ネイブルランド 2004.6.24

今日は梅雨らしい雨で、久々にバスで通勤しました。バスは本が読めるからいいですね。
最近仕事の話ばかりですが、まあ、仕事で食っているので週末まで勘弁してください。

タイトルの「ネイブルランド」とはご存知のように1999年に廃業した大牟田市にあったテーマパークのことです。名前の由来は、大牟田市が九州の真ん中(=へそ)に位置するということで、へそ→ネーブルのへたの部分がへそみたい、だからネイブルランドということらしいです。説明されないと絶対に分かりませんよね(説明されても納得はできない)。

現在のネイブルランドは完全な廃墟状態です。

なぜこの話を出したかというと、実はこの廃墟になったネイブルランドの跡地の利用方法に関して、現在、企画提案書を大牟田市から求められているのです。いつものプロポーザルコンペです。そして私も少しはそれに関わっていたのですが、自然と身を引いてしまい、明日が企画書の提出日となっています。

ネイブルランドの跡地利用については、大牟田市も頭を悩ましているようで、会社でもいろいろ考えを出し合いました。案としては「ショッピングモール」「石炭産業のモニュメント」「住宅地」「愛知万博のサテライト」など、たくさん出し合いました(それにしてもショッピングモールはあんまりですよね。ユメタウンにも客がいないのに。時代錯誤な某所属長の案ですが)。

結論から言うと、どのコンサルがどんないい案を出してもそれは計画倒となり、またしても無駄な財政支出を生み出す結果になるでしょう。

しかし私は、公には言っていませんが、この跡地を活用する唯一の方法を知っています。明日が提出なので、もう公開してもいいでしょう。

【ネイブルランド跡地利用計画】
<利用方法>
ネーブルの果樹園
<ねらい>
新しい文化の創造、環境の保全、コミュニティの育成、無駄な財政支出へのけじめ、など
<フロー>
・大牟田市職員1,800人から100円ずつ集める。
・集まった18万円で「クワ」100本と「ネーブルの苗」一本、残りは「お茶」と「米」と「塩」を買う。
・職員総出で跡地のアスファルトはがし、土の掘削をする(つまりドカタ作業)。
・毎日、職員100人が握り飯を頬張りながらドカタ作業をし、土が耕せたところに「ネーブルの苗」を一本植える。
・ホームページ、広報などで市民ボランティアを募り、職員と市民が協働でドカタ作業をする。
<期待される展開>
・職員の一生懸命な姿に心を打たれた市民が、ボランティア、ユンボ、握り飯、苗の差し入れなどを始める。
・市民みんながネイブルランドの跡地に集まり、一生懸命クワをおろすことで、親子の触れ合い、地域コミュニティの醸成が実現される。
・その光景を材料に地元のテレビ局がドキュメンタリー番組を作る。
・番組を見た市外、県外の人からボランティア、差し入れが相次ぐ。
・大牟田市が全国的に有名になる。
<物語>
大牟田市はかつて炭鉱文化を謳歌し、日本の一大産業地域であった。しかしエネルギー革命後、産業の撤退、人口の減少が余儀なくされ、かつての隆盛も見る影なく地域は衰退していった。
その後、新しい地域活性化に向けてハード、ソフトにわたる数々の振興策を講じてきた。その一つがネイブルランドの誘致である。しかし誘致から10年を待つことなく、廃業へと追い込まれた。
ここで大牟田市の職員が立ち上がった。「俺たちの手でもう一度ゼロから文化を創ろう!」。そして日々、職員はネイブルランド跡地に集まり、石炭時代のツルハシをクワに持ち替え、新しい文化を創造していくのである。
<解説>
なぜ、クワをおろすことが文化を創ることになるのでしょうか。そもそも「文化(=culture)」と「耕作=cultivate」とは語源を同じくするものです。ネイブルランドの廃業は石炭文化の終焉、それに続くバブル経済・文化の崩壊を象徴するものです。今の大牟田市には「文化」はありません。そこでもう一度原点に戻って地域そして住民の手によって新しい「文化」を創ることを始めなければなりません。クワをおろした結果、どのような文化が育つか分かりません。しかし確実に言えることは、地域の人たちの力と心が1つになること、ネーブルを一本一本植えることで環境にも貢献すること、無駄な財政支出に対して反省できること、国や県に頼らずに大牟田市職員が「自分の力」で地域を創ることの意義を知ることです。

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さて、どうでしょう。いい方法だと思いませんか。大牟田市に限ったことではありませんが、地方自治体は3割自治と言われるように、昔から依存体質が根深く残っています。今回のネイブルランドにしても、500万円もの委託金を積んでコンサルに「いい絵」を書かせるだけ。まさに依存体質以外の何ものでもありません。しかも大牟田市はネイブルランドを始めとする無駄な財政支出で市民オンブズマンから訴訟を起こされているのですよ。今のところ2審では勝っているものの、その弁護士費用に既に3千万円も使っているのです。しかもオンブズマンは上告しましたので、裁判は継続中です。これまた無駄遣いです。市民の税金を。

いい加減に昔のプライドを捨てて、一から出直してはどうでしょう。職員みんながクワをおろして汗を流していたら、オンブズマンだって訴訟なんか起こしませんよ。そうなったら私だって週末に大牟田まで行って一緒にクワを下ろしますよ。いい加減に目を覚ましてはいかがでしょうか。

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と、こんなことを言いながらも、大牟田市から500万円の委託金をせしめようと企画書を書き、そうやって私はご飯を食べているのです。上のようなことを言ってしまえば仕事はなくなります。でもそれは本音です。これをジレンマと言います。コンサルの辛いところです。コンサルの限界を感じます(涙)。でも負けずにいい時代を創っていきます。

(写真はネーブル-先っぽが「へそ」のようです、、、か?)
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by katamich | 2004-06-24 02:03 | ■まちづくり | Comments(0)