「フリとオチ」のトーク術 2009.4.16
2009年 04月 16日
と言うわけで、今日は家でゆっくりしながら昨日ツタヤで借りてきた「人志松本のすべらない話」のDVDを見ていました。平日から山登りしたりDVD見たりして、ほんとお気楽なもんですが、それはそれで「原因と結果の法則」ですからいいのです。なんだかんだと私のイメージした通りになっていますからね。その辺のノウハウについて、やっぱりどんどん伝えていきたいと思っており、今のところの直近のセミナーが満席になった24日のNLPセミナーです。これなんかも満席になることが既にイメージできてて、5月からは毎週開催することにしています。隔週を2つってことで。それから前回は4月3日にやったのですが、24日にはその時の参加者が全員来られます。きちんとリピートして頂けるのは、それだけ内容を評価して頂いているのでしょう。これから先、ますます面白くなっていきますのでどうぞよろしくお願いします。それから「滝行セミナー(仮称)」のコンテンツも徐々にできつつあります。お楽しみに。
ところで「人志松本のすべらない話」を見ながら、どうしても分析してしまう私がいたのですが、面白い話(すべらない話)には、やっぱりそのシステムがあるのですね。彼ら芸人たちがそれを知った上でしゃべっているかどうかはわかりませんが、このシステムを意識すれば、誰もが「話上手」になることができるでしょう。
それをNLP的に言えば脳に「空白」を作りながらしゃべること。人は「空白」を埋めようとする性質がありますので、これを意図的に作りながらしゃべると、聞き手は話に集中するわけです。それがいわゆる「フリ」と「オチ」で、言うまでもなく「フリ」が「空白」で「オチ」が「空白を埋めること」です。そして芸人たちは、基本的にこの「フリ」と「オチ」を組み合わせてしゃべるのですが、シンプルなパターンもあれば、複雑に絡み合わせたパターンもあります。そして最もオーソドックスなのが、やはり「起承転結」です。構造的には、
起:登場人物、背景の紹介
承:「起」と「転」のブリッジの役割
転:話のヤマ場で「脳の空白」が最大になる場面
結:それまでの「脳の空白」を埋めるための一撃
みたいな感じです。そして「フリ」と「オチ」で言えば、「起承転」までが「フリ」で「結」が「オチ」になります。つまり「起承転」で「フリ」を重ねて、「結」の「オチ」へと運ぶのが、いわゆる上手な話のパターンなんです。つまりこの通りにできれば、誰もが「話の名人」になれるわけです。ちなみに先日の東京セミナーでちょっとオマケ的に紹介した資料を、出血大サービスでブログでもご紹介しますね。以下の話はどれも有名な話ですが、それをあえてシステム的にまとめみました。
【ディズニーランドのウェイター】
(起)フリ1
・ある夫婦がディズニーランドのレストランで「お子様ランチ」を注文
・ウェイターは規定上、大人に対して「お子様ランチ」は出せないといったん断った
(承)フリ2
・夫婦が注文の理由を説明
・数か月前に事故で息子を亡くしたのだが、その息子はディズニーランドに行くことを楽しみにしていた
・息子がいなくなったのだから行くのをやめようと思ったのだが、やっぱり息子のためにも夫婦で行くことにした
・そして息子はこのレストランで「お子様ランチ」を食べることを楽しみにしていた
(転)フリ3
・それを聞いたウェイターは、ルールが変わったと言い、「お子様ランチ」を3つと子供用のイスを持ってきた
(結)オチ
・感動した夫婦は後日ディズニーランドに感謝の手紙を書き、それを読んだ支配人が従業員に読んで聞かせた
・時には紙状のルールを破ってでもお客様の身になって考えることが必要で、だからこそディズニーランドなんだ
このケースでは「承」で一つのヤマ場ができており、その時点で「どうなるんだろう~?」と聞き手は大いに期待します。それに対して「転」は本来の「オチ」の役割をも果たし、聞き手は俄かに感動しながら、「結」でまとめます。つまりこの話の場合は「オチ」が二つあると考えてもいいでしょう。
【偽の警察官】
(起)フリ1
・ある女性が自分のマンションに帰った時、エレベーター口で見知らぬ男性と肩がぶつかった
・その男性は帽子を深くかぶっており、何も言わずに去って行ったので、女性は当然気分が悪かった
(承)フリ2
・3日後、女性がマンションにいる時、ピンポンが鳴ったのでドア越しに見ると警官がひとり立っていた
・3日前にこのマンションで殺人事件があったので、不審な人物を見かけなかったか聞かれた
・心当たりはあったが、面倒だったので、ドアを開けずに知らんぷりをした
(転)フリ3
・しばらく後、自分のマンションがテレビに出ており、それは殺人事件の犯人が捕まったとのニュースだった
(結)オチ
・その犯人の顔を見てびっくり、ひとりで捜査に来ていた警官だった
これはさっきのとは違い、非常にシンプルでオーソドックスな「起承転結」が見られますね。この話の特徴は「転」から「結」への運びで、聞き手の予想を覆したどんでん返し的な「オチ」が用意されています。この話は「松本人志の放送室」で紹介されたものであり、松本と高須がいろいろと分析を加えているのが面白かったです。ちなみにこの話は室井滋さんの実話として紹介されますが、すでに都市伝説化した有名な話でもあります。冷静に考えるおかしな場面がいくつかあり、一番変なのは、警官が一人で来ていたことです。警官は通常は2人一組で動くものですので、一人で来ていた時点で怪しいと思いましょう、ということです。この話とは別に騙されないように。
【お母さんのお守り】
(起)フリ1
・真理子は小さい時に父親を亡くし、母子2人で暮らしていた
・母は必死で働き、真理子を高校まで卒業させた
(承)フリ2
・高校卒業後、長年の無理がたたってのか、母は身体を壊し、間もなく他界した
・母が亡くなる直前、真理子は一つのお守りをもらい、この先、どうしても困った時に開けなさいと言われた
(転)フリ3
・真理子はその後、普通に就職して結婚をしたが、幸せの絶頂にいる最中、不幸にもご主人が事故で亡くなり、再び天涯孤独に陥った
・その時、母のお守りのことを思い出して、開けようと思って手に取った
(結)オチ
・母の温もりを感じながら、涙ながらにお守りを開けると一枚の紙が入っていた。
・そこには、「ざまあみろ」と書かれていた
これもちょっとブラックな「オチ」ですね。これもさっきのと同じく「結」で聞き手の期待を裏切ったどんでん返しになるのですが、この「ざまあみろ」の部分をいろいろと替えることも可能です。ここを「なんとかなるさ」にしたのが一休さんの実話です。
以上のように、面白い話には必ずそのシステムがあって、どんな話でもこの「フリとオチ」のシステムに乗せれば、ある程度は面白くなるわけです。例えば私の去年の雷事件を例にとると、
(起)フリ1
・私は月に3回、宝満山という山に登っています。
(承)フリ2
・昨年の夏、夕方からゲリラ的な雷雨が続き、ある日の下山中、その雷雨につかまってしまいました。
(転)フリ3
・怖い思いをしながら下山していると、突然、目の前に落雷が光り、そのまま気を失いました。
・気がつけば、山の中で泥だらけで横たわっており、身体が動きませんでした。
(結)オチ
・間もなく身体が動いたのですが、どうやら雷に感電していたようで、倒れた場所が悪ければ山から転がり落ちて命の危険にさらされていた可能性もあったのです。
・命が助かった上に大事にならず、しかもいろんな気づきが得られてラッキーでした。
なんて展開にすると話は面白くなります。で、「すべらない話」を見ていると、やっぱりそれはもう見事なものでした。例えば「ほっしゃん。」の話から。
(起)フリ1
・芸人はよくファンからもらいものをするのですが、自分たちだけでは処理できないので、ある日、恵まれない国の人たちに服などを送ろうと思った。
(承)フリ2
・ある日、自分の彼女が手編みのセーターを編んでくれたのだが、デザイン的に着るのが恥ずかしいので、こっそりとファンからのもらいものと一緒に恵まれない国に送ってしまった。
(転)フリ3
・ある日、彼女と一緒にテレビを見ていると、アフリカかどっかの内乱紛争のシーンがニュースで放映された。
(結)オチ
・そのシーンの中には、なんと彼女から編んでもらった特徴あるデザインのセーターを着た男が、戦車に向かって石を投げていた。
これなどは信じられない話ではありますが、話の運び方によってはめちゃくちゃ面白い話になるわけです。あ、それから「すべらない話」ではなく、島田紳助の話ですが、これはおそらく作り話でしょうが私のとても好きな話があるので紹介します。
(起)フリ1
・高校の時、よく11PMを見ていた(紳助が)。
(承)フリ2
・当然のことながら、11PMを見ているとHなシーンが出てくるので、画面に向かってひとりHを開始した。
(転)フリ3
・テレビ画面を見ながら、自分の中でどんどんとクライマックスに向かっており、もうあと少し。
(結)オチ
・そして放出の瞬間、場面が変わって大橋巨泉に顔面シャワー。
これなども紳助一流の話術ですが、おそらく作り話で、「起承転」から想像を膨らませて「結」へと面白く落としたわけですね。「すべらない話」の例に戻りますが、千原ジュニアの話から。
(起)フリ1
・自分には残念な兄がおり(せいじのこと)、小学生の頃、講堂に集められて遠足の説明があった。
(承)フリ2
・すぐにキレるおかしな生徒が先生から怒られ、そこでも突然キレて、イスを持ち上げて「殺したる~」と叫んだ。
(転)フリ3
・先生は「なんで殺すんだ?」と冷静に聞いたが、その生徒は「理由」ではなく「手段」に受け取って、「包丁で殺したる~」と叫んだ。
(結)オチ
・その瞬間、兄のせいじは「だったらイスいらんやん」とつっこんで、全校生徒爆笑でその場がおさまった。
これなんかもきれいな「フルとオチ」のパターンですね。しっかりと「フリ」を3つ重ねて、「オチ」でドカンと落とすわけです。ですが、彼ら芸人はもっと高度な技をたくさん使うのですが、例えばキム兄なんかは、長編ストーリーを飽きさせずにきちんと落として仕上げます。例えば、有名な「車屋さんのキクチ」ですが、話の中にいくつも「フリ」と「オチ」を織り交ぜながら、どんどん盛り上げるのです。
そしてその逆も存在します。例えば千原ジュニアの別の話から。これは「フリ」をあまり重ねずにドカンと落とす例。
フリ1
・自分には残念な兄がいる。
フリ2
・ある日、兄が向こうで「近鉄は2位だ」とか「西武はあかん」とか大声でしゃべっているのが聞こえた。
オチ
・誰としゃべっているのか見に行ったら、スポーツ新聞相手に一人でしゃべっていた。
これなどは「フリ」を重ねず、突然、落とすバージョンですね。ここで本当なら「フリ3(転)」が来てもいいはずなんですが、突然、「オチ」に向かって、それが面白いのですから、さすがはジュニアですね。
そして真骨頂が松本人志。これです。
フリ
・こないだ「安田大サーカス」のヒロ(太っている)が原付に乗っているのを見かけた。
オチ
・それがめっちゃ遅かった。
これだけで大爆笑です。もちろん聞き手がヒロをしっかり認識している必要があるのですが、それでも「フリ」がたった一つ。普通ならここで「フリ」を重ねてから「オチ」に持って行くのですが、いきなり落とすのです。これなんかは普通の人はできないでしょう。通常なら「起承転結」のように「フリ」を重ねた上で「オチ」に持って行くのですが、そんなセオリーは関係なく突然落とす。
もちろん松本はオーソドックスなトークもできるのですが、その基本の上で上のようなシュールな荒技ができてしまうのです。さらに時としてフリもなくたった一言で落とすことも松本はできるのです。やっぱり笑い(話)の天才なんでしょう。紳助が松本のことを「ピカソ」と言ったのもうなずけます。
このようにトークを分析しながら聞くと、いろんな気づきがあるものですね。ぜひ自分たちのトークにも生かしていきましょう。ありがとうございました。
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【愛と感謝:22日目】
<愛>
・神社への散歩中、道端のゴミ拾いをしました。
<感謝>
・今日も無事に滝に打たれることができ、気持ちがよかったです。
大変失礼いたしました(^^;
一応、こちらをうのみにして書いてしまいました。
普通、このような聞き込みは刑事(私服着用の警察官)が行うことが多く、2人以上のチームで行う。これはその聞き込みの相手が真犯人であれば抵抗や逃亡を試みる場合があるからである。また正式な聞き込みを行うということであれば、警察は対象者を調べた上である程度不審人物としてマークしているということを意味するのである。
(ウィキ「偽の警察官」より)