脳の話 2009.2.25

 最近、すっかりインドア生活が続いています。花粉を避けて、今月は山登りもお休み。その分はしっかりと後で帳尻を合わせるつもりです。滝行についても、満行してから一か月。やっぱり自然に触れてた方が気分はいいですよね。週末は泊まりでちょっと遠出してきますが。

 それにしても来月は楽しみです。沖縄でセミナーなんて、めちゃくちゃ嬉しいですね。沖縄って、まるで外国ですから。4月は初めての仙台。実は東北地方って生まれてから一度も行ったことないんですよね。各地域での人との出会いも楽しみです。

 ところで今日も大量にインプットをしていました。NLP関係の。短期間に一つの分野の情報を大量にインプットしているといろんなことが起こりますね。特に今日は「催眠」に関する分野と次々と読んでいきました。特に林貞年さんの催眠シリーズはかなり参考になります。新書サイズの一般向けに書かれているようですが、実はかなり深いことが書かれています。いわゆる「催眠術」の第一人者ではあるのですが、どちらかと言うと「現代催眠」に依拠しており、NLPとも関連が深いです。当然、ミルトン・エリクソンの話などもたくさん登場します。で、そのシリーズに再び目を通していたら、某出版社からのメルマガでセミナーの案内がありました。エリクソンの弟子と言われるルータイス氏と苫米地英人氏のセミナーです。その案内レターを読むと、ここでもエリクソンの名前が連発。苫米地氏はお釈迦様と同じくらいエリクソンをリスペクトしているそうです。

 それはともかく、林貞年さんのシリーズでは、個人的には「催眠術の極め方」という一冊がかなり衝撃です。タイトルはちょっと怪しいのですが、中身は極めて真っ当。特に「潜在意識」の理解については、この一冊だけでええんちゃうかな、と思われます。「催眠」ってのは、相手を意のままに操る術では決してなく、その人に対して「無意識(潜在意識)」との対話を導くこと。それがすべてです。「潜在意識」の基本は「安心・安全」を守ること。ですので、「催眠術」でその人を死や危険に導くことなどは「潜在意識」の性質から言って不可能。「潜在意識」をもっと信じてください、と言うことが力説されています。

 そんなことで、私的には林さんの本は比較的信頼できると思っています。もちろん悪用厳禁な部分もあるので、取り扱いには注意すべきですし、こうやってブログで紹介するのもどうかと思っているのですが、私は読者の方を信じています。で、それからもう一つ。「潜在意識」は「空白」を嫌うと言う話も紹介されていました。また、潜在意識の現状維持メカニズムについても言及。特にこの「空白」の話はとても使えます。「潜在意識」の性質を活かして、なりたい自分になるためにも、この「空白」を利用すること。そのための最も適切は方法が自分に対する「質問」です。もちろんコーチングなどで「質問」してもらうこともいいです。

 とにかくも脳は「空白」を嫌うので、質問などによって「空白」ができると、脳は自然とそれを埋めようとします。この性質を生かしたのがコーチングだったり、「奇跡」を引き寄せる方法だったりするんですね。そんなことを考えていたら、テレビで面白い番組がやっていました。ロンブーなどが出てくる「ベストハウス123」です。テーマは「セレンディピティ」。セレンディピティとは一言で言うと「偶然の産物」を生み出す力こと。この例としてノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊氏のことが紹介されてありました。番組ページから引用します。


『小柴昌俊』2002年、12月10日。第101回、ノーベル賞授賞式。小柴は、セレンディピティによってノーベル物理学賞を受賞。受賞の理由は…『宇宙から降り注ぐニュートリノを、世界で初めて捉えた』というもの。ニュートリノとは、物質を作っている1番小さな単位。分子や原子よりも小さく、これ以上小さい物質はない。宇宙から大量に降り注いでいるが、観測するのはとても難しい。小柴は、「カミオカンデ」と呼ばれる実験装置で、世界で初めて宇宙からのニュートリノを観測。このニュートリノは、何と17万年前に爆発した星から飛んで来たもの。はるか遠くから飛んで来た贈り物を、偶然捉え、ノーベル物理学賞を受賞した。しかし!このカミオカンデ、元々は、物質が壊れる様を研究するための物理の実験装置。ニュートリノを観測するために、作られたものではなく、いくつもの偶然が重なった、まさにセレンディピティによる成功だった。やれば出来る…。長い期間準備し、自ら招き寄せたとてつもない幸運…。小柴昌俊こそ、まさにキング・オブ・セレンディピティにふさわしい。


 小柴博士がインタビューに答えていました。小柴博士のことを単に運のいい男だと言う人もいますが、実は決してそうではないことを、小柴博士は言及しています。ニュートリノは誰の頭上にも降り注いでいるわけですが、それをとらえる準備を長い間かけてしてきたからこそノーベル賞が取れたのだと。本当にその通りだと思います。重要なのは「準備」。作家の荒俣宏氏もいい例えを出していました。作家は締切との戦いでもあるのですが、締切まで一週間考え続けてもアイデアが出なかったのが、締切5分前に突然いいアイデアが浮かんできて間に合うことがある。むしろそれが普通で、今までずっとそうやってきた、と。つまりは最後の5分だけが重要なのではなく、それまでの長い時間の「準備」が何よりも重要だと言う話です。

 脳科学者の茂木健一郎氏は、この「準備」のことを「セレンディピティの器」と表現していました。つまり「空白」のことです。小柴博士はニュートリノをとらえるために、何度も何度も試行錯誤しながら、常に脳に「空白」を作り続けてきたわけです。荒俣氏や他の多くの作家の方も、いいアイデアが入り込む「空白」を常に作り続けてきたわけです。この「作り続ける」ってのが重要だと思っています。

 例えば「自分の好きなことして暮らしたい」という「願望」があったとします。そのために一番ネックとなるのが「お金」であることは言うまでもありません。では、どうすればその「お金」を十分に手に入れることができるのか。そのための「質問」を自分自身にしてみるのです。できることなら「いい質問」をしてみるのです。「潜在意識」にがっぽりと「空白」を作るようないい質問を。すると忘れた頃には必ずその「答え」がどっからともなくやってきて、それを実行すればきちんと「お金」が埋まるべきところに埋まるという仕組みです。私はずっとそうやってきました。

 じゃあ、この理屈はわかった。さっそく質問しよう、と思ってみるものの、なかなかうまくいきません。相変わらず望まない仕事をしながら、変わらない毎日を過ごしています。原因は二つあります。一つは「いい質問」ができないこと。もう一つは、仮にいい質問ができたとしても、脳(潜在意識)が空白を埋める前に、自分で閉じてしまうこと、です。

 一つ目の「いい質問」をするにはどうすればいいかを説明すると、まずは真剣になること。これが重要。他は人に質問してもらうこと。コーチングはそのためにあるのです。ただ、本当に「いい質問」ができるコーチとそうでないコーチがいるのも事実なので、その辺の見極めも重要です。見極めの方法はまずは「ピンとくる」でOKだと思います。

 そして二つ目について、まずは「質問」で「空白」を作ったとします。しかし、その「空白」が埋まるまでは時間がかかります。しかもどれくらいかかるかわかりません。でも相変わらず「空白」ができたまま。だんだんとその状況に気持ちが悪くなり、自ら「空白」そのものをひっくり返すことをします。つまり「諦める」ということ。

 小柴さんがノーベル賞を取れたのは、ひとえに諦めなかったから。小柴さんだけじゃありません。この世に名を残している人で、「諦めたから成功した」なんて言う人はいません。ノーベル賞に比べると、「自分の好きなことして暮らす」なんて簡単なものやと思います。小柴さんは長年、しつこいまでの研究により、莫大な「空白」を作っていて、そこにニュートリノが自然と引き寄せられた、という理屈で良いと思います。他は小柴さんの前向きな性格でしょう。その性格がなければ、しつこく研究なんてできませんから。

 ところで小柴博士と言えば、モーツァルト。彼はテレビなどでもモーツァルトのことをたびたび述べています。大のモーツァルト好きとして有名です。このブログでも3日連続でモーツァルトの話がでてきましたが、私も中学3年生の頃から大のモーツアルト好きです。クラシックが好きと言うより、モーツァルトが好きなんですね。ジャズはまた別の感覚で好きですが。小柴博士はモーツァルトをしてアインシュタインよりも天才と言っています。確かに相対性理論はもしかしたらアインシュタインでなくても、いずれ発見されたかもしれません。しかし、モーツァルトの音楽は、モーツァルトにしか作れません。今をもってモーツァルトを超える音楽家は登場していない、と言っても絶対否定する人は少ないと思います。好みの問題はあれど。

 ちなみに最近の研究に面白い説がありました(「モーツァルトが求め続けた『脳内物質』」より)。モーツァルトは幼少期にてんかんを患い、脳内快楽ホルモンと言われるドーパミンが欠如する症状にあったそうです。そのドーパミンを分泌させるために、そのための「音楽」を作ったのだという大胆な仮説です。確かにモーツァルトに限らず、偉大な音楽家は精神的にいろいろある人が多いです。ベートーベンしかり、チャイコフスキーしかり。

 この説は確かに面白いです。モーツァルトの脳にはドーパミンが不足していた、つまりその不足分という「空白」を埋めるために、必然的にそれを補う音楽が生み出されたと。だからこそ、モーツァルトの音楽には不思議な効果があると言われるわけですね。植物が元気に育ったり、赤ちゃんやペットが落ち着いたり、大人でもイライラが静まったり、いいアイデアが降り注いできたりなど。小柴博士もきっとモーツァルトを聴きながら、いろんな思索に耽っていたんだろうな、と思います。私も今、モーツァルトを聴いています。

 思えば高校時代、寮の規則で一年生はウォークマンを持ってはいけない時期がありました。私にとってモーツァルトが聴けない時期です。ですので、帰省して一番楽しみだったのが、モーツァルトを聴くこと。親から小遣いをもらってCDを買いに行くこと、でした。その当時に買ったCDは今でもあり、愛聴しています。

 そう言えば、このモーツァルトの創作過程はミルトン・エリクソンにも通じるところがありますね。エリクソンは小児麻痺のポリオを患っており、若い頃は身体がめちゃくちゃ不自由だったのです。歩くことも動くこともままなりません。当然、つらいです。そのために何をしたかと言うと、自分を催眠にかけたのです。そして赤ちゃんをモデリングするなど、徹底して無意識・潜在意識と向き合ったのです。その結果、自らを催眠にかけることに成功し、おそらくそのノウハウが他人を癒すことにも活用されたわけです。エリクソンは実際、ポリオを完治させたわけではなく、生涯、自らを催眠にかけていたと言われます。結局、来日の予定がありながらも、ポリオの再発によりそれは実現できなかったわけですが、その偉業は海を越えて日本にもやってきて、これからも語り継がれることと思われます。まさしくモーツァルトの音楽と同じように。

てなわけで、モーツァルトを聴きながら、いろいろと気づきもあったりして、やっぱりモーツァルトはええな~と思うわけであります。今日も話があちこち行きましたね。ま、いつも書くことを決めて書いているわけではないので、こんなもんです。私のセミナーも似たようなもんかな。ありがとうございました。

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by katamich | 2009-02-25 23:04 | ■願望実現 | Comments(0)