小説を読みます 2006.12.17

 福岡に戻ってまいりました。家に入るとき、何となく照れちゃう気がしたのはどういう心理なんでしょうか(笑)。10日ぶりだったのですが、一ヶ月以上も経っていたように感じてしまいました。私がベトナムに行っている間のことと言えば、「ノロウイルス」「石原真理子暴露本」そして「べとちゃん結婚」が話題になっていたそうですね。他は「陣内・のりか結納」くらいでしょうか。「ノロウイルス」など病気系の話題って毎年なにかありますよね。O157とかサーズとか。ノロウイルスってのは何となくSFチックで怖い響きがありますね。石原真理子の暴露本に関しては、何も言うことなし。売れなくなった芸人が起死回生を狙う古典的な手法ですね。そして「べとちゃん」です。奇しくも私がベトナムに行っている間のことでありました。べとちゃん・どくちゃんと言えば、ベトナム戦争の象徴みたいなものですよね。私も戦争のことを知る以前から、彼らのことは幼き時から知っていましたし。サイゴンではベトナム戦争の資料館に行ったのですが、まだ30年前なんですよね。ベトナムで出会った、私より年配の人はみんな、あの泥沼戦争の経験があるのですよね。五体が満足でない人たちが、物乞いをしたり宝くじを売ったりしている姿に何度も遭遇しましたが、何割かは戦争の被害なんでしょうか。そう考えると、胸が痛みます。

 ベトナムという国は、まさしく被支配と被害の歴史だったようですね。古くは中国の属国のようであり、近代ではフランスの植民地として、そして日本にとっては交易上の通り道として。ベトナム戦争では東西冷戦の巻き添えとして多大なる被害を被って。それでもよくぞ独立国として頑張ってきたのだと思います。何かしら底力みたいなものを感じさせます。その実、ベトナムの労働力というのは実に質が高いのだそうです。東南アジアでは数少ない大乗仏教の国だけに、現世的な勤勉意識も備わっているのでしょうか。恐らくこれから先、すごい国へと発展して行きそうな気がします。今回、旅行としては非常にスムーズだったのですが、これから先も心に残りそうな国であることは間違いないでしょう。

 ところで今日は新幹線で帰ったのですが、その間、暇つぶしにと文庫本を家から持って出ました。たまたま本棚にあった東野圭吾「宿命」という本です。実はベトナムにも東野圭吾の本を持っていていました。特に好きだからというわけでもなく、最近、妙に耳にする名前だったので、古本屋で買っていたのでした。ベトナムに持って行っていたのは「放課後」という小説です。ジャンルとしては推理小説の類なんでしょうが、犯人を見つけるとかトリックを明かすなどの力点が置かれているのではなく、周辺の人間関係や運命などを取り巻く、一種の「切なさ」が売りなのかなと思いました。まだ2冊しか読んでないのでなんとも言えないのですが、個人的には面白いと思いました。「放課後」の方は、彼のデビュー作のようで、話の展開は面白かったのですが、肝心となる動機の部分は思わず笑ってしまいました。あまりにも唐突だったのもあるでしょう。読んでみるとお分かり頂けると思います(笑)。

 「宿命」の方は設定としてはベタなんですが、何重にも積み重ねられるカラクリの作りが見事だと思いました。最後の方でいろんな謎が解けるのですが、なるほどと思いながらも、期待していた結末にならなかったのが何とも切なかったです。私ならこうしてあげたいのに、、、と思うところをグッと抑えて、切ない気持ちを読者の心に残していく。こういう手法もありなのかな、と思いました。読んでないと何のことだかわからないでしょうが(笑)、とっても面白かったので、暇な時にでも読んでみるといいと思います。もっとも、東野ファンにとっては「暇つぶし」にされては心外とは思いますが。私ももう何冊かは読んでみたいと思います。

 そう言えば、最近はビジネス本とか成功本ばかり読んでいたのですが、かつては小説もよく読んだものです。比較的よく読んでいたのが宮本輝、遠藤周作、渡辺淳一、高杉良、村上春樹あたりでしょうか。宮本輝ははじめ「青が散る」というのを旅先で読んで、胸が締め付けられるようになり、それ以後、何冊か読みました。特に旅モノが好きです。遠藤周作はシリアスモノはほとんど読みました。コリアン先生のシリーズはちょっと読んでやめましたが、シリアスモノには一時期、はまりまくりましたね。やっぱり入り口は「深い河」で、これはインドのバラナシ(ベナレス)が舞台となっています。それもまさしくバラナシで読んだので、一層、心に残りました。あれを読むと、途端に私の心はバラナシに飛んで行ってしまいます。ちなみに「深い河」の中に、「クミコハウス」ってのが実名で登場するのですが、私はその隣の「ヴィシュヌレストハウス」がバラナシの常宿でした。クミコハウスは不衛生なうえ、暗~い雰囲気の日本人の溜まり場になっていたのが、どうも抵抗ありました(笑)。

 渡辺淳一は今でこそ男女関係小説の第一人者でありますが、本当に面白いのは医療シリーズだと思います。男女シリーズは「失楽園」しか読んでませんが、医療シリーズはまた一時期はまってよく読んでいました。高杉良は私の好きな経済小説です。結構、勉強にもなったものです。しかし私が一番好きな経済小説ってのは、文庫にはなっていないのですが、榊東行という人が書いた「三本の矢」という小説です。この小説には複雑系とか比較制度分析とか経済学の先端理論が散りばめられてあり、しかも読みやすいという点でただ者ではないと思っているのですが、未だに文庫本にならないのが不思議でなりません。あと、村上春樹は昔のをよく読みましたが、小説の中で私の良く知ってるジャズのフレーズが出てくるのが何とも楽しかったものです。

 こうやって時々は小説を読んでみるのも楽しいものですね。今日はこんなところで。明日は五日市剛さんの講演会に行ってきます。ではでは。

クリックいただければ楽しいです♪(人気blogランキング)

メルマガ「週刊!!『宇宙となかよし』」の登録・解除はこちらです。
ミクシィにも「マイミク限定日記」を書いてますので、読者の皆さんのマイミク、大歓迎です♪

100人コーチング」-ただいま 93人/100人 です。(受付終了しました-11名受付済)
Commented by 檸檬 at 2006-12-19 00:25 x
宮本輝さんのTVドラマは独特な雰囲気があり好きです。ドラマが気に入ると直ぐ本を買って並行して読んでいた時期がありました。

渡辺淳一さんの本もよく読んでいた時期がありました。彼の本に登場する男性は、常に軟弱男が多くて。。。もしかして渡辺淳一さん自身なのかも?だったら何冊読んでも軟弱男登場だと思ったら嫌気がさした。軟弱男は苦手だ!
(でも昨晩、TV出演されていた彼自身はチョッと熱いカンジでした。)

山崎豊子の 『 沈まぬ太陽 』 がドラマ化されるらしいですね。久しく小説は読んでいないけど、読みたいかな。ブックオフへ行ったら結構値段高かった。あと持ったカンジがドンヨリしていたので新品をかうつもりが一年経っちゃった ^^; 彼女の医療シリーズも面白いですよね♪
Commented by katamich at 2006-12-20 13:33
■檸檬さん!
渡辺淳一さんは確かご自身のブログで差別的なことを書いて、問題になったことがあったような。詳細覚えてませんが。。。結構強気みたいですね。
山崎豊子はドラマなどでは見ています。
あまりに長編が多いので、ちょっと腰引けてまして。。。
by katamich | 2006-12-17 23:45 | ■読書・書評 | Comments(2)