永ちゃんのごとく! 2010.6.16
2010年 06月 16日
と言うのは性質の悪いジョークっすね。上の一文を読んだ瞬間、「おいおい!それはないだろ!」とか「はっはっは!おもしれ~じゃん!」ってフルツッコミ入れた人とは親友になれそうです。ま、苫米地さんの本はタイトルにつられて買ってしまったようなもので、内容の再確認かな。ピンクの表紙にもやられながらね。本を開いて前書きを見た瞬間から、「あ、いつものフォレストのライターさんね・・・」とかなり抽象度を上げて読んでしまう自分がいたわけですが、内容は面白かったです。
それはともかく、、、永ちゃん、、、サイコー!陳腐な言葉しか出てきませんが、今さらながらサイコー!凡百の自己啓発本を凌駕する日本を代表する名著です。ちなみに本のライティングを担当したのが、あの糸井重里。永ちゃんも天才と認める男。そんな本が魂に響かないわけないっすよね。今日もツレに怒られながら(世間一般に言う、女房の尻に敷かれながら)、ちびQにメシを食わせながら、、、左手でページをめくりながら読了。
「成りあがり」の副題は「How to be Big」、、、ビッグ!!!咄嗟に「田原俊彦」を思い出したオレがちょっと好き。俊ちゃんが「ビッグ」って言って干されたことは有名だけど、当時28歳の永ちゃんが言っても全然嫌みにならないし、むしろビッグって言葉が陳腐に聞こえるほど納得できるでしょって。ま、こう言ってはなんですが、ジャニーズ系とか、ハロプロとか、最近で言うAKBなんとかなどは、98%は周りの努力で売れてるわけでして、それに対して永ちゃんは、もちろん周りの力も無関係とは言わないまでも、それ以前に「矢沢永吉」ってジャンルができてるんだから、そもそものグレードが違います。
ところで今、なぜに永ちゃんの本を読みたくなったか。深い意味はありません。そもそも私はジャズとクラシックしか聞かない男ですし、Jポップだのロックだのは、どちらかと言うと関心はないし、むしろ拒絶するタイプ。永ちゃんの音楽も和製ロックなんだし、そのジャンルとして興味があるわけじゃありません。永ちゃんのコンサートにも行ったことないし、おそらく私と、永ちゃんの客層とは、一見からまなさそうに思われるでしょう。とか言いながら、私のセミナーに参加される方には永ちゃんのファンの男性が意外と多く、懇親会になるとどうしても熱い話になってしまいます。どっかで通じるところがあるのかもですね。
それはそうとですね、今回の東京セミナーに出発する日だったかその前の日だったかに、たまたま永ちゃんがテレビに出てたんです。還暦過ぎた永ちゃんが。それ見て無条件に「かっけ~!(かっこいい)」とか思って、そのイメージを引きずったまま東京に到着。そして金曜日に突然、「接近戦カフェ会」なんてのを開催したら、昨年の東京セミナーに参加されたIGA-Gって男が来て、そんで昼間っから生ビール飲んでいろいろ語ったてわけ。
彼はいわゆる音楽業界の関係者で、そんな雰囲気もありまして、アメリカ住いも長かったようだし。で、その彼のしゃべり方とか、本人は意識してるかどうかわかりませんが、ちょっと永ちゃんぽかったりするんです。そんで、そのカフェ会では永ちゃんの話で盛り上がってね。「永ちゃんってガリガリ君のコーラ味スキって話ですよ」「え!マジで!かっこええ~」みたいな話してたら、急にコーラ飲みたくなってきて、ビールの次は「キューバリバー」を二人して注文。キューバリバーってのは、コーラとラムにライムを絞ったカクテルだったかな。ただそれだけ。でもその店にガリガリ君があったら即買いでしたね。そんで言うまでもなく、昨日はガリガリ君食いましたけどね。ソーダ味しかなかったのが残念でしたけど。
で、本の話なんですが、やっぱり熱くなりますね! それが序盤は泣けるんです。小さい頃に両親を亡くして、親戚をたらいまわしされながら、結局、おばあちゃんと二人暮らし。そして極貧生活。クリスマスには近所の金持ちのガキがケーキ片手に「くいて~だろ?」ってちぎって投げてきたんです。それが顔にくっついたんだけど、普通なら「てめ~このやろ~」とか殴りかかるところ、幼い永吉はそうしなかった。ほっぺたのケーキが落ちないでくれ、あいつがどっか行ったらケーキのクリームなめれるのに、、、とか必死で願うわけなんです。また、誕生日にはいつも一個の卵が二個。それがご馳走。おばあちゃんからは「卵と思って食うな!ニワトリ二羽食ってると思え!」ってまるでがばいばあちゃんのようなこと言われて育ったとかね。
そんな貧乏エピソードの後は、ま、中学でちょっと不良になって、それから初恋なんかも経験。その時、ビートルズに出会って音楽に開眼。そしてその時すでに「オレはスターになる」ってアイデンティティが芽生えたって言うから、やっぱり本物スターはどこか違うわけですよね。面白いのが、音楽でスターになるんだから音楽の勉強が必要。ってことで、楽典を買ってきて音楽家ってイメージを作り上げちゃう。発声練習とか呼吸法なんかも地道にやりながら。
よくスターには天賦の才があるって言われますけど、本を読む限りでは、おそらく永ちゃん自身に音楽的な才能はさほどでもなかったように感じます。中学や高校では、ま、一度はギターをかじって、一曲や二曲自作する奴なんて五万といますけど、それに毛が生えたようなもんだと感じました。世の中にはギター始めて数日でクラプトンやらを耳コピして弾きこなす奴だっていますし、確かジャズギタリストの渡辺香津美は15歳でギター始めて17歳でCDデビューしてたりしますが、永ちゃんにはそこまでの才能はなかったのでしょう。
しかし、「スター」になるって意気込み、覚悟、思い込み、確信、自己認識だけは常人の一万倍くらいはあったみたいで、することなすことが「スター」の一点に集中しているわけです。その後、バイトで貯めた5万円を持って夜汽車で広島から東京に向かうわけなんですが、なぜか横浜で途中下車してバイト。それからディスコやキャバレーを周りながら、徐々に力と人脈をつけていくわけですが、その話も実に笑えます。とにかくめちゃくちゃ。どっかでバリバリやってたとか平気でウソついてハコに入れてもらうんですが、腕もレパートリーもなくってすぐに追い出されて。それでも懲りずに同じことの繰り返し。でも、それで確実に腕前も度胸も付いてきたんだなと思います。
あ、そうそう。もう一つ感心したのが、高校時代の永ちゃんの愛読書がD.カーネギーの「人を動かす」だったって話。知り合いの会社経営者をおだてて気に入られちゃってもらったのが一万円の小遣いとその本。なぜか気に入って10回以上読んだんだと。だからってわけじゃありませんが、何か永ちゃんの言葉にはいわゆる自己啓発や成功哲学的なテイストを感じさせるのかなって思うのです。ちなみにアマゾンの「成りあがり」のページ見ると「これを買った人はこんな本も買ってます」ってリストの中に、やっぱり「人を動かす」があったりするわけです。多分、ここでそれを買った人は成功するでしょうね。その素直さが。
そしてこの後はバンドメンバー探しながら、伝説のロックバンド「キャロル」を結成し大ブレイク。その後解散して「E.YAZAWA」としての道を歩んで行くわけです。この本が28歳で、その時、すでに美空ひばりを抜いて長者番付一位になっていたので、文字通り「スター」として大成功したってわけです。
とにかく感動的な一冊でした。この本をバイブルとしている経営者が多いのもうなずけます。読んで思ったのは、永ちゃんってのは、もちろん努力家だし、夢を実現するためのパワーとか人並み外れてることはよくわかります。でも、それと同時に冷静な視点、何より「メタ認知能力」が極めて優れていると感じました。「メタ認知」ってのは心理学用語なんですが、要するに自分を客観視する能力のこと。
これは糸井重里が何かの動画で言ってたと思うのですが、例えば広島から東京に出てくるのに「夜汽車」である必然性はまったくないわけです。昼だっていい。時間はたっぷりあるのだから。でも、スターが第一歩を踏み出すのに相応しいのは、どちらかと言うと夜汽車でしょって。その方が絵になるじゃんって。もちろん永ちゃんがそんなことを言ってたわけじゃないのでしょうが、永ちゃんは無意識的にも、どこかで客観的にスターとしての自分を演じ、そして成りきってたんだなってこと。多分、35億の借金をかぶせられた時も、自分では人生終わったって言いながらも、きっとどこかでわかって演じてる部分があったのかもしれません。実際、借金返せてるし。
また、本の後半では、なぜかラジコンのヘリコプターを作りたいなんて話しています。やりたいことなんて言ってるけど、実はそんなに死ぬほどやりたいことでもないんでしょう。スターとして成功して、そんで飯を後回しにしてお茶飲みながらヘリコプター作ってる姿っていいじゃん、、、みたいなノリなんじゃないかなって。あれから30年経ってますけど、今の永ちゃんがヘリコプターに凝ってるなんて話聞きませんもの(実際は知りませんが)。とにかく普段から妄想的に自分を客観してして、あーだこーだ言ってるわけです。
「よし、ちょっと買い物に行くか。六番はアウディか。しょうがないな。オレはポルシェって気分だったけど、サイコロが決めてくれた」
なんてセリフを勝手に妄想して、それを周囲に言いまくっている。でも、そう言いながら、永ちゃんのビジョンには明確にサイコロ振ってるイメージができてたんでしょうね。普通はこんな妄想ばかりしてると、周囲から「ノイローゼ」って言われるんでしょうが、永ちゃんは構わず言いまくる。そう言えば島田紳助も同じようなことを言ってましたね。小さい頃から妄想ばかり言って、同級生の親たちから「あのコ、ノイローゼやから付き合ったらアカン」って言われたとか。
永ちゃんの場合も、スターだったらここでどういう行動を取るか、どんなセリフはくか、、、なんてのを常に意識しながら生活しているんでしょう。そしてそれが現実化している。世の中にはその逆の展開になっている人は多いですけどね。まず自分の夢は語らない。せっかく聞いてもイメージできない。もちろんセリフもはけない。その一方で、自分がいかに不幸であるか、被害者であるかについては、実に朗々と雄弁に物語る。不思議な話ですよね。
そう考えると、私はあんまり自分の不幸自慢をしないな~って思います。したとしても、それは過去のことであり、意図としてはそれがいかに今の自分の糧となっているかを語るためのフリでしかない。で、酒飲みながらなんかだと、「オレのビジョン聞いてくれ」とか言いながら、鬱陶しいまでにリアルに細部まで妄想をぶちまける。それはだいたい実現する。脳科学的にも理にかなってるでしょ。「未来日記」のコンテンツも、狙いは同じとこって。
そんな意味で、永ちゃんの「成りあがり」は矢沢ファンだけでなく、超一級の自己啓発書としても必読に値すると思うんです。甘っちょろくない。ぶちのめされる人もいるでしょう。でもこのたったワンコインの文庫本が多くの人間の人生を変えてきたと思うと、少なくとも現実逃避的なスピ本ばかり読み揃えるよりは、まず真っ先に手を出すべき一冊じゃないかな、と。30年前の本であれこれ言うのもなんですが、でも、あれこれ言うに値する本だってことは確か。
それはともかく、永ちゃんって60歳になっても、ほんま、かっこええよな~。実はオレも昔は「え~ちゃん」って言われた時あるしね、今さらながら光栄ですよ。その話はここに書いてるけど。で、今は「Qちゃん」なんで、それはそれで国民的スターだから実にいいってわけ。自分に酔えるね。今年は永ちゃんのコンサートにも行こう。その前にガリガリ君買ってこよ。ありがとうございました。
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