ようこそ!あなたを無意識の世界へと誘います!(その2)-ミルトンモデル 2009.6.12
2009年 06月 12日
そもそもミルトンモデルとは不世出の天才セラピストであるミルトン・エリクソンの施術における言語パターンを体系化したものです。エリクソンは心の病を持つクライアントに対し、魔法のように次々と短期間のうちに治療していきました。ですので、本来は「世のため人のため」のノウハウには違いないのですが、しかしながら、そのノウハウも使い方によっては「壺を売る」ことだって出来てしまいます。それだけパワフルなスキルではあるのですが、私のセミナーに来る人は、きっと悪用する人はいないと思うので、自信を持ってお伝えすることにします。なぜそんな自信があるのか。それは「同じ波動は共鳴する」のごとく、私自身がたとえ刃物のようなスキルを持っていたとしても、それを悪用することは絶対にないからです。ですので、私のセミナーに参加される方は、全員、私と共鳴する人たちなのです。
今日も例によってお伝えすることが山積みなんですが、時間は限られています。ですので、急きょ、ミルトンモデルについては2回に分けることにしました。正解。まずはミルトンモデルの真骨頂である「現代催眠」について説明。その前に「催眠」って何ってとこから。NLPを学んだ人の中でも、「催眠」の定義さえ知らずに現在催眠やミルトンモデルを語る人がいます。それでは効果はおろか理解さえもできません。
「催眠(状態)」とは一言で言って、意識が「内側」に向いていること、さらには意識が「一点」に集中している状況のことを言います。日本の催眠術の草分けでもある村上辰五郎氏は「催眠術」を「注意術」と呼んでいました。ですので、「催眠状態」とそうでない状態を区別するのは、意識がどこの向いているかなのです。催眠状態とは意識が「内側の一点」であるに対し、そうでない状態では意識が拡散しています。さらに言えば「意識」が内側に絞られているため、それ以外の領域、つまり「無意識」が幅を広げている状態とも言えます。したがって「催眠」によって何ができるかと言うと、「意識」の領域を狭く、そして大きく広がった「無意識」の領域に対して、様々なメッセージを挿入することになります。そのことを「暗示」と言います。「無意識」にメッセージが挿入された人、つまり「暗示」された人は、おおよそその「暗示」の通りに意識や行動が向かうのです。その「暗示」が好ましいものであれば、その人の行動様式も好ましいものになり、その逆であれば逆の効果となります。
ということを踏まえて上で、早速、今日の参加者に「催眠状態」を体験してもらいます。それも瞬時に催眠状態(以下、トランスと言う)に入ります。私のやり方では2秒でトランスに入ります。そのフリを合わせても1分程度あれば簡単に人をトランスに入れることができます。どのようにするか。それは文章で書いても伝わらないのでここでは割愛。実際にその現場を見てもらうしかないし、実際に催眠にかかってみるしかありません。今日も一人の方に瞬間催眠を体験してもらいましたが、見事にトランスに入ることができたようです。これはNLPで言うミルトンモデルにはないスキルですが、ある意味、ミルトン的であり、無意識(潜在意識)の性質をよく知った上でかけることができるスキルです。「暗示」なんて簡単にかけられるのです。
それから、ミルトンモデルの本題に入る前に、今度は参加者全員でトランスを経験してもらうことになります。人の無意識による所作のうち、唯一意識でコントロールできるもの、つまり「呼吸」をコントロールすることで「無意識」へと入ってもらいます。今日は2種類の呼吸法を実践してもらいました。それからもう一つワーク。トランスとは先ほど言ったように、「意識」が遮断され、「無意識」が広がった状態のことを言います。今回のNLPセミナーでは何度も言っているように、「意識」とは「言葉」であり、「無意識」とは「感覚」のこと。この性質を利用して、特定の参加者の言語機能をマヒさせ、開けっぴろげの無意識状態になったところで、その人にとって好ましいメッセージ(暗示)を入れるようワークしました。それによってセルフイメージもかなりアップするため、皆さん、陶酔した時間を味わったようです。そのやり方は、、、これまた文章ではできませんのでここでは割愛。
ここでようやくミルトンモデルの説明に入ります。その前にいろんな雑談をしたと思いますが、セミナー時間は早半分を過ぎていたので、スピードアップする必要があります。ミルトンモデルとは、前回やったメタモデルの反対と言えるでしょう。メタモデルが「無意識」のメッセージを「意識」によって明確にするプロセスであるのに対し、ミルトンモデルは「意識」を錯乱させ、「無意識」にあるメッセージ(リソース)を発見するプロセスを取ります。つまりメタモデルが「無意識→意識」であるのに対し、ミルトンモデルは「意識→無意識」の順路を取ることになります。そして実際に使う上でも、メタモデルは無意識にある「好ましくない言説(思い込み)」を明確にして、それを好ましいものへと転化させるものであるのに対し、ミルトンモデルは無意識にある「好ましい言説」を浮き彫りにするスキルと言えます。何のことかわからないかもしれませんが、もともとメタモデルにしてもミルトンモデルにしても「わかりにくい」のが特徴です。実際、プラクティショナーコースを履修された方でも、この2つをしっかりと説明できるまでにはなかなかなりません。言語学のように退屈だったり、複雑で処理が難しかったりするので、最終的には頭に残りにくいの性質がありますが、私的にも、そしてNLP的にも最も面白く、そして効果が高いのがメタモデルでありミルトンモデルであると考えています。
では、具体的にミルトンモデルって何をするのかという話です。メタモデルと同様、「省略」「一般化」「歪曲」からさらにいくつかのカテゴリーに分類されたスクリプトを理解するところから始まるのですが、時間の都合と、一つ一つ見るのは退屈なので、焦点を絞って具体的に説明させて頂きます。
もう一度言いますが、メタモデルとは「曖昧な文字列」を「明確化」するモデルであるのに対し、ミルトンモデルはわざと「曖昧な文字列」を用いることで、相手(または自分)に対して、勝手に「曖昧さ」の「前提」を「暗示」する働きをします。例えばこんな言葉はどうでしょう。平秀信さんの有名なコピーです。
「今、家を買うべきではない」
ポスティングされた不動産のチラシのコピーです。通常、ポスティングのチラシだと反応率で0.01%あるかないか。つまり一万枚チラシを配って、問い合わせが一件あればいいような世界ですが、このコピーの反応率は驚くほど高かったと言います。これは直接的な(意識的な)意味においては、文字ど通り「今、家を買うべきではない」ですが、このコピーを見た人の「無意識」には別の暗示がかかってしまいます。「今、買うべきでない」と言うことは「いつかは、買う」という「前提」があり、無意識は前提となる裏のメッセージを受け入れてしまうのです。そして人を行動に駆り立てる源泉は「意識」ではなく、まさに「無意識」の仕業です。つまりこのようなプロセスになります。
「今、家を買うべきではない(意識)」→「いつかは、買う(無意識)」→「とりあえず資料請求(行動)」
このように直接的な表現ではなく、その真意を間接的・無意識的な領域に置き、それによって「行動」を駆り立てるような文字列、これをミルトンモデルと言います。また、こんなコピーもある意味、ミルトン的と言えるかもしれません。
「私、脱ぐとすごいんです」
さて、何がすごいのかさっぱりわかりません。これをメタモデル的に明確にするには、「具体的に何がどう凄いのですか?」などの質問が加えられますが、これを放置すると、読み手はこの「曖昧」なメッセージに対して、いろいろな意味合いを付加させます。例えば「脱ぐと、巨乳(美乳)」、「脱ぐと、娼婦のように淫らになる」など。そのような想像を駆り立てる「曖昧さ」こそがミルトン的であり、人はこのコピーに翻弄されてしまうのです。
もうちょっときちんとしたことも言っておきましょうね。NLPテキストのミルトンモデルの文例から。
「風の音に耳を澄ませていると、もっともっとリラックスできるかもしれません」
このコピーの特徴は「風の音」と「リラックス」には本来は何の因果関係もないにも関わらず、「~と、~」のような接続後を使われると、とたんにもっともらしく感じてしまい、「風の音」に耳を澄ますことで、本当にリラックスできてしまうのです。さらに「もっともっと」って何と比較しているんですかね。こんなのも思い出しました。
「ボインは~お父ちゃんのためにあるんやないんやで~、赤ちゃんのためにあるんやで~」
気になるコピーですね。「ボインはお父ちゃんのためにあるんやない」という表現の裏(前提)には、「世のお父ちゃんはボインが好き」という「暗示」が入っています。そしてその「前提」が「無意識」に入ることによって、世の男性はもっとボインが好きになるのです。これもある意味、ミルトン的・・・かな?
そんな話はさておき、時間も残りわずかになってきたので、より実践的なワークに入ることにしました。そこで、本日初参加の女性の方にこんな質問をさせて頂きました。
「飛び込みの営業マンっていますよね。出会ったことありますか?」
「はい」
「じゃあ、100人の飛び込み営業マンが突然訪問してきたとして、そのうち、話を聞いてやってもいい、と思うような人は何人くらいますか?」
「3人くらいですかね・・・」
「では、そのうちセールスされた商品を買ってしまうであろう人は何人くらいですか?」
「一人もいないと思います」
「ですよね。しかし、今からやるアプローチを使えば、少なくとも話を聞いてやっていい3人には確実に入れるし、さらに商品を売ることだって簡単かもしれません。それでは実演します」
と言って、あるスクリプトを用いて飛び込み営業時における実際のアプローチを実践してみました。そのスクリプトとは、、、言うまでもなく加賀田晃先生のものです。私が営業マンとして、一人の参加者が社長さんです(この方は実際に社長さん)。まずは悪い例から。余裕で断られます。そして加賀田式。見事にアプローチが決まり、イスに座ることができました。
ここで先ほど訪ねた初参加の女性に感想を聞いてみます。すると、、、見るからに断れない、と。ある意味、当然なのです。まずこのアプローチのスクリプト自体がミルトンモデルで構成されているから。たった数行のトークです。これをしっかりと覚えることで、まずは100人のうちの3人に入れるわけです。しかし、秘訣はそれだけではありません。スクリプトは単なる言葉の問題。実際に効果を出すには、言葉以外の非言語的メッセージが必要。この「非言語」について、NLPのミルトンモデルではあまり深く扱うことはありませんが、効果を出すには「言語」と「非言語」のバランスが重要なのです。さらにもっともっと重要な要素もあります。てなことを急ぎ足でワークやって時間が来てしまいました。最後は絶叫。次回はこの続きをやります。今日から使えるミルトンモデル。ありがとうございました。
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