「超人」として生きる 2014.11.13

 突然ですが、ただ今、福井県敦賀市にいます。地図を見ればおわかりの通り、今朝は琵琶湖の西部にいたのが、なぜか北上しています。明後日15日には名古屋に入らなければならないのに、間に合うのか。たぶん、大丈夫。しかし、なぜ。予定であれば、昨日の時点で琵琶湖東部に宿泊し、今日は米原市辺りのはず。そして悠々と名古屋に入ることになってたのに、なぜ遠のくのだ。わからない。とりあえずは今日を振り返ってみたい。10時過ぎにチェックアウトして、正面の海岸、じゃなくて砂浜を見に行きます。まるで海だよな、琵琶湖って。松原がまた美しい。
b0002156_29146.jpg

 しばらく走ると「白髭神社」に到着。「近江の厳島」とも呼ばれるらしい。なるほど。それにしてもいい天気だ。
b0002156_294335.jpg

 ずっとこんな景色が続き、朝も食べてないので、そろそろ腹が減ってきた。この旅では妙にカレーが食べたくなるのは、おそらく塩分を不足してるからだろう。家の近所にもある「丸亀製麺」でカレーうどん。名産にこだわりよりも、まずは空腹を満たすことが先だ。
b0002156_2101640.jpg

 そうこうしてると、前方の大きな虹が見える。写真ではハッキリ見えないかもしれないけど、これはこれは見事な虹だった。しかも、かなり近くにくっきりと。そう言えば、こんな話を思い出した。

「虹の根本には宝物が埋まっている」

 アイスランドでもそんな話してたなあ。毎日のように虹を見てたわけだし。いつもは遠くに見える虹だけど、もう300メートルも進めば根本に到達しそうだ。本当に宝物が埋まっているのか確かめるのは今だ。行ってみよう。
b0002156_2105195.jpg

 しかし、近づいても近づいても、根本に着かないばかりか徐々に薄くなりやがる。と思ったら、雨が降ってきた。この瞬間、敦賀に行くことを決めた。天気予報によると、17日くらいまでは晴れのはず。天気予報外れたかと思いきや、実は福井県は曇り時々雨になっていた。つまり、オレは今から雨に向かって突き進むのだ。しかもかなりの峠にさしかかる。ちょうど、峠の途中に「道の駅」があったので、おやつタイム。メロンパンとコーヒー。雨なのか晴れなのかわからない微妙な天気。でも寒い。
b0002156_211169.jpg

 峠も頂上まで着くと、そこは県境だった。ついに人生初の福井県に突入。行く予定のなかった福井県。そこからはずっと下り坂だけど、スピードが出ると怖い。そして寒い。だけど、思ったより早くに宿に到着。ホテルアルファーワン敦賀バイパスってホテルだけど、今回はアルファーワンにすごくお世話になっている。今まで知らなかったけど、そうか。アルファーワンはきっと地方に強いんだ。出張と言うと、東京や大阪がメインだから泊まる機会もあまりなかった。でもこれからは商工会議所全国制覇のシフトが組まれつつあるので、お世話になることも増えるだろう。メンバーカードも作ったし。
b0002156_212051.jpg

 さて、敦賀では何しよう。松原が有名らしいけど、寒くて雨降ってるのでさすがに行く気なし。フェイスブックで「敦賀ではカニを食べてください~」ってコメントもあったので、すっかりその気に。ホテルのフロントでカニのお店を聞くと、「??」って顔をされたので、ついでに土地のおススメを聞くと、「ヨーロッパ軒のソースカツ丼」だと言う。こんな遠くまで来てソースカツ丼かよ、、、と思ったものの、ネットで調べるとどうやら有名らしい。徒歩圏内にあったし、騙されたつもりで行ってみることに。

 せっかくなので、トンカツ、チキンカツ、メンチカツの三つを楽しめるミックス丼のセットに。さほど待つこともなく、すぐにやってきた。最初にメンチカツをガブ。な、なんだ。熱い。肉汁がヤバい。ソースの加減もちょうどいい。トンカツも最高に美味い。この旅、ベストスリーは間違いない。
b0002156_2113686.jpg

 このお店、本店は昭和14年からあるらしい。戦前じゃん。福井県、そして敦賀って場所は昔からロシアはじめ外国との交流がさかんで、陸海の要衝ともなっていた。戦中に迫害されたユダヤ人が「命のビザ」で上陸したのも敦賀だった。そのせいなのか、福井県は昔から洋食と馴染みが深く、ソースカツ丼発祥の地でもあるらしい。越前カニも食いたかったけど、今回はカツ丼で正解だった。それを知っただけでも、寄り道した甲斐がある。次回、また福井に来ることがあれば、是非また「ヨーロッパ軒」に行こう。

 ホテルに戻ってからは、まずは洗濯。全裸にホテルにガウンを来て、すべての汚れ物を洗濯。気持ちいい。高松以来だ。そしてこの旅で初めて本を読むことに。毎日、移動、移動で、夜は疲れてバタン。そうじゃなければ、誰かと会ったり、飲んだりして、落ち着いて本を読む時間もなかった。チョイスしたのは、原田まりるって人の「私の体を鞭打つ言葉」。原田さんは元アイドルで、今は哲学ナビゲーターなんて肩書きで活動している。オレも昔は「哲学青年」だった時期もあり、サンマークの敏腕編集者さんの作品でもあり、ようやく読むことができた。電子だけど。

「哲学者は「まじめ・かたい・難しい」というイメージを持たれている方も多いと思うが、実際は「破天荒な変人」ばかりである」

 そうそう、その通り。「変人」じゃなきゃ、哲学なんてやらない。予備校時代、「哲学なんてする人間にろくな奴はない」と言う講師がいて、まさにその当時、オレは哲学にハマっていたのだから、すでに「変人」の烙印を押されてしまった。受験勉強よりも、哲学の本を読む時間の方がはるかに長くて、それまでほとんど本を読んでこなったオレの突然の豹変ぶりに両親もビックリしていたね。

 キルケゴールの「死に至る病」の冒頭、、、「人間とは精神である。精神とは自己である。自己とは、一つの関係、その関係それ自身に関係する関係である(以下略)」みたいな文書を読み解くのに、まずここで連呼される「関係」なる言葉を知る必要があって、哲学事典で「関係」を調べると、本一冊分くらいの説明があって、その中の言葉(実在、実体、それ自体、時間、、、)をさらに調べて、どんどん袋小路に入るって生活を受験勉強そっちのけでしてました。そりゃ、二度も落ちるよ。

 大学に入ったら入ったで、自己を解体し、相対化する試みとして、「裸足で大学に行く」なることをしてたら、教務の人から「石田君、それだけはやめてくれる?」と言われたり、また、夜中に窓から忍び込んで、誰もいない教室で徹夜で哲学書を読む試みをして、見回りのオッサンと口論したりとか。ま、今考えると無駄に変人してたようだけど、ふと振り返ると、、、今もあまり変わってない!!!

 今日の4時頃にホテルにチェックインして、まずはヨメさんに「着いた」とメールすると、珍しくすぐに電話がかかってきて、「なんで、そんなところにおるん??無駄な動きはしないでください!!!」、だって。確かに15日までに名古屋に行くルートからすれば、北上するのは無駄かもしれない。しかも、雨の中。最終的に「ヨーロッパ軒」でメンチカツを食べたことくらいが来た成果。いや、それだけでも十分なんだけどね。

 では改めてもう一度、問う。なぜ、敦賀に来たのか。それは、、、「虹の根本の宝物を追っていたら、いつの間にか来ていた」から。もちろん福井県に入りたかった、などの理由もあったかもしれないけど、あの場所であのタイミングで「虹」を見ちゃうと、根本を堀りあげるしかないでしょ、普通は。だって、宝物が埋まってるかもしれないんですよ。

 じゃあ、結果としてどうか。メンチカツが美味かった。あったじゃん。やっぱり宝物、あったじゃん。え、そんな宝でいいの? じゃあ、どんな宝ならいいの? あのとき、虹を追わなかったらメンチカツ、食えなかったんだよ。超グレービーなメンチカツ。いやいや、メンチカツなんて福岡でもくえるじゃん。って言うか、たかがメンチカツでしょ。なんの意味があるの?

「意味なんかない!」

 そもそも、この世界やこの人生に「意味」なんてない。ただ、なんとなく繰り返されてるだけが、この世界の真実であり、ニーチェはそれを「永劫回帰」と呼んだ。生きる意味なんてそもそもない。ただ、いろんなことが起こって、繰り返されてるだけ。無限地獄のごとく。しかし、ニーチェは続けた。

「何の意味も持たない世界の中で、自身で価値や意味を見いだし、創造していくことが、生きるということである」(「鞭打つ言葉」より)

 それがニーチェの提唱する、有名な「超人」の思想。オレはなぜ名古屋に向かわず敦賀に来たのか。いや、そもそもなぜ自転車に乗っているのか。もし、そこに答えを付与するのであれば、「何の意味もない人生に『意味』を見いだすため」なのかもしれない。言い換えると「超人」を目指すため。

 では、ここでさらに「超人」に向かうこともできる。それは明日、予定通りに岐阜県羽鳥市まで南下せずに、福井市、さらに金沢市へと東に直進することだ。15日の名古屋トークライブ当日の18時。アウルズエージェンシーの方が「Qさんがまだ到着しない」と騒いで電話をかけてくる。今、金沢にいるんですよ~、すみませ~ん。その瞬間、きっと笑い出すだろう。アウルズはそんな人たちばかりだから。

「え~、すみません、今日しゃべるハズだったQさんは『超人』になりました~、代わりにボクがしゃべります(by下野社長)」

なんて流れでもいいじゃねえか。それはそれでメッセージ性があるでしょ。ただ、まてよ。それもまた「超人」かもしれなけいけど、オレの主体性、創造性は「人前で叫ぶ」ことで進化、完結する。となると、やっぱりしゃべるしかないですね。はい。たぶん、登場すると思いますので、以下、よろしくです。東京も。

■11月1日(土)~22日(土)/夢なに・チャリンコ de 5都市講演ツアー

 でもさあ、敦賀の話に戻るけど、きっとあのまま琵琶湖を時計周りに旋回してたら、こんなこと書いてないわけだし、それだけでもブログ的な「意味」を与えることができたじゃないですか。来なかったら、「鞭打つ言葉」を読む気にもならなかっただろうし。

 結局、なんでもあり、なんですよ。「鞭打つ言葉」より、ショーペンハウアーの言葉として、

「我々の人生の場景は粗いモザイクの絵に似ている。この絵を美しいと見るためには、それから遠く離れている必要があるので、間近にいてはそれは何の印象をも与えない」(「自殺について」より)

を引用していますが、「敦賀」なんてのもモザイクのワンピースにしか過ぎない。いや、自転車も、セミナーも、ブログも、メンチカツも、すべてそうだ。あらゆることが、モザイクのワンピースに過ぎず、振り返って遠くに離れたとき、初めてその「意味」が見えてくる、、、かもしれない。見えないかもしれない。だけど、どっちでもいい。なぜなら、

「起こったことはすべて正しい」

のだから。しかし、「いま、ここ」において「超人」でありたいとは思う。主体的、創造的に生きる。意味のない世の中に「意味」を見いだす。与える。それ自体、意味ないかもしれないけど、少なくともその「意思」は持っていたい。そんなとこで、明日はきちんと南下しようと思います。主体的に。ありがとうございました。





【11月13日(木)のログ】

10:24ー出発
11:07ー白髭神社~11:18
11:35ー丸亀製麺安曇川店(カレーうどん)~12:04
14:00ー道の駅マキノ追坂峠~14:31
15:59ー宿到着(ホテルアルファーワン敦賀バイパス)
18:01ー敦賀ヨーロッパ軒(ミックス丼セット)~18:36
18:55ー宿到着
★自転車走行距離:58.7km

・630円:カレーうどん、たまご、ご飯(丸亀製麺安曇川店)
・330円:パン、コーヒー
・5,100円:宿泊(ホテルアルファーワン敦賀バイパス))
・1,296円:ミックス丼セット(敦賀ヨーロッパ軒)
・312円:コーヒー、お菓子
・330円:洗濯
・130円:ジュース
★合計:8,128円
Commented by 影山秀樹 at 2014-11-14 07:53 x
Qさんおはようです。
アルケミストですか。昔読んだことあるなぁ。虹の根元が近くに見えればそこまで行ってみたくなりますよね。Qさんはロマンチストなんですね。それにしても少々遠回りですよ。今頃は名古屋を目指して爆走中でしょうか!
どうかお気をつけて!!
Commented by katamich at 2014-11-14 08:48
■影山秀樹さん!
本日は南下します!
Commented by 野田 孝 at 2014-11-14 09:48 x
まずはヨメさんに「着いた」とメールすると、珍しくすぐに電話がかかってきて、「なんで、そんなところにおるん??無駄な動きはしないでください!!!」、

に、爆笑しました!!

Qさん、存在自体が神がかってますね。一人で読んでいて、吹いてしまいましたよ。

またお会いできる日を楽しみにしています。
Commented by 鈴木智理 at 2014-11-14 09:54 x
はじめまして、札幌在住の鈴木です。
過去のブログを読みながら、楽しく読んでいます。
ようやく、雷に打たれたところまで読み終えました。
滝に打たれ雷にも打たれ、次は何に打たれるのだろうか興味津々です。
まるでQさんの伝記を読んでいるようです。
ブログでは話が脱線したりしていますが、自転車ツアーでも脱線して福井なんて素敵すぎます。
これからも宜しくお願いします。
Commented by ともゆき at 2014-11-14 13:33 x
今日も長文あふれてますね〜

こりゃもう超文ですな^_^
Commented by katamich at 2014-11-20 06:51
■野田 孝さん!
こちらこそ楽しみにしています!
Commented by katamich at 2014-11-20 06:52
■鈴木智理さん!
心打たれまくりでいきます!
Commented by katamich at 2014-11-20 06:52
■ともゆきさん!
ですね。
Commented by のりこ at 2014-11-23 00:03 x
私もヨーロッパ軒にいったことあります! 久しぶりに食べたくなりました!
Commented by katamich at 2014-11-26 11:31
■のりこさん!
ヨーロッパ軒、マジで最高!
by katamich | 2014-11-13 23:39 | ■チャリンコツアー | Comments(10)