はじめに言葉ありき!言葉は人生を創る! 2009.5.29

 今日はNLPセミナーも6回目。一応、全10回を予定しており、今回は「メタモデル」、次回は「ミルトンモデル」、8回目は「リフレーミング」、9回目は「ビリーフチェンジ(特にお金のビリーフ)」、10回目は「タイムライン」を予定しています。参加者の方からは10回で終わるのが寂しいと言って頂き、その言葉だけでも嬉しく思います。一応、これからも毎週のペースで出来る限り続けて行きたいですし、同じコンテンツでもネタが違っていたりなど、もっともっといいセミナーを創っていきたいと思っています。

 さて、今日のテーマは「メタモデル」。NLPのプラクティショナーの方はご存じだと思いますが、メタモデルはNLPの基本の基本であり、最初に構築されたモデルとなっています。しかし、セミナーで伝えるには難しい概念であるとも言えます。ある意味、一般的にNLPっぽいとされるスキルは、例えば「アンカリング」とか「代表システム」とか「タイムライン」とか、どちらかと言うと「感覚」系のものが多いように思われますが、「メタモデル」はもちろん「感覚」も重要ですが、それ以上に「言語」の扱いが中心になります。つまり「NLP」の「L」からのアプローチになるため、なんとなく文法講義みたいなお堅い内容にもなりがち。ですので、セミナーではなるべく退屈にならないように工夫する必要があります。

 本来は「メタモデル」だけで一日のセミナーどころか10日でもできちゃうものですが、今日は3時間である程度のことをお伝えする必要があります。私のセミナーの目的はとにかく「使える」ということ。つまり、明日からの実生活で即効果のあることに絞ってお伝えするものです。と言いながらも、「基本」は重要。基本をしっかりおさえることで、個別のメタモデルを一つ一つ説明するより高い効果をもたらすものです。そしてその「基本」とは次の概念図でおおよそ示されます。
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 今日は初めての方も3名いらっしゃいましたので、NLPの基本でもある「意識」と「無意識」について簡単におさらいします。我々の体験・経験は言うまでもなく「無意識(潜在意識)」の中へと蓄積され、プログラミングされます。その情報量は「意識」に比べて莫大なものになります。人間のコミュニケーションは他の動物とは違って、「無意識」だけでなく「意識」を用いてすることが特徴。「意識」でなければできないコミュニケーションもあり、そしてそのおかげで高度な情報伝達が可能となり、ひいては文化文明の発展にもつながるわけです。

 しかし「意識」によるコミュニケーションは「無意識」によるそれよりも極めて限定された情報になります。なぜそうなるのか。これは「脳」の基本原則に関連します。一言で言って、「脳」はパンクしたくないのです。処理上は、なるべくシンプルにシンプルにが「脳」の求めるところ。そのため、「無意識(体験・経験)」に蓄積された情報を、「意識」つまり「言葉」に置き換えて伝達するには、「無意識」の内容をコンパクトに「言語化」する働きが必要となります。

 その「言語化」のプロセスこそが「メタモデル」で説明されるところの「省略」「一般化」「歪曲」なのです。上の図で見る通り、「省略・一般化・歪曲」された言語メッセージは、その言葉の通りに相手に伝達されます。しかし、相手の中にもまた特定のプログラムがあるため、「理解」された情報(B)は、そのオリジナルの情報(A)とは食い違うことが必然的です。「メタモデル」ではその食い違いをなるべく小さくするためのスキルであると言えるでしょう。

 例えば「私は仕事ができない」と誰かが言ったとしましょう。言うまでもなく、その言葉には「省略」されているものがあります。例えば「誰と・何と比べてできないのか?」「具合的にどんな仕事のことを言うのか?」など。そこでそのような「質問」をしてみます。こんな感じで。

「私は仕事ができない」

「誰と・何と比べてできなのですか?」
⇒「かつての自分の水準と比べてです」

「かつての自分の水準とはどんな水準ですか?」
⇒「かつては○○くらいの営業成績をあげていました」

「では、かつてと今とでは何がどう違うのですか?」
⇒「今は管理面にも注意せねばならない分、営業に集中できない」

「と言うことは、あなたが仕事ができないと言うのは、営業成績の数字においての話であり、その中に管理は含まれるのでしょうか?」
⇒「いえ、含まれません。管理については、それなりにできているので、必ずしも仕事ができないとは限りません」

「では、今のあなたは営業と管理とどちらが今の役割として重要視されていますか?」
⇒「どちらかと言うと管理です」


 と言う感じで、「私は仕事ができない」というメッセージの中には以上のような「省略」が見られるのです。この方の場合は営業成績(数字)だけで仕事の出来不出来を判断するという、若い頃からの習性がまだ残っており、メタモデルの質問によって自らの「役割」つまり「アイデンティティ」を再確認することができたのです。このように「メタモデル」とは、表面上の「言葉」に潜む水面下の莫大な情報へとアクセスさせ、それによって必要なリソースを引き出すことが可能になるのです。このようなプロセスは言うまでもなくコーチングにも応用されます。

 「メタモデル」では「省略」の他にも「一般化」や「歪曲」によって隠されたメッセージを再構成し、本来必要であったリソースを浮き彫りにしていくわけです。実際のセミナーでは「省略」「一般化」「歪曲」そしてそれぞれに付随するカテゴリーについて深く掘り下げ、ワークでも実践してもらうことが多いのですが、私のセミナーではいかんせん時間が足りません。そこで今日は次のようなワークを実施しました。
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 この文章を読んで、ここに「省略・一般化・歪曲」されている世界観を再構成してもらいました。2~3人一組で話し合ってもらい、それを全員でシェアしたところ、再構成された世界は見事に違っていました。「言葉」の世界はいかに限定的であるということか。

 「メタモデル」とはこのように「無意識」の世界を明確にし、コミュニケーションの不一致を修正したり、必要なリソースを抽出したりということが可能になります。ですが、とりわけ重要となるのは「ビリーフ」を再構成する力。「ビリーフ」とは「思い込み」のことであり、さらに「ビリーフ」こそがその人の世界観を作っています。「ビリーフ」は言うまでもなく、「言葉」によって表わせられます。しかし、何度も言うように「言葉」によって表わされたメッセージは、その水面下の情報を正確に伝えるものではありません。しかし人は「言葉」という限定的な情報を一般化し、それが必然的に「ビリーフ」として定着してしまうのです。

 例えば「食べ過ぎると太る」という「メッセージ」は説得力のある言葉のように思われますが、言うまでもなく「事実」ではありません。ギャル曽根を引きあいに出すまでもなく、食べ過ぎても太らない人は世の中にたくさんいます。しかし、このような「ビリーフ」を持つ人は、その言葉通りの世界観を作りやすい傾向があります。「ビリーフ」の多くは「省略・一般化・歪曲」された言語メッセージです。しかし、いかに限定されたメッセージであろうと、それを言語化し「ビリーフ」として定着させることで、その人の世界もまたそれに縛られてしまうのです。そして「メタモデル」はそのような拘束から解き放ちます。

 と言うわけで、他にも「メタアウトカム」の話や上岡龍太郎の話などがいろいろと飛び出しながら、あっと言う間の3時間になりました。参加者の中にはすでにプラクティショナーコースを履修された方もいらっしゃったのですが、私の「メタモデル」の説明は非常にわかりやすく面白かったという評価を頂きました。そして初めて参加される方からもいい評価を頂き、また来たいと言って頂けました。「メタモデル」は時としてラポールを破壊するようなケースもあるのですが、今日のところはとりあえずは成功と言ったところでしょうか。次回は6月12日で「メタモデル」の反対とも言える「ミルトンモデル」をテーマとします。ちょっと催眠の話なんかもね。ありがとうございました。

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〇<福岡NLP-Ⅱ>6月5日(金):第二回・ラポールに始まりラポールに終わる!(その1)


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愛と感謝:62日目】

<愛>
・今日のセミナーは最高にハッピーに全力でさせて頂きました。
<感謝>
・皆さまからお祝いのメッセージやプレゼントを頂きました。
by katamich | 2009-05-29 13:52 | ■セミナー・研修・講演 | Comments(0)