宇宙となかよし

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「あやとり世界」を語る 2005.11.5

 5時20分起床。自転車で空港に行き、そこから車に乗り合わせて北九州の畑観音で滝行でした。今日の温度は15度と比較的温かく、まずまず楽な滝でした。これからどんどん寒くなっていくのが楽しみですね。

 話は突然変わりますが、私は「ドラえもん」が大好きです。言うまでもないかもしれませんが。今でも日常的に読み直しては爆笑してしまいます。小さい頃は、普通に面白いと思って読んでいたのが、大人になってみると、とても深読みができるとともに、一こま一こまにこめられたニュアンスを読み取るのがなんとも面白いんですよね。そんなことで、今日は、ちょっと私の好きなドラえもんの話を紹介したいと思います。その名も「あやとり世界」。

 のび太の得意技にあやとりがあるのはとても有名ですが、実はのび太って誰にも負けない得意技が他にも存在するんですよね。「誰にも負けない」得意技が3つも4つもあるって、実はとても貴重なんです。テストで0点取ろうがかけっこでビリになろうが「誰にも負けない」得意技があるだけでも、褒め称えないといけないのに、その辺のところを作者はとことん蔑ろにしてしまっているのです。

 人は学校で習うことが全てで、それさえうまくやっていれば成功できると思い込ませる、いわゆる「飼い犬統制」を刷り込むための国家の陰謀かと思うこともあります。作者(藤子F)は、子どもたちに夢を与えるなどと言っておきながら、しょせんは国家権力の手先に過ぎないのだと、おさな心に思ったものです(・・・思ってないって)。

 そうそう、他の特技として割合有名なのが「射的」ですね。このエピソードは時々出てきますよね。あと、単にインパクトがあったからなのか、比較的出てくるのは「寝る」こと。のび太はいかなるときにでも瞬時に眠れる特技があり、テレビでも特集されました(「もしもボックス」使用)。でも「寝る」って特技に入れていいのか疑問ではありますよね。それを言うのなら人を人とも思わないジャイアンの残虐さも特技と言えちゃうわけです。顔にめり込むまでのパンチなんて、普通はできないですよね。ましてや小学生が。買ったばかりのバットの殴り心地を試させろ、なんて真顔で言えるなんてちょっと信じられません。

 そうそう、のび太の特技ですが、意外と知られていないのが「ピーナッツの投げ食い」。ピーナッツを連続して何個も口の中に投げ入れるのは名人芸にまで達しており、しずちゃんたちに冷ややかに絶賛されるのを真に受けて調子に乗る話があります。やってみるとわかるのですが、一つならともかく、何個も連続して口に投げ入れるなんて、並外れたコントロールと動体視力がないとできないはずです。この辺り、「射的」が得意なのにもつながっているのでしょうが、ボールをバットで打ち返すのが苦手なところが腑に落ちないところではあります。

 だめだめ。今日は「あやとり世界」に絞って話をするのに、最初から脱線してしまいました。私のこの「あやとり世界」が小さい頃からずっと大好きでした。大人になって20年ぶりくらいにこの話を読んだ時も本当に大爆笑してしまいました。簡単に紹介させて頂きますね。
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 「ゆうべなないで考えた」技を得意げに披露するのですが、女の子たちはてんで無関心。口が点になっています。「ねないで考える」くらいの根気があるのですから、のび太ってすごい潜在能力があると思うのですけどね。
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 まあ、あやとりなんか馬鹿にされるのがオチで、信頼するドラえもんからも「いくらうまくてもえらい人になれない」と釘を刺されています。このセリフ、国家権力によるサブリナル効果があることは言うまでもないですよね。
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 そこで得意の「価値観の変容」のためにもしもボックスを使うのはお決まりです。しかし、結論から言ってしまうと、結局は変容された価値観は国家統制によって完全否定されてしまうオチが待っているのですが、とりあえず最後まで読んでみましょう。
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 この話はのび太の話というよりドラえもんの話ですよね。「あやとり世界」に対してドラえもんはとことん反発するのです。この怖わやるせない表情を見て下さい。価値の多様性を認めたがらない国家権力の顔です。
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 のび太が登場する前に、スネオが女の子たちにあやとりを披露して調子に乗っています。のび太の登場の前振りとして、適切なキャスティングでしょうね。先ほどの女の子たちの表情が生き生きしています。本来は小学生の女の子辺りだと、素直にあやとりに興味を示してもいいのにな~と思うのですが。まあそれはそれとして、このコマののび太の得意そうな顔に注目です。
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 でました、得意の菩薩フェイス。「自信ない」って何を言うのですかね。右手を指先までまっすぐに伸ばして「自信ない」って。もう少し自信なさそうな顔してもいいと思うのですが、まあ、言ってみたくなる気持ちはよくわかります。私もこの場合ののび太なら同じようなポーズを取ると思います。
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 見事なあやとりにいつの間にか空き地に観客が集まっています。大口を叩いたスネオは地面にひれ伏し、女の子たちからも尊敬の眼差しを向けられています。観客の中には目を剥いて驚いている人までいます(左から二番目のハゲのじいちゃん)。で、のび太は得意のおちょぼ口です。
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 おいおい、もっと落ち着けよ、と言いたくなるようなパパのテレビダッシュです。運動オンチのはずのパパが、今までにない身の軽さを見せています。いきなりの登場にママは口あんぐり。「プロあや」タイトルマッチがあるそうです。
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 あやとりごときになぜプロレスリングなのか理解に苦しみます。レスリングスーツも不可解。
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 挑戦者アヤノが「大森林」を繰り出して、チャンピオンをぐいぐい追い込んでいます。
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 でました!「銀河」。チャンピオンの逆転勝利。作れるなら最初から作れよ、お前は3分間ギリギリまで引っ張ってスペシュウム光線を出すウルトラマンかい!って言いたくなります。まあ、「銀河」と言ってもただの蜘蛛の巣のようですけどね。ちなみにこれはあやとり史上最大の大技と知られ、別の話ではのび太の発明となってるようです。紙一枚ですごくリアルな折り紙を作る人もいるように、ひも一本でここまでの造形を成しえるとは、のび太は完全に「右脳人間」なんでしょうね。現在に生まれていれば、右脳人間も認められる風潮にはあるのですが、1970年代の日本にそれを認める風土はまだ生まれてなかったのでしょう。残念。
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 「あやとり大臣」はいいのですが、ポイントはドラえもんの無関心な表情と、ひょっこり表れるジャイアンの目元、口元、足の短さでしょう。
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 ドラえもん無表情。後ろのギャラリーですが、F先生、手を抜きましたね。デッサンが安直過ぎます。この後結局ですね~、あやとり世界が解体するのですが、理由はドラえもんの手がゴムまりで、参加できないといじけてしまったのが原因なんです。
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 この泣け叫ぶドラえもんを見て下さい。これだけで10分は笑っていられます。ネズミが登場した時も、こんな感じにはなるのですが、それは天敵だから仕方ないです。でも、せっかくのび太が自らを受け入れてくれる世界を見つけたというのに、自分が参加できないという自己中心的な理由であやとり世界を勝手に解体してしまうなんて、21世紀から何をしにやってきてんだ、と説教したくなります。それが「のび太のためによかれ」と思ってのことでなく、ドラえもんのエゴによるものだけにドラえもんの存在意義を疑いたくなります。やっぱり欠陥ロボットなんですね。この情緒の不安定さは。も一つ問題。「ゴムまり」だからあやとりができないなんて、野口英世が聞いたらビックリしますよね。野口先生もゴムまりのような手でありながらも、苦学してあれだけの偉業を成しえたのです。私は彼からどんな逆境であっても努力することの大切さと勇気を学びました。でもこのドラもんからは、自分の思い通りにならなかったら、本来の役割(のび太の世話)を忘れてまで、わがままを突き通いている嫌らしさしか感じ取れません。せっかく小学校の推薦図書に「野口英世伝記」があるのに、このドラえもんで台無しです。この辺りに差別の温床があることをF先生も気づいていなかったのでしょうか。でも、そもそも、この話は一芸に非出るものを排除して、「国民総飼い犬化」を推進するためのプロパガンダなので、F先生を責めるわけにはいかないですね。
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 ステージの二段目に降りてアピールしているのに、のび太の天下はいつの間にか終わってしまって、女の子たちも口が点に戻っています。ああ無常。

 以上、単なる洒落ですので、どうぞ気を悪くされないで下さいね。ドラえもんはいつの世でも、子どもたちに夢と勇気を与えているのです。また、いつか気が向いたらドラえもん特集しますので、お楽しみに。この話を取り上げて欲しい、というご意見ございましたら、検討させて頂きますので。では、おやすみなさい。

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by katamich | 2005-11-05 22:28 | ■読書・書評 | Comments(3)
Commented by まっきぃ at 2005-11-06 12:19 x
kitamachiさん、こんにちは!!
ドラえもん、子どもの頃は夢中でした!大人になって読み返すとまた面白いものですね!特に今日のkitamachiさんの解釈、かなり興味深いです。子どものころは、「のび太ってずれてる・・」と思ったものですが、こう見ると、世の中の常識がずれているようです。大人になって、のび太って天才!!と気づいた人も結構多いのではないかと思います。
Commented by えりっち。 at 2005-11-06 14:56 x
ドラえもん♪改めて楽しく読ませていただきました^^/
矛盾。のび太にはいい所もあるのに
それが、開花されない...。ん〜
それと、ドラえもんが気難しそうな表情をしている時に
ひょっこりとでてくる ジャイアン☆
なんで、ここに登場したか 無謀にも考えちゃいました♪(笑)
Commented by katamich at 2005-11-07 08:35
>まっきぃ さん
のび太は偉大だと思います。すごいと思います。でも大人になってからののび太があまりにも平凡そうなのが、ちょっと腑に落ちないんですけどね。。。

>えりっち。さん
どうも、どうも。ジャイアンというキャラクターはとんでもないと思います。
妹思いの優しいところがある、などと言われますが、他人に対してあそこまで乱暴になれるのは、一種の才能を通り越して犯罪だと思っています。私の周りにジャイアンがいなかったことに感謝しています(笑)。
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