情報社会は剥き出し社会 2004.6.1

今日は梅雨の間の束の間の晴れでした。
しかし一日中事務所で仕事をしていました。それも面白くない仕事でした。ツイてる。。。

今日の午後、ヤフーニュースを開くとトップにまたも凄惨な事件が出ていました。
ご存知のとおり佐世保市の小学生カッター殺人事件です。
今回の大きな事件性は小学生の女子が同級生を殺害したところにあるのでしょう。
ちょうど一年前も中学生が幼い少年の体を切った上に屋上から突き落とす事件がありました。
例の「駿ちゃん事件」です。世間ではまた長崎かと思っているかもしれません。平和のまちなのになぜ、と。

なぜ長崎かは分かりません。ひょっとしたら部分的に悪いエネルギーが鬱積しているのかもしれませんが、それはなんともいえません。

ところで私が今回書きたいテーマはそんな話ではありません。情報社会について書きたいと思います。
今回のような事件を目にしたら人は最初に何を考え、行動するでしょうか。
多くの人はテレビをつけるとか、ネット上に配信されるニュースを熟読するかでしょう。

しかし、最近では即座に「例のHP」を開く人とも少なくないと思われます。それは察しのとおり、超巨大掲示板「2ちゃんねる」です。

今や「2ちゃんねる」の社会に対する影響は看過できないものがあります。
政治や巨大企業に対する告発から、名誉毀損、殺人・テロ予告など良しにつけ悪しきにつけ、これまで表社会に現れなかったことが、次々に表出しています。
中でもプライバシーに関わる表現は大きなインパクトがあると思われます。

今回のような事件は少年法の元で加害者の人権を考慮し、名前や顔が報道されることはまずありません。
しかし「2ちゃんねる」では少年法における子どもの人権などどこ吹く風、一両日中には加害者に対する全ての情報が明らかにされてしまいます。
今回もそうでした。正午の事件だったのがその6時間後には、本名及び顔写真が見事に出回ってしました。ひどい時には電話番号まで出回ることがあります。

このようなネットによるプライバシー問題が最初に浮上したのが、おそらく97年の「サカキバラ事件」でしょう。
そのときはフライデーの勇み足で誌上に掲載したあと発禁になったのですが、とき既に遅しでそこからネット上に一気に広まりました。
他にも西鉄バスハイジャック事件、駿ちゃん事件など、加害者の情報が一瞬のうちに剥き出しにされてしまうのです。

まさに高度情報化は「法は許しても社会が許さん」という社会を導く一方、少年の更生、社会復帰という本来の少年法の理念を完全に遮断してしまうものです。

私見ですが日本という国は他の先進諸国に比べ、加害者特に少年の人権を過度に尊重する向きがあると思われます。グローバルスタンダードに照らせば、日本の少年法は甘いと考えられるかもしれません。

その是非はともかく、今後、少年法の改正はできても高度情報化の進展を止めることはできません。
つまり今は法でいくら少年の人権を守っても情報力がそれを許さない時代になっています。
別の見方をすれば、情報化とは日本の少年法の後進性を是正する働きがあるのかもしれません。

今後は少年法でいくら人権を擁護しようと、加害者の少年は一生まともな職につくこともできなければ幸せな結婚もできないことでしょう。

となると、どうせなら少年法を一気に解体してしまい、顔も名前も公表した上で更正プログラムとその進捗をも公開しながら、堂々と社会の審判を仰げばいいのです。
その方が少年犯罪の防止ためにも、加害者の人権擁護のためにも良い結果を導くと思われるのですが。。。
by katamich | 2004-06-01 01:14 | ■時事問題 | Comments(0)