身体と感情 2012.10.22

 朝起きると10日ぶりに会ったちびQはちょっとはにかんでいましたが、すぐに「どすこい!どすこい!」と言って張り手をしてきました。これがやりたかったそうな。ご飯を食べて遊んで9時には保育園。圧倒的な非日常から日常に戻って参りました。だけど今週土曜日にはすぐにまた東京。それはすぐに変えるのだけど、11月16日から26日までまた東京です。今度はずっと東京滞在で浅草のウィークリーに滞在します。なぜ浅草か。昔から「こち亀」が好きなので、浅草に妙に親近感がある。そして風情がある。スカイタワーがあって今熱い。何よりセミナー会場の両国から近く、さらに値段が安い。実質9日間の滞在なのですが、うち4日はビリーフチェンジのセミナー。2日は自分のセミナー。残り3日ありますが、ちょくちょく用事が入っており、なかなか充実のスケジュールです。と言っても、暇な時間もありますので、何かと交流の時間など持てればと思っています。

 さて、旅の余韻も覚めやまぬですが、とんだ土産物を持ち帰ってしまいました。ティオマン島の安宿は実はダニだらけでして、今になって痒さが増してきたのです。蚊だと刺されてすぐに痒くなり、翌日には引くのだけど、ダニは噛まれてすぐより、後になって痒くなるそうなんです。もちろん一週間もすれば引くそうですが、肌もぶつぶつになってきたし、午前中に皮膚科に行きました。私自身にかかりつけの医院があるわけじゃないので、近所の「内科・小児科・皮膚科・循環器科・・」って個人病院に朝一で行きました。患者さんは2~3名だったのですぐに呼ばれると思いきや、一時間以上待たされ、結局キャンセル。一時間無駄になったのですが、なぜこんなに待たされたのか。それは、この医院は半ばご老人の社交場のようになっていて、お医者さんとも顔馴染み。後から入ってきて、何の手続きもせずにそのまま治療室に入っていく人ばかりで、しかもお医者さんとの雑談が長引いて待たされる始末。待ってるとそのうち呼ばれるとは思うのですが、私は客層じゃないと思い別の皮膚科へ。そこは5分で通してくれました。皮膚の状態は思ったよりひどくて、二番目に強いステロイドを処方してもらいました。

 ステロイドと言うと、やたらめったら嫌う人がいますが、私も昔はそうでした。自然療法や代替医療に関心を持つ人は特にそう。だけど私の場合はダニってハッキリしてるので、自然療法で変に長引かせるよりも、さっと毒素をやっつけて、さっと治す方がいい。確かに今、副作用で微熱があり身体がだるい状態。だけど、確実に治ってるのはさすがです。とりあえずステロイドで治した後に、デトックスすればいいだけの話ですから、最初からステロイドを忌み嫌うのも変な話。特に素人は変な判断をしないことですね。大切なのはバランス。通常医療で治せるもは治して、だけど、疾病に心因性のものも多いので、そこは通常医療と適度に距離を取りながら代替医療等を試してみるのも手でしょう。

 そこで今回のビリーフチェンジセミナーでは、、、なんと「心身症」を治す、軽減させるための方法まで踏み入った内容となりました。A4用紙3枚に渡って、具体的な「症状」とその「対処法」が対照されているマニュアルです。ルイーズ・ヘイの「ライフヒーリング」もそうですが、病気の原因とその対処法に関するリストは世の中に割とよくあります。だけど私が今まで気になっていたのは、そのマニュアルは本当に再現性があるのか、そもそも試したのかってこと。そこでセミナーでも質問しました。このA4のマニュアルはそもそもどっから来たのか。するとさすがは元物理学者の元外資系金融マンだけに曖昧なことを許さない。すべて試して実証済みだとのこと。これは頼りになります。

 例えば「かゆみ、じんましん」、「アトピー」、「痛み」、「頭痛」などに対して、そのすべてが心因性とは言えないものの、心理的要因が関与しているケースも多く、その場合はビリーフチェンジの中の「感情処理」で大きく軽減することが多いようです。人の感情には大きく、「喜び」、「怒り」、「怖れ」、「悲しみ」の4つがあり、とりわけ「喜び」以外の3つは、その肯定的意図はあるものの、処理せず放置していると様々な弊害が生じることがあります。その弊害の一つに身体的な症状、つまり病気や痛み、繰り返す怪我などがあります。その心理的原因としては、特に「怒り」が強いようで、「怒り」を上手に出せない人の多くは、その矛先が外でなく内側に向いてしまう結果、自らを傷つけてしまうこともあるようです。そのような人に対しては、確かにステロイドなど薬だけで根本治療することは難しく、心理的側面からの適切な処理が望まれるところ。ただし、何度も言いますが、重要なのはバランスであって、心理療法だけとか、化学療法だけなど極端なのは相応しくない。もちろん単純にミックスすればいいってことではないと思いますが、順番から言えばまずは化学療法。それでも治らない場合などに心理療法を考える流れがいいと思います。

 例えば私は今、ダニにやられて手足がかゆい状態。肌を出してない部分とか、顔などベッドに触れてない部分はかゆくないので原因は完全に特定されています。そこでもし「かゆみの原因は怒りをためていることだ」なんて判断して、薬を塗らずに怒りの感情処理だけしてても絶対によくなることはないでしょう。しばしば代替医療家の中には、虫刺されとか、草木負けとか、ばい菌が入ったなど、完全に外因性のものに対しても、通常医療の薬を使わない人がいますが、それはかえって悪化させるだけ。私が聞いただけでもそんな例はたくさんあって、例えば火傷に対してホメオパシーのレメディを溶かした水だけで対処して、悪化してからアロパシー(通常医療)に手を出してしまった、、、などの話もあります。私自身、代替医療もホメオパシーもサプリメントも完全否定するわけじゃなく、一定以上の効果はあると思っています。もちろん心理療法も。ただ、怖いのは代替医療家の一部には通常医療を最初から敵視して、絶対に使わせないようにする人がいること。ホメオパシーの過激な信奉者などは、通常医療の薬を用いるだけで、マヤズムが立ち上がるなどと恐怖心をあおる人もいます。マヤズムってのは先天的に組み込まれた疾病の根源のようなもの、と理解しています。だけど、実際にそんな事実はなくて、私も今まで幾度となく薬に頼ってきましたが、マヤズムなんてものが立ち上がった形跡もなく、薬で完治することがほとんど。

 ま、その手の話はこの辺にして、薬もきちんと使った方がいいってこと。ステロイドだって、確かに成分的には毒薬なんでしょうが、適切に使えばこんなにすごい薬もない。事実、多くの人の命を救ってきた。その「適切に」を判断するのが医者の役目であって、医学的知識も経験もない素人が勝手に判断するのは極めて危険なことです。だけど、その上で言います。今まで何度も通院して薬も飲んできた。そのときは確かに軽減されるのだけど、どこか慢性的に特定の病気や症状に悩まされ続けている人の多くは、、、「感情」を出すのが苦手のように感じます。私の知人だけでも、そのような人は少なからずいて、その人のことをよく考えると、、、確かにそうだ。あまり大きな声では言えないし、ここで書くのはあくまで素人の戯言と思ってさっと流して欲しいことではありますが、例えば潰瘍性大腸炎。安倍自民党総裁も若い頃から悩まされているようですが、私のリアル知人にもこのキャリアの人が4人はいます。いました。うち一人は、原因は分かりませんが自らの命を絶ちました。一言にそう言っても、もちろん程度の差はあるでしょう。だけど、、、あくまで私の知る限りにおいて、その人たちの共通点として、、、とにかく「いい人」ってのがあげられます。すごく温和で怒らないし不満も言わない。もちろん本人の持って生まれた性格でそうならば何の問題もないこと。持って生まれなくとも、実際に不満がない人だっているでしょう。だけど、温和で怒らないなどの理由として、次のビリーフがある場合は注意が必要です。それは、

「喜んではいけない」
「怒ってはいけない」
「恐れてはいけない」
「泣いてはいけない」


というもの。これらをまとめて「感じてはいけない」というビリーフになるのですが、これらもまさに幼少期からの刷り込みによるもの。「喜んではいけない」に関しては、例えば親が貧乏や病気で苦しんでいる家庭で、自分だけ「喜び」を味わうと罪悪感が出てくるようになった。喜ぶと「調子に乗るな」と言われていたなど。「怒ってはいけない」に関しては、親が怒ってばかりいる人で怖かったため、「怒ることはよくないことだ」と思ってきた。または、「怒ると人に嫌われるわよ」などと怒ることを禁止されて育ってきたなど。「恐れてはいけない」に関しては、何かを怖がった姿を思いっきり笑われた。本当に怖いことがあって(虐待など)、恐怖心を抑え、何も感じなくすることがよかったなど。「泣いてはいけない」に関しては、これは「悲しんではいけない」と同義なんですが、「男は泣くな」と言われ続けたり、自分が悲しんで泣いていると親がもっと悲しむので、ゆえに悲しみを抑えることを選択するようになっていたなど。

 もちろん全部ではなく、ある特定の「感情」に限定される場合もあるのでしょうが、いずれにせよ人間にとって自然で不可欠な「感情」を出さないような刷り込み、ビリーフがあると、その矛先は自然と自分自身に向かってしまうのです。もし、そのような自覚があるならば、まずは「感情を出すことを受け入れる」ことから始める。「感情」を出すことは決して悪いことじゃない、人間にとって自然なこと。嬉しいときは喜び、腹が立つときは怒り、怖いときは怖がり、悲しいときは泣く。つまり「自然であること」が大切なのです。ただ、今までずっと「感情」を出さずにいて、今さら出せないって人もいるでしょう。そのときは徐々にでも練習するしかない。徐々に。

身体と感情 2012.10.22_b0002156_1345542.jpg それからもう一つ言うと、「怒り」の抑圧が不健康の原因だとすれば、では、いつも怒ってばかりいる人は健康なのか。もちろんそうじゃない。例えば故・横山やすし。彼は四六時中怒ってばかりいたと言われますが、最後はお酒が原因だとは言え、肝臓や身体がボロボロになって死んでいった。お酒に走るのもまた、何らかの原因があるのでしょうが、彼は決して「怒り」を抑えていたのではなく、いわゆる「代理感情」と呼ばれるのですが、「悲しみ」や「怖れ」をずっと抑えて生きてきた。彼にはおそらく孤独だったのでしょう。しばしば、弟子や後輩芸人を自宅に呼んでは鍋を囲んでいたそうですが、誰かが腕時計を見ただけで烈火のごとく怒りだす。そんなに時間が気になるんやったら帰れ!と怒鳴ったりして。だけど、本当に帰ろうとしたら、さらに怒りに火を注ぐ。やっさんは単に一人になるのが悲しかった、怖かっただけなのです。相方のきよしは選挙に出るは、周囲だってチヤホヤはするものの本当に自分をわかってくれたりはしない。本当は悲しくて、そして怖くてたまらなかった。それを「怒り」でごまかし、周囲に発散してきた。だけど、根本の感情がいつまでたっても処理できてないので、お酒の量も増え、身体はどんどんボロボロになっていく。さらにやっさんは刺激物が好き。ビールは常に「ちんちんに冷やす」よう指示し、凍る寸前まで冷えてなかったらまた発狂。おそらくそれも「感情」を刺激物でごまかしていた現れなんでしょう。もし生前、本当に真剣にやっさんの話を聞いてくれる人が一人でもいたら事態は違っていたかもしれない。「やすしさん、、、本当に悲しい思いをされてきたんですね・・・」と共感してあげると、そこでやっさんの本当の感情が表出し、処理され、健康状態を含む状況は好転していたかもしれません。

 つまり重要なのは「感情」ではなく「本物の感情」。自分がいかにその感情に気が付き、それと向き合い、そして受け入れ、さらに表出する。そのことに気が付いている人と、そうでない人とは、生き方がやっぱり違ってくるでしょう。この「感じてはいけない」というビリーフは、もしそのことに気が付いて、そして上手に処理することができたら、人生はその日から劇的に変わっていくものだと思います。ダニの話からやたら深くなってしまいましたが、この手の話はまだまだ続くし、書きたいことが山ほどあります。てなわけで、今日はこの辺で。ありがとうございました。

今日の話に共感して頂ける方はクリックをお願いします!
↓ ↓
人気blogランキング
Commented by ねこちぐら at 2012-10-24 18:20 x
ダニの話しから、本日も深いお話、本当に有難うございました。
Commented by katamich at 2012-10-24 20:47
◾ねこちぐらさん!
はい!
by katamich | 2012-10-22 23:39 | ■人生哲学 | Comments(2)