熱いものがこみ上げる 2011.3.21

 ちょっと心が震えるようなことがありました。更新が遅れてごめんなさい。フェイスブックのことです。とりあえずアカウントを取っていたのですが、私にはブログもミクシィもメルマガもツイッターもユーチューブもユーストリームもあるしで、さすがにフェイスブックにまでは手が回らないと思ってほとんど放置状態でした。

 フェイスブックにはミクシィの「マイミク」に当たる「友達(フレンド)」って設定があって、とりあえず知ってる人には友達申請してみたり、逆に友達申請を受けた場合などは、とりあえず承認ボタンを押していました。知る人であれどうであれ。中には「外人」もいましたが、ツイッターなんかと同じく「スパム」の類だろうと気にしてませんでした。でも、一応、承認にはしてましたが。

 ところがある一人の「外人(女性)」が繰り返し私にメッセージをくれるのです。「毎日、地震のニュースを見て心を痛めている」「もしできることがあれば知らせて欲しい」「あなたと家族、友達が無事であることを祈っている」などなど。何となくスパムっぽくない感じだったので、その人のプロフィールを見に行く。名前に見覚えはないのだけど、写真は確かに見覚えがある。しかし外人の顔は正確には見分けがつかない。さらにその人のタイムラインを見ていると、今度は見覚えのある名前が出てきた。ジョナサン、、、すぐに彼のプロフィールも見に行くと、確かに面影のある顔が。

 そうなんです。私が24歳の時、一か月だけアメリカのコロラド州でホームステイをした時のファミリーでした。ホームステイの受け入れに対しては奥さん(ベツィ)が積極的だったようで、ちょうど子育て中だったこともあり、日中も私と一緒にいることが多かったです。その時の赤ちゃんがジョナサンでした。当時2歳。今のちびQよりはちょっと上かな。その上にミシェルって7歳の女の子もおり、学校の見学にも行きました。ご主人はデンバーで仕事。ですので、その一か月間はベツィとジョナサンとほとんど一緒だったわけです。長いようで短い一か月でした。その時の日記と写真がこちらですが、今読んでも何だか切なくなってきます。その「別れの日」を引用させて頂きます。


 別れの日は必ずやってくる。なぜなら出会いがあるからだ。次の目的地はニューヨーク。ベツィをはじめ、ファミリーは俺が独りで行くことを物凄く心配してくれていた。明日、この家を出る。家の中にはいつもと違う風が流れていた。ガールスカウトから戻ってきたミシェルが「私がいなくて寂しかった?」をおどけてくる。本当に寂しかった。ミシェルもいつも以上に俺に甘えてくる。ジョナサンと犬たちはいつもと同じだったが。最後の晩餐は、ポークとライスだった。ライスは俺の好物。みんなで感謝と祈りを捧げて食事を始める。ベツィは口数の少ない俺を気遣って、しきりに「具合が悪いの?」と聞いてくる。「大丈夫」とは答えるものの、目は完全に赤くなり、熱いものが流れるのをこらえるのに必死だった。

 出発は明朝、夜が明ける頃で、ベツィがコロラド・スプリングスの空港まで送ってくれることになっていた。寝てしまえば、ミシェルやジョナサンと会うことはない。でもジョナサンと犬たちはいつもと同じ調子。なのに明日から俺はこの家にいない。起こしに来ても俺はいないのだ。お休みの時間になり、まず、ミシェルが「Thank you for everything」と言って部屋に入って行った。スティーブとベツィがこの一ヶ月間のことで俺にお礼を言ってくれた。お礼を言うのはこちらだ。しかし、なぜかその時は言葉が出なかった。2人にお休みを言い、俺も自分の部屋に戻った。ようやく熱いものを思いっきり流すことができた。

 朝が来た。俺は起こされずに起きる。ベツィも起きて出発の準備をしていた。スティーブも起きていて、目を赤くしながら「I'll miss you」と言い、握手を求めてきた。熱いコーヒーを飲む。いつもの車で出発する。辺りはまだ暗い。何を話したか覚えていないが、いろいろ話した。空港に着いた頃には、明るくなっていた。2人で空港に入り、俺のフライトを確認する。フライトまで2時間弱。ベツィも帰ったら子どもたちの世話をしなければならない。最後にベツィが言う。「日本にはハグ(抱き合う)の習慣がないのは知っているわ。でも、今は私たちの習慣に合わせて欲しい。」と。笑顔でハグをした。そしてすぐにベツィは去って行った。見えなくなる寸前の角でベツィは一瞬振り返り手を振った。一人になり、また熱いものが流れてきた。


 この後、2週間ほどニューヨークに滞在。ユースホステルと朝までやってるジャズクラブでとにかく安く。その後も、世界の各地からファミリーには葉書を書きました。当然、帰国してから葉書をまめに書き、インターネットを導入してからはメールの交換。もっぱらベツィに限られますが。

 しかしある日、ベツィは離婚することになります。詳しい話はよくわかりませんが、特に珍しいことではないにせよ、あれほど仲のよかった夫婦が離婚することが寂しかったのだと思います。私的に。しかも何となくいい別れ方じゃなかったのがメールの文面から伝わってきて、どうしてもメールの返信ができずにいたら、そのまま途絶えてしまいました。それは確か私にガールフレンド(ツレ)ができた報告をした後だったので、2003年前後のことだったと思います。一応、5年間は連絡を取り合っていて、しかしそれからずっと途絶えていました。

 しかしいつも気にしていたことは間違いありません。グーグルアースなるものができては、その住所の航空写真を見ては懐かしい思いにふけったりもして。そしていつかもう一度、あの土地を訪れたいと願っていました。ベツィ達には会えずとも、レンタカーかなんかで訪れたい。それも人生の夢の一つでした。

 しかし今回の地震のニュースを見て、ベツィは日本人である私のことを気にしてくれて、とりあえずフェイスブックから「Hisatsugu Ishida」で検索したのでしょう。実を言うと、私も一度だけ、ベツィとジョナサンを検索したことがありました。アメリカ人の半分はフェイスブックを使っているってニュースを聞き、とりあえず有名なジャズマンを検索。すぐに見つかったものの、オフィシャルっぽくて面白くもありません。他に知ってる外人と言えば、、、なんてノリで検索したのですが、同姓同名があまりに多くヒットしたのでそこで終了。

 一方で「Hisatsugu Ishida」って名前は決して多くはありません。写真は貼ってませんでしたが、そっくりのイラストで私だと確信したようです。私が返事を書くまで2~3度、安否を気遣うメッセージが来ていました。何だか熱いものがこみ上げてきます。これまでの人生において僅か一か月だけの交流、それもかなり昔の、そしてあまりにも遠い地にいながら、私のことを気遣ってくれていたなんて。そして改めてインターネットのすごさにも感動。とりあえずベツィと交流するためだけでもフェイスブックをもう少し充実したいと思います。プロフィールもしっかり書いて、もちろん英語にすべて翻訳。

 で、今の今までベツィとゆるやかなチャット状態でメッセージのやり取りをしていました。ミシェルは22歳の学生で一人暮らし。ベツィとジョナサンは同じ村で一緒に暮らしている。さらにベツィは別の男性と再婚。ジョナサンのプロフィールを見ると、さすがは16歳。「オレゎみんながフェイスブックをしてるからやることにした」みたいなチャラけた文面が伝わってきました。どこも同じだな~と感じるものです。

 そして当時2歳のジョナサンが私のことを覚えているか聞いてみると、しっかり覚えている。ただ、一番印象的だったのが「HISATSUGU」って名前だったようで、彼にはそれが「sack of goose」に聞こえるとのこと。それがいつも話にのぼっていたとか。

 そして、ホームステイ時は一緒にいることが多かったので、朝起きるといつも「遊ぼう」って起こしに来る日課でした。それがある朝、突然、いなくなったわけです。いつもの部屋のドアをノックしてもいない。それでしばらく探しては泣いてたそうですが、「sack of gooseはdaddyのところに帰ったんだよ」と言って聞かせて、ようやく納得したとか。そんな話を後から聞いても、かなりグッときましたね。

 ああ、今でも胸が熱くなります。当時のことを思い出してもそうだし、私のことを気遣ってくれていたなんて。とりあえずいつか帰りたいと思います。それまでにはもう少しきちんと英語の勉強もして。ただ、会いに行くのはいいのだけど、またお別れが寂しいのだろうな、、、と思いながらも、こうやってリアルタイムにいつもつながっていられるこの時代にも感謝しかありません。

 とにかくオレも頑張るよ~。そしていつかは私の家にも招待できるように、もっと稼いで、いい家建てて、英語も勉強して、人生を楽しんで。そして今、私の中でも何かが動き出そうとしています。被災地はまだまだ問題山積みかもしれませんが、私にできることは「できることをしっかりやる」以外にありません。何だか今、改めて「大きな愛」に包まれていることを実感しています。さあ、出発です。ありがとうございました。

ありがとうございます!
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Commented by you-wei at 2011-03-22 21:31 x
Qさん、こんばんは。
人のつながりって、ほんとあったかいな~って嬉しくなりました。
思いやりに国境はありませんよね。
いつも、いい話をありがとうございます。感謝してます。
Commented by 上原さつき(マハロ‐カイ) at 2011-03-23 23:50 x
本当に良かったですね。
(^^)
私も、アメリカ在住の従兄弟とか探してるのですが、ヒット数が多くてフェイスブックのアドレス書いて手紙を送ります。
by katamich | 2011-03-21 23:39 | ■旅・ツアー | Comments(2)