ジャズならわかる!! 2004.11.24

 今日は久々にジャズを聴きに行ってきました。伝説のピアニスト、菅野邦彦氏のライブです。今年で70歳を迎えるようです。詳細は本家でレビューしますが、今日は久々に号泣しました。この泣き方は7年前のニューヨークでのクリスチャン・マグブライド以来です。

 「ほんもの」に接するとここまで感動するものなのか。とにかく泣きじゃくり。

 ライブ終了後、菅野トリオのパーカッションの人と話をしました。私はこう言いました。

 「私にはピアノが弾けません。音楽で人を感動させる自信は微塵もないです。しかし、今日、菅野さん達が残してくれた音楽のレベルに、私は私なりに仕事や人生の面で到達しようと思います。私はジャズならわかります。「ほんもの」に接し、私なりにそれに接近する。そのために私はジャズを聴きに行くのです」、と。

 パーカッションの人はこの言葉に涙ぐんで握手を求めてきました。「今の言葉は我々が音楽をやってきて一番嬉しい言葉ですよ」、と。

 「美味しんぼ」という漫画の中に、こんな話があります。フグの白子を食べ損ねたある夫婦のために、それに代わるものを用意せよという命題。主人公の山岡四郎はフグの白子の変わりにタラの白子を用意しました。それを見た対する海原雄山は大笑い。「ほんもの」を語るのにその代用品である「にせもの」を用意するとは笑止。「ほんもの」には「ほんもの」をもってその価値をわからしめるべきだと。
 
 モーツアルトの「レクイエム」の価値については、その弟子による補筆作品でなく、ルノアールの絵画をもって、価値を知らしめるべきだと。同じように、フグの白子にはそれに代わる「ほんもの」つまり、「仔牛・羊の脳みそ」をもってわからしめるのだと。

 今のところ私が「ほんもの」を正確に認識しうるものはジャズくらいです。「ほんもの」のジャズを知ることによって、私は私なりに「ほんもの」の人間に成長しようと努力するのです。そのために私はジャズを聴きに行くのです。

(今日も関係ない写真をはって文章の品位を落とします)

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by katamich | 2004-11-24 23:06 | ■音楽 | Comments(0)