インド3日目 ~列車で熱く語る~ 2008.11.3

 3日目の今日はまだまだ早起きです。今日は何とアグラからブッダガヤまで15時間の列車の旅になります。通常のツアーではあり得ないスケジュールですが、これは何としても、ミネハハさんにお会いするために組んだものです。予定ではミネハハさんは明日の早朝にデリーを発ってしまうので、せめて今日の夜だけでも、人目でもお会いできればと思うのです。ほんの一瞬のために、精一杯のできることをする。こんなオレって素敵やと思います。

 日の出前に迎えのバスが来て、アグラ駅まで。電車の遅れはなく、スムーズに時間通りに乗り込みます。昨日の列車はデリー始発で2時間遅れ。今日の列車はすでにジョードプルというところから出ており、数時間たつのですが遅れなし。インドってわからんです。車内に乗り込むと、朝早いためかまだ寝ている人も多いです。我々の乗る車両は「3段AC寝台」というもので、お金を持った中産階級の人が乗るような列車です。一番上は、完全コンパートメントの個室。セレブですね。二番目は「2段AC寝台」と言う車両で、3段ベッドではなく2段ベッドの分、スペースもあります。ですので、我々の乗った車両は上から3番目なのでしょうか。あとはAC(エアコン)のない寝台、そして寝台でもない座席だけの席があり、これが一番下になるのでしょう。昔は私もこれに乗りました。正直、一番下の車両は疲れます。無賃乗車で勝手に人の席に座っているのもいれば、3人がけに7人くらい座ってきたりとか。そんでもってジロジロ見られるし、下らん質問攻めにあったり。寝台はないのですが、荷物置きの網棚に寝ている人もいます。正直言って、今はこれには乗れませんね。歳をとったようで残念ですが。

 私はまず真ん中の寝台に寝転びます。正直、狭いのですが、横になれるだけまし。しばらくは寝ますが、さすがに寝てばかりいられないし、お腹もすくので、狭い中を苦しい姿勢で起き上がります。売り子さんがチャイ(お茶)を売りに来るので買います。一杯5ルピー、約10円です。インドのチャイはどこで飲んで美味しいもの。今回は仲間がいたので、15時間の旅程もトークで時間を紛らわすことができます。お昼には昼食。これがまた美味しかったです。ベジタリアンは豆や野菜のカレーにライスとチャパティ(薄いパン)。チャパティは熱々で味もあってとても美味しいのです。

 我々は7人いたので、時々、席を替わったりして、寝たい人は寝る、座って話したい人は座る。本を読みたい人は本を読む。そんな感じで便利に動き回って時間を過ごしました。トイレに行くのも、荷物を見てもらえるので心配ないですしね。そうこうしていると、あっという間に6時間、7時間とたち、結局、今日は一回もお日様の下に出ることなく、車内で過ごしたと言うわけです。12時間もたった頃には、外も暗くなっています。そんな時、妙に語りたくなってしまうもの。チャイなどを飲みながら、いろいろと語り合いました。旅について、人生について。

 やっぱりインドに来るってのは、何だか特別な気がします。何か特別な目的意識があって来ているのでもなく、かといって純粋なレジャーともちょっと違う。純粋なレジャーであれば、ハワイとか沖縄とか東南アジアの島でもいいわけです。確かにタージマハルはすごいんですが、じゃあタージマハルを見るためだけにインドに行く人がいるかと言えば、それはごく少数派でしょう。美食の国と言うわけでもなく、癒しを求めていくところでもありません。むしろお腹壊したり、ぼられたり、だまされたり、そんなマイナスなイメージが付きまといがちな国でもありますし、私にしても暴漢にあったのは後にも先にもインドしかありません。ただ、インドと言っても暴漢に合うのは極稀であり、たまたまタイミングが良くなかっただけのこと。その辺を誤解なきようしたいです。

 インドの治安と言うと、確かに良いことはないのですが、最悪かと言えば決してそうではありません。少なくとも日中は普通に歩けますし、元々殺生を好まない国なので、むやみやたらと旅行者の命を狙うようなこともありません。その点で言えば、私は行ったことありませんが、アフリカ諸国が最悪だと聞きます。人類発祥の地アフリカです。特に南アフリカのヨハネスブルクは「北斗の拳」の世界だと聞きます。ダウンタウンはほとんど無法地帯。地元の警察も寄りたがらない場所。ヨハネスブルク中央駅の構内はまだOKなのですが、そこから一歩外に出ると、暴漢に合う確立300%なんてことをいう人もいます。10分間に3回暴漢にあった人もいるとか。

 あの街は元々は白人が住んでいて、比較的住みやすい大都市だったそうです。それがアパルトヘイト解放により、職を求めて黒人が多く流入してきて、それでもうまいようには職に恵まれないため、無職の黒人たちがスラムを形成して治安が悪化。治安の悪化にともない、それまでいた白人は郊外に移り住むようになり、結局、都会の残像だけを残した世界最悪の犯罪都市になったしまったのだとか。理由は何か、根本の理由は。言うまでもなく貧困です。正直言って、貧しくても美しく生きる、なんてのはリアルな貧困を知らない部外者の戯言に過ぎないでしょう。本来の清貧とは、豊かさを十分に享受した人があえて慎ましく生きる姿のことであり、本当に貧しい人が美しく生きるなんてことは絶対にできないと思っています。お釈迦様だって、身分の高い王子様として生まれてなければ、あそこまでの修行をしたとは思えません。修行なんてのは、結局、「やりたい」からやるのであって、いつでも逃げ場があるからこそ「修行」と言えるのです。断食修行してガリガリに痩せるのはあくまで「趣味」の範疇。本当の餓えに直面すれば、ガリガリどころかお腹が膨らみます。飢餓に苦しむアフリカの子どもたちのように。昔、テレビで爆笑問題の大田が不謹慎なことを言ってました。「あんなにお腹が膨れているのに、お腹が減ってるのでしょうか?」なんて。もちろんこれはギャグで言ったのであり、田中が思いっきり突っ込みを入れてましたが、あんなのは豊かな日本だからこそ言える、と言うか、本来は放送してはいけないもんです。ただ、あれをブラックジョークで流してしまえるのは、やっぱり日本が豊かである証拠なんでしょう。

 話がわき道にそれまくっていますが、インドにだってまだまだ貧しい人はたくさんいます。生活水準がボトムアップされているのも確かでしょうが、やっぱりどうしようもない貧困に喘いでいる人はたくさんいます。日本では決して見ることのない。ただ、日本にもワーキングプア、ネットカフェ難民、ニートなど呼ばれる比較的貧しい層は存在します。ただ、こう言ってはなんですが、彼らとインドの貧困とはレベルが違います。インドやアフリカから見れば、日本の貧民層は「趣味」の範囲に移るかもしれません。もしも彼らが本当に豊かになりたいのであれば、逆転のチャンスはいくらでも転がっています。それこそ飛び込み営業でもすれば、一夜にして大金持ちになる可能性だってあるわけです。

 昔、アホなバックパッカーがインドやネパール人の大人を指して、「あいつらは仕事もせんと遊んでいる」なんて言ってましたが、彼らからすれば「自分だって仕事があれば24時間でも働きたい」と言うでしょう。現に日本にいる外国人はめちゃくちゃ働き者です。私の行きつけのインドカレー屋の話によると、日本語がしゃべれないインド人従業員の時給は300円ほどなんだそうです。そこは労基署も介在できない世界。それでも彼らは仕込みに始まり、最後の掃除までフルに15時間以上働いています。むしろ遊んでいるのは、無目的に物価の安い海外をふらふらしているバックパッカーの方。下川祐二が彼らのことを「引きこもり」ならぬ「外こもり」なんて表現していますが、よく言ったものです。家でゲームばかりしている引きこもりの若者も、無目的に海外をふらつき歩いている若者も、実はリアルな日本社会に適合できていないと言う点でまったく同質なのです。

 しかしもし彼らが救われる可能性があるとすれば、そこに「悩み」がある場合のみ。引きこもっている状態であってもそこに「悩み」があれば、リアルな日本社会に復活する可能性はあるもの。それは無目的なバックパッカーも同じ。結局、一番の問題は「悩み」がなくなるという状態。「悩み」があるうちはまだまだ健全なのです。貧困問題で一番問題になるのは、貧困に喘いでいる人たちが「悩み」から逃避しようとすること。「悩み」があるからこそ、人は成長するもの。貧困は「悩み」によって解決できるかもしれない。「悩み」があるからこそ、その「悩み」から解放されようと学ぶもの。それが「教育」だと言えます。

 今回、一緒に行ったメンバーの中に事業でとても成功されている男性の方がいらっしゃいました。その地区ではマスコミからも取り上げられるほどに成功されている方です。電車の中でいろいろ語ったのですが、結局、何のためにインドに来たのか。何か漠然とした「何か」を知りたくて来た、というようなことを言っておられました。しかし、行ってみてそれがわかったかと言えば、実はますますわからなくなってきたのだと。実は旅の醍醐味はここにあると思っています。

 インドに行っても「悟り」が啓けるわけではありません。むしろ行けば行くほどに「悩み」が大きくなるもの。人は一歩外に出れば、いろんな刺激を受けます。お母さんの子宮から外に出た瞬間、「世界」という刺激を受けることになります。そして人は新しい刺激に対して悩みます。そしてその「悩み」との葛藤によって人は学び成長します。悩むこと、それが人間に与えられた宿命だと思っています。

 私も今回、インドに行っていろいろと考えさせられました。一言で言うと「悩み」が増えたのです。知らなければよかったものを知ってしまった。悟ってしまった。本来、「無知」は悪だと言いますが、「無知」によって自分の身が守られている部分もあるわけです。だからと言って「無知」を「無知」のままにしておいていいものか。決してそうではないと思います。知ることは人に新しい「悩み」を与えます。しかしその「悩み」があるからこそ、人は成長できるのです。人は何のために旅にでるのか。そこに帰る場所がある以上、現実からの逃避ではありえない。結局、人は「悩み」を増やすために旅に出るのです。

 先ほどの一緒に行った男性メンバーがいみじくも言っておられました。インドに来たことで、余計に悩みが増えてしまった、と。私は、だから素晴らしいのだと思っています。「悩み」を持つ人間は強くなれるし、優しくなれる。ぬるま湯の温泉のごとし日常で「悩み」から遠ざかっている人間より、よほど本来の「人間」であれるのです。

 さて、そんな風に熱く語りながら、列車やガヤ駅に着きました。私も周囲のインド人に「ガヤ?ガヤ?ガヤ?ガヤ?」と大声で確かめながら、降りる準備をし始めます。インドの列車は時間に不正確だし、車内アナウンスも何を言っているのかわからないので、周囲のインド人に聞くのが一番確かなわけ。列車を降りると、間もなくツアーガイドがやってきます。名前を確かめてバスに乗り込みます。ここから30分ほどでブッダガヤ。間もなく到着。さあ、ミネハハさんはいるかな。ロビーにはいません。時間はまだ10時。てっきりロビーでお会いできると思っていたのに。今回、ミネハハさんにお会いすることを提案されたMさんと一緒に、ミネハハさんのことを聞きます。ホテルに泊まってないか。どうやら泊まってないとのこと。予定では同じホテルに泊まっているはず。ホテルの人に頼んで他のホテルに泊まってないかも聞いてみます。どうやら該当者はなし、とのこと。そしたらホテルの人が気を遣って、車に乗って一緒に捜しに行くか、と。しないよりはまし。心当たりあるホテルに行って探してみます。やっぱりいません。今日は夜も遅いことだし、成果もなくホテルに戻ります。もう一度、ホテルの宿帳を見せてもらうのですが、どう見ても我々以外はタイ人旅行者ばかり。どうしようもないので、今日は自棄ビールに走ります。Mさんも珍しく落ち込んだ感じ。この夜の数時間のために列車をアレンジしたのに。でもまあ、これが最善ベストな結果なんだと自分に言い聞かせて「ありがとう」とつぶやくのでした。

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(15時間の列車内)
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(駅弁)
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(ブッダガヤのホテルで寝るオレ)
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by katamich | 2008-11-03 23:28 | ■インド | Comments(0)