チャンクアップとチャンクダウン 2005.7.5

今日は気持ちのいい大雨でした。昼間はバタバタと動き回り、夜は月例のコーチング勉強会。今日は足元が良くなかったためか、参加者は少なかったのですが(それでも6名)、かえってじっくり勉強できた気がします。前回前々回の参加では個人的なレポートをしたんですが、先生を始め勉強会の参加メンバーからかなり評判がよく、いつも期待していると言われました。文章を書くことは好きだし、褒められるはもっと好きなので、喜んで期待に応えようとする自分がいるわけです。

 さて今日のテーマですが、耳慣れない言葉で「チャンクアップ・チャンクダウン」。「チャンク」とは「塊」を意味し、その塊(カテゴリーなど)を大きくしたり小さくたりすることをチャンキングと言うそうです。ではチャンクアップ、チャンクダウンとは。。。

 チャンクアップとは一言で「抽象化」のこと。クライアントが枝葉末節の細かい話ばかりして本来の目標やビジョンなどが不明確になりそうな時に、あえて「今までのことを一言で言うとどうなりますか?」などクライアントに大枠のことを再考させて、意味や目的、背景などを明確化します。チャンクダウンとは一言で「具体化」のこと。クライアントの話が漠然としてきた時など、「具体的にはどうしたらいいと思いますか?」など方法や言動など詳細な点について、クライアントに列挙、掘り下げを促し、具体的な行動イメージなどを明確化します。

 会話にダイナミズム(生き生きとした躍動感)を持たせるには、一般的・抽象的な話に終始するのでもなく、一方で細かいことばかり言うのでもなく、その両方を効果的に使い分けていくことが必要だと思います。また、それが上手い人は話がとても聞きやすいですね。

 余談ですが、私もこの辺は意識して会話することがあります。日本語と英語など(インドヨーロッパ語族)の言語感の違いもあると思いますが、我々の使用する日本語に関して言うと、人は「具体的な話」の方がさえぎらずに聞くように感じます。とりわけ相手に苦言を呈するときなどがそうです。

 「あなたの人の話をよく聞かないところが好きでない」と言う場合、最初にそれを言うと、即座に「え、そうかな、それはお互い様でしょ」とか「私はいつも聞き役に徹しているつもりですが」など返答が返ってきます。

 そうではなく、最初に「先日私がこう言いたかったのは伝わりましたか」とか「5つの課題についてお話しましたが」とか「あなたは電話口で私が一言う間に五言い返してきましたよね」などと並べ立てた上で、「あなたの人の話をよく聞かないところが好きでない」と行くと、きちんと言いたいことが言えるわけです。

 これは言語構造の問題かもしれませんが、日本語の場合は「具体」→「抽象」のパターンであり、英語的な「抽象」→「具体」のパターンに慣れてないからでしょうね。ですので私は会話する時に、ぶっちゃけ頭の良い人(聞き上手な人)とは「抽象」→「具体」で話すのですが、そうでない場合は「具体」を早口で並べ立てて、最後にゆっくり「抽象」を言うようにしています。頭の良い人は私が「抽象」を言った時にその後に「具体」が来ることを予想して聞いてくれるので話が楽ですが、そうでない人は「抽象」を言った瞬間会話を途絶えさせようとしますので。

 まあこれは、私が学生時代から「抽象」→「具体」のパターンを理解できないわゆる「バカ」(特に年配)と話すことが多かったので、痛烈に身にしみているのです。ちょっと愚痴のようになってきましたか(笑)。

 話を元に戻しますが、会話の中で「抽象」と「具体」を使い分けるのは「良い会話」にとって重要です。枝葉末節の細かい話ばかりする会話は疲れるし、漠然とした内容ばかりの会話は頭に残りません。コーチの役目としては、私の考えですが、「良い会話」を演出するところにあるのではないでしょうか。つまりクライアントの会話をいわゆる「良い」レベルに誘導する、それが出来るコーチを有能なコーチだと言うのでしょう。

 そこで、今回のテーマである「チャンクアップ・チャンクダウン」はとても重要なスキルだと考えられます。しかし実のところ自分でも「具体」「抽象」をきちんと会話に盛り込めないのを、相手(クライアント)に求めるのは実のところ本当に難しいことでした。

 関係ない話ですが、今日は別件がありこの勉強会に参加できるか微妙なラインでした。「休んでもいいかな」とも思ったのですが、休まなくってよかったです。そしてまったく内輪の話ですが、今日から先生への指導料が半年前払いになりました(今までは一回ごとでした)。なので今日までは「休んでもいいかな」という選択も平気だったのが、前払いしたことで次回から休むことがいよいよ出来なくなりました(笑)。というわけで次回もお楽しみに。
by katamich | 2005-07-05 23:36 | ■NLP・コーチング | Comments(0)