切に生きる 2007.5.7

 さて、GWも終わりました。今日は7時起床。GWの後半は本の執筆が止まってましたので、今週は気合入れて書きたいと思います。GW明けた途端に天気もよくなりましたね。しかし、今日はずっと室内で雑務を片付けていました。とかしていると、郵便受けにいつもの雑誌が届いていました。「致知」という会員制の月刊誌です。昨年末辺りから購読を始めて、いつも忘れた頃に届きます(笑)。今月のテーマは「切に生きる」です。表紙にはよく知られた名前が載っており、とりあえず手を止めて、雑誌を読むことにしました。

b0002156_3585433.jpg それは、筑波大学名誉教授で遺伝子研究の世界的権威である村上和雄さんと、吉野の金峯山寺で若き日に「千日回峰行」を満行した塩沼亮潤大阿闍梨との対談です。題目は「極限の中に生きて見えてくるもの」です。めちゃくちゃ感動しちゃいましたので、今日はそれを紹介させて頂きます。

 「千日回峰行」という荒行については、本等で知るところですが、このような対談形式で声を聞くと、いかに超越した行であるかがひしひしと伝わってきます。まさしく常軌を逸してます。塩沼氏が行った「千日回峰行」は大本山である比叡山ではなく、修験の聖地である吉野の金峯山寺でのものです。ただ、その厳しさで言えば、距離や標高差の面で、金峯山寺の方がはるかに凄まじく、1300年の歴史の中でも、金峯山寺で回峰行満を果たしたのは、塩沼氏が二人目なのだそうです。

 一般的に「千日回峰行」は7年かけて千日間の行となるのですが、実際に行をしている季節は、毎日48キロを歩くのです。有名なのは比叡山での行ですが、塩沼氏はさらに過酷な金峯山寺で48キロを14時間かけて毎日歩くのです。夜中に滝で身を清めてから出発し、朝方に折り返し地点の山頂に到着し、来た道を下って午後の3時頃にお寺に戻るのだそうです。その後はお勤めを19時に消灯。4時間半ほど寝てから、また夜中に出発するのです。その間、食事は米と野菜のみだそうです。当然、栄養失調直前になり、血尿を出す日もあるらしいのですが、それを通り過ぎると、身体も馴染んで軽くなるのだとか。ただ、行の間はずっと「体調が悪い」状況で、「いいか悪いか」という概念はなく、「悪いか最悪か」という限界の状況が毎日続くのだそうです。そんな極限の日々に何を見たのか、、、と言うのがこの対談のテーマでした。

 中でも「幻覚が見える」という話が圧巻でした。3メートルくらいのイノシシが唸りをあげて向かってきたり、鬼から石を投げられたり。かと思うと、夜中の山道で何ものかに足を捕まれ動けなくなったと思ったら、30センチ先が崖っぷちで九死に一生を得たりしたとか。最初の頃はそういう物の怪のようなものが見えるのが、中盤には天使や仏が見えるようになり、後半になるとそういう幻覚は一切見えなくなるのだそうです。塩沼氏はこのプロセスは人間すべてに共通することだと言って、このような言葉を残しています。


「何かを成し遂げようと思うと、最初はいろいろ抵抗や障害がある。それを乗り越えるときらびやかな世界に心惹かれ助長する。それを乗り越えたところに真実がある。その真実とはありのままに感謝をすることだと感じております」


と。村上氏はその「真実」に接したときに初めて「遺伝子のスイッチ」がオンになると言います。もちろん、塩沼氏のような行をせよと言うことではなく、それぞれの道において「我」がなくなり、利他の心が芽生えた時に、「真実」に接することになり、そこで初めて「遺伝子のスイッチ」がオンになるのだそうです。オンになると「サムシング・グレート」による何かものすごい力を感じるのだとか。そして塩沼氏の次のエピソードは涙を誘います。

 ある日、土砂降りの中、山中を歩き、途中でおむすびを食べようとしたら、ものすごい雨と風とで米が流れていったのだそうです。その一粒一粒をすするようにして食べていた時、「自分はなんて幸せなんだろう」と涙が出てきたそうです。私は塩沼氏に比べると、ほんと恥ずかしいくらいの小さな人間ですが、これを読んで思い出したこともあります。ブログにも何度も書きましたが、2年前のインドでの出来事です。インドに着いた当日の夜、デリーの街中で突然殴られ、血を出しながらタクシーに逃げ乗ったら、悪徳旅行会社から4万円もの大金を騙し取られたときのことです。カードがあると思って、とにかく一刻も早くデリーから出たい思いで、飛行機に乗ったのですが、カードは20万円が上限で、たまたま出費が重なっていたこともあり降ろせず。結局、ラダックで所持金5,000円で一週間を過ごさねばならなくなりました。街で一番安い宿に泊って、金がなく、何もすることがないので、山の上で毎日般若心経を唱えていたとき、、、突然、「感謝」の涙が出てきたのです。こうやって五体満足でお経を唱えられる状況に心から感謝したのです。

 そんなしょうもない話と塩沼氏の壮絶な話を比べるのも不謹慎な気がしますが、私の小さな経験の中で、心からの感謝の気持ちを抱いたこともまた小さな真実だと思います。しかし、塩沼氏のこういう話を読んでいたら、「感謝」とは何かを改めて考えさせられます。土砂降りの中で流れ行く米粒に涙を流しながら感謝する。私は今明るくて温かい部屋でコーヒーを飲みながらブログを書いていますが、「感謝」の気持ちなんてどっかに忘れてしまっています。パソコンを閉じれば、柔らかい布団に包まれて安眠を貪ることができます。朝になれば眼が覚め、冷たい一杯の水を喉に流し込むことができます。コンビニやスーパーに行けば、美味しそうな食べ物をいくらでも買って食べることができます。でも私は感謝を忘れてしまっています。そうかと思えば、どこか現世利得むき出しで「感謝が大切」なんて言ったりしています。ありがとう100万回。どこか間違ってないかい・・・と反省させられます。

 誰もが塩沼氏のような極限的な体験ができるわけではありません。しかし雨風に流れる米粒に心から感謝できる塩沼氏も私も同じ人間です。同じ人間でありながら、心の置き所がこうまで違ってくるのか、、、とやはり反省させられます。そう言えばもう一つだけ思い出しました。去年、私も「100日滝行」をして、最終日は24時間のお堂の行(断食、断水、不眠、不臥で観音経)をしたのですが、それが終わって晴れて満行となったとき、コンビニで買ったシュークリームに心から感謝したものです。。。あ~スケールが違い過ぎです。。。

 ただ、こんな私でも救われる言葉がありました。塩沼氏が壮絶な行をして得た境地は「私たちの人生はすべて行である」ということです。あらゆる瞬間を大切にし、今を真剣に生きていくことこそが「行」であると言うのです。タンポポは風が吹けば種が飛びますが、山に落ちる種もあれば、アスファルトに落ちる種もあり、水溜りに落ちる種もあります。人間もタンポポと同じで、今いる場所がどんな環境であっても、そこで精一杯の花を咲かせることが人生であり行であると言うのです。結局、私には「今」は「今」の必然性があり、何からしの役割があるはずです。私が今ブログを書いているのも、出版に向けて執筆しているのも、来月セミナーするのも、毎日コーチングをさせて頂いているのも、滝に打たれるのも、山に登るのも、何かの必然性があってこそなのですね。環境や手段はいろいろあれど、「今」を大切に、そして真剣に生きること自体が「行」であり、そのプロセスにおいて何かしら「感謝」の気持ちを抱くことができれば、それでいいのかも、、、と考えさせられました。ですので、私のようなちっぽけな人間でも「今」を真剣に生き抜くことで、村上氏や塩沼氏に恥じない生き方ができるのでは、、、と思いました。

 月に一回ですが「致知」という雑誌が自然と届きます。すべては目を通さないまでも、何かしら教えられることがあります。近頃の不遜な私にしては珍しく殊勝な日記になりましたが、時々でもこういう気持ちを蘇らせてくれる「致知」にはいつも感謝しています(でも渡部昇一の右翼記事はいらん)。てなわけで、明日からまた偉そうに行きますのでよろしくお願いします(笑)←一応、まだ殊勝な気持ちではいますので・・・



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Commented at 2007-05-08 22:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by misaton at 2007-05-08 22:47 x
こんにちわ、はじめまして。わたしも昔、酒田阿闍梨のことを書いた本を読んで、たいへん感動しました。
現在、富士山の樹海のとなりに住んでいます。
富士山がこんなにも霊山だったなんて、思ってもみませんでした。
じっと見上げているだけで、涙があふれてくることもあります。
また、おじゃましたいと思います。
もしよろしかったら、わたしのブログにも遊びにいらしてください。
Commented by kei at 2007-05-09 12:41 x
Qさんこんにちわ!先日 お試しコーチングを受けさせていただいたkeiです。私も実は昨年より致知を購読してます。
同じ箇所で、Qさんの潜在意識のお話を思い出しました。
(Qさんにコーチングしていただいたのがきっかけで、石井さんの本を読んでみたのですが、同じようなことが書いてましたね)
とても勉強になりました。ありがとうございます♪

今日は、私が書いてるblogもリンクします☆
出来る範囲でちょっとだけ楽しんでる風水のブログです♪(*^^*)
Commented by katamich at 2007-05-09 17:53
■非公開コメントさん!
今月のはいい記事でしたよね。
Commented by katamich at 2007-05-09 17:55
■misaton さん!
コメントありがとうございます。
私も酒井阿闍梨を題材にした小説(?)を読みました。
圧巻ですよね。ブログ見させてもらいました。キースジャレットと字に目が飛びつきました(^^)
Commented by katamich at 2007-05-09 17:57
■kei さん!
ブログのぞかせてもらいました!!
ロールケーキがおいしそうですね(^^)
堅苦しくない風水に好感もてます!
また見に行かせてもらいますね!!
by katamich | 2007-05-07 00:55 | ■読書・書評 | Comments(6)