里親プログラムの開始! 2005.6.29

 水曜日は霊場、篠栗町での滝行です。最近、ちらほらとは雨が降りましたが、まだまだ水量が少なかったですね。今日は錫杖(しゃくじょう)という仏具を振りながら滝に入って読経しました。「左・右・上」の順に三角形を描きながらお経にあわせて振ります。「ワルツだね~」なんて楽しく考えていましたが、いざ、滝の中に入って振ってみると、そんな生易しいものではありません。私はかろうじて「むちゃくちゃ」にならずに振れたので、「石田君は音楽やってるだけあってさすがにリズム感があるね~」と言われました。そう言えば、この三拍子と言うのはとてもトランスに導かれやすい拍子ですよね。と考えると、だいぶ前にこんな文章を書いていたのを思い出しました。ジャズ界の不動明王ジョンコルトレーン(←私が勝手に言ってるだけです。ちなみにチャーリーパーカーは大日如来でマイルス・デイビスは観音菩薩。)が一時期、三拍子の曲ばっかりやってそのまま昇天してしまったのは、やはり、その拍子感も関係するんでしょうね。
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 そして滝の後は、みんなで朝食を取った後、仲間の車にのって大分県前津江村(日田市)に行きました。この話は「田舎パワー」というテーマで以前も書きましたね。実はこの話は小さな反響を呼んでいて、先日も知り合いから「あの話はどうなっているの?」と質問が来ました。都会で馴染めない子どもを田舎ののびのびとした環境で生活させて、本来の人間力を取り戻し育成するというテーマは、潜在的にも注目度の高いテーマなんでしょうね。今日はその仕掛けとして、2度目の訪問です。資料も作っていきました。

里親プログラムの開始! 2005.6.29_b0002156_11381283.jpg 昼過ぎに村に到着し、ちょっと休憩してから柚木小学校を訪問します。生徒数9名で職員数7名です。簡単な懇談会のつもりでいたのが、全職員が集まり、職員会議のようになってしまいました(笑)。

 とりあえず、自己紹介をしてから、早速資料に従って説明を始めます。この辺りは前の仕事でもしていたので慣れた仕事です。しかし、職員の反応は思っていた以上に手ごたえあるものでした。そもそも、「資料」が出てきた時点で「本格度」が増すので、校長先生はじめ職員の皆さんの顔色が変わったように感じられました。やはりこんなに素晴らしい学校の存続問題にも係わり、また村の活性化のためにも他人事では済まされないテーマであることは誰もが実感していることでしょう。

 資本主義の原理は「教育」に持ち込むべきでないと考えています。突然カタイ話になりましたが、つまりこういうことです。小学校が廃校になる一番の理由は生徒数の減少です。なぜ減少するのか。当然、住む子ども、住む親が居なくいなるからです。なぜか。働く場所がないからです。このことはつまり、経済活動(仕事)のみを軸にしていて学校の自然淘汰が始まることを意味します。その結果、「お金」の集まるところに人も集まり、子どもや学級、学校も増えていくのに対し、(田舎のような)「お金」の集まらないところは、人も減り、必然的に子どもも減り、結果として学校廃校に見舞われるのです。単純な話ですね。

 しかし、「学校」とは教育の場です。本来、周辺に「お金」があるとかないとかは関係ないことです。そんな「経済の原理」によって素晴らしい学校が廃校に追い込まれるのは、「教育の原理(目的)」から言って大きな矛盾があります。しかし、世の中の最も大きな原動力に「経済原理」があることは否定できません。そこで柚木小学校のような稀に見る素晴らしい学校を存続・発展させるためには、別の「力(原理)」が必要となってきます。その一つに、今回の「里親プログラム」があります。都会で疲れきった子どもたちの本来の能力や人間性を目覚めさせるステージとして柚木小学校があり、子どもが来れば学校も存続します。私はそんな使命を頂いたのだと感じています。なので定職につくことは出来ません(爆笑)。

 そのように昼は職員の懇談会でモチベーションを上げ、夜は受け入れに前向きな家庭との懇談会でした。不安があるとは言うものの、前向きな姿勢を頂きとりあえずスタートした感があります。余談ですが、私のしゃべりはどうも「商売人」のように受け取られる一方、風貌・雰囲気はやはり「お坊さん」のようなのです。お会いした家庭から言われましたが。私が望む私になりつつある気がします(笑)。

 夜はメインで里親を引き受ける「地域のバカ」の家に泊りました。「バカ」と言うのは我々がよく言う言葉で、もちろん悪い意味ではありません。地域を盛り上げるには「バカ」になって動くリーダーが必要と言うことで、通常、行政主導では絶対に失敗することを示唆します。湯布院にしても昭和の町豊後高田にしても、全国的に名が知られるほど発展する陰には、必ず少数の「バカ」がいるものです。そんな存在、力が地域活性化には絶対不可欠であり、逆に「バカ」がきちんと「バカ」になりきれば、地域活性化は必ず成功するのです。わざわざ前津江くんだりまで手弁当で行く私も「バカ」の一人に違いありませんが(笑)。

 さて、その家庭について写真とともに簡単に紹介しましょう(もちろん無承諾ですが全然OKです)。

 玄関です。家は標高500メートルの場所にあり、夏はとても涼しいです。塀に苔がびっしりついて波動の高さがうかがえます。う~ん、とても、す・ば・ら・し・い。
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 お風呂です。蒔きで焚く五右衛門式です。蒔きで焚くお風呂に入ったことがありますか。温かさが全然違うのですよ。ガスや電気など比べ物にならない保温力です。新陳代謝をよくし、健康や美容にも最高でしょうね。蒔きで焚くお風呂。う~ん、とても、す・ば・ら・し・い。(残念ながら(?)改築予定。でも蒔きは健在です。)
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 晩飯です。この家庭の食卓は徹底した自然、無添加にこだわり、本当の贅沢がここにあります。80になるおばあちゃんが昔ながらの方法で、食材から調味料から用意します。野菜や卵はもちろん自家製で、これも無農薬、無添加です。食べ物とはこういうものを言うのです。しかし、このカレーの山盛りなことと言ったら。体育大学横の安飯屋じゃあるまいし(笑)。出されたものは基本的に食べてしまう私の習性を超える量でした(その前にもラーメン、ビール、お菓子などを食べていましたので)。
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 家の前を流れる川です。「川の音がうるさくて眠れなかったらすいません」なんて言われましたが、「トラックの音よりは一万倍以上ましですよ」と言い返しました。都会の人間は「癒し」なんて言いながら、わざわざ「川のせせらぎ」のヒーリングミュージックのCDを流しながら寝ようとするのですよ。ここには自然の「川のせせらぎ」があるのです。これを「真の贅沢」と言います。
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 と、今回はこんな感じです。これから月に2回は通って、夏から秋にかけて山村合宿のようなモデルケースを作り、来年四月の本格受け入れを目指しています。その間、我々は希望者の確保や企画、コーディネート、そして地域や学校や教育委員会との折衝などの動きがあります。どうぞご注目下さい(笑)。

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Commented by だんな at 2005-07-01 18:00 x
初カキコ。
うちの実家は、薪のお風呂で、土蔵の蔵もあるし、家の裏が川です。
薪のお風呂は本当に体の芯から暖まりますよ。
アパートの風呂は便利だけど、暖まりません。
Commented by katamich at 2005-07-02 14:41
へえ、そうんなんや。だんなの実家も一度行かなあかんですね。
今はいろいろ便利な世の中だけど、なんか本物が少なくなっているような。
by katamich | 2005-06-29 23:45 | ■まちづくり | Comments(2)