの心理学は「人間性心理学」と呼ばれる通り、この人間性や人格を非常に重視する。つまり、技術的に大差ないイラストであっても、売れてる人は「成長動機」で書いているのに対し、売れていない人は「欠乏動機」で書いていることが多い。もちろん単純に二分できるものじゃなく、「欠乏動機」でもそれがあまりにも強すぎる場合、心身を痛めてでも取り組んだ結果、ある程度売れることはある。ハングリー精神なんかそうかもしれない。


もちろんそれ自体、悪いことではないんだろうけど、ハングリーもハングリーなままであると本人が一番苦しいはず。ハングリー(欠乏)が出発であったとしても、いずれ充足や成長に結びつかなければ長く続くことない。その典型として私は矢沢永吉をよく引き合いに出します。


少年時代は両親から捨てられるように祖母に引き取られ、卵をお湯で溶いて作ったプリンが最高の贅沢なんて極貧生活を送り、なんとしてもビッグになって世間を見返してやるんだと18歳で上京(横浜)。そしあれよあれよとビッグになったのですが、ここまでをつづったのが『成り上がり』。ハングリー精神の塊のようで多くの人の心をつかんだ。


しかし、この後、矢沢は身内に騙されて30億の借金を抱えることになり、首をくくることまで考えたそうだ。そこで奥さんの一言が転換点となった。


「矢沢なら返せるでしょ」


その一言でハッとなり、そしてタオルを売って30億をすべて返済した。その後は還暦をとっくに過ぎる今も現役でマイクを振り回している。

矢沢は「欠乏動機」で成り上がったけど、それがまだ解消されていなければさらなる欠乏、つまり30億の借金を抱えることになった。それが「成長動機」へと転換することで、本当に意味での矢沢に目覚め、その後の活動の方が長く充実している。


欠乏から成長へ。そのきっかけとなったのが、おそらく奥さんの「矢沢なら返せるでしょ」なんでしょう。その言葉で完全なる「承認」を得て、マズロー的には「4から5」へと昇華することになった。その意味で、パートナーシップはとても大切なんだろうと思う。いや、むしろ成功において本当に不可欠なのがパートナーシップなんだろう。それは男女問わず。


イラストの例に戻ると、矢沢ほどの欠乏動機で書いたのなら、それはある程度は売れるでしょうが、どこかで限界にぶち当たる。その欠乏の程度に応じて、矢沢が30億抱えたように、欠乏を証明するような現実を引き寄せてしまう。だけどたいていは「欠乏動機」で書いていると売れない。その欠乏感が人を苦しくさせるのかもしれない。


一方、「成長動機」で描くと、それは普通に売れる。売れないイラストレーターさんはたくさんいますが、私の周りでは柴崎マイさん、たけいみきさんなどは「成長動機」にあるので売れている。ちなみにお二人とも編集は私と同じ金子さんで、今、わかったのですが金子さんは「成長動機」にある人しか担当しないのかもしれない。しがらみでそうじゃない人を担当することはあっても、自ら積極的に担当する著者はすべてそうだ。ちなみにこのイラストの方は金子さんとは直接関係はないけど、売れてる人です。
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つまるところ「成長動機(自己実現→自己超越)」へ転換することだけが、哲学、心理学において重要であり、その分かれ目が「4.承認」なのでしょう。矢沢は奥さんの「承認」によって、真の意味で自分を認めることができ、次のステージに進むことができました。おそらくそれ以前は「オレを見てくれ!認めてくれ!」を世にアピールしまくっていたのだろう。


確かに世の中には「見てくれ~!認めてくれ~!」なる人が多く、そのために活動してるような雰囲気もある。自分を認めてくれる人にすり寄り、認めてくれないとなるとめちゃくちゃにバッシングする。しかし、誰が認めようと、認められまいと、「自分で自分を承認」すること以上に大切なことはない。その段階をへて、初めて「成長動機」へと進むことができるのでしょう。


そして成長動機においても「自己実現」から「自己超越」の段階があり、マズローは「自己超越」のきっかけを「至高体験」と呼んだのですが、その話はまた改めて。では、どんな人が「成長動機」に達しているのでしょうか。セミナーでは一言、こう表現しました。


「性格がいい人」


これは深い。何をもって「性格がいい人」と定義するには、それこそマズローがいろいろ条件を並べていますが、普通に感じるところの「この人、性格いい」でだいたい外れてない。矢沢永吉なかんかもめちゃくちゃいい人らしいし、若いころのギラギラ(欠乏)も大切だけど、長く安定して貢献し続けるには「成長動機」である必要があり、それがまさに「性格がいい人」なんでしょう。


そう言えば金子さんが担当する人、皆さん性格よくて著者同士の交流もあるもんな。マイさん、みきさんはじめ、薄井先生、リュウ博士、りかさん、ふみとさん、私が知る限り、本当に性格がいい。だったらオレは?ご判断にお任せします(笑)


そんなこんな、まだまだ気づいたことは多いのですが、今日はこの辺にしておきましょう。薄井先生のとシリーズはこれからも続けるつもりですが、そうそう、公開タロットもすごかったのですが、この話もまた改めて。ありがとうございました。


  
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by katamich | 2017-03-11 23:39 | ■人生哲学 | Comments(0)