二つの写経 2012.8.5

 本日、オフィスにエアコンが設置されました。オフィスと言っても自宅の一室ですが。今住んでいるマンションは7階建ての4階で自室は通路側なので、そこまで日差しはきつくないのですが、それでも連日、うだるように暑い。そろそろ生活環境が一変することもあり、この機会に買ったわけです。今まで買わなかったのはクーラー代と電気代をケチっていたから。一家に二台も必要ないと思っていたから。だけど、そんなことにこそお金を使わないとですね。投資です。これで執筆をはじめ仕事も進むことでしょう。

 そんなわけで快適です。暑い日や寒い日は自室に入ることでストレス担ってましたもんね。写経だってする気が起こらなくなったり、Q州ツアー後は一週間ほどさぼってしまいました。今、70日なので残り一ヶ月とちょいですね。般若心経の写経は5月からスタートしたのですが、108日間で人生がどう変わるか楽しみにしていたのですが、正直、予想以上です。ブログもそうですが、毎日何かを「書く」ことがいい効果をもたらしているようです。特に写経をしているときは、普段よりも「無」に近い状態になっっている。一種の瞑想状態でしょうか。

 人間は何もしてないより、何かに没頭しているの方が「無」に近いようです。「瞑想」そのものは確かにおススメではありますが、慣れないとなかなか難しい。最初の方はあれこれ雑念ばかりでかえって逆効果なことも。だけど一度でもカチッと入ってしまうと今までおろそかにしてきたことがもったいなくなる。ただ、劇的な経験ばかりを追求する人が多くて、それだとなかなかいい状態にはならないでしょうね。それならば、私は「写経」をおススメしたいですね。ディール・カーネギーの「道は開ける」の中に事故で家族を失ってショックで動けなくなってる男性の話が出てきます。ある日、残された幼い長男が模型の船を造ってくれとせがみます。そんな気分ではないものの、求めに応じて仕方なく作り始めると、事故後、初めて事故のことを忘れている瞬間を体験することができたといいます。それがきっかけに、とにかく何かすることにシフトして、仕事に復帰し成果をおさめました。

二つの写経 2012.8.5_b0002156_1244345.jpg それと同じように、今、悩みがあろうがなかろうが、生活に新たなリズムをもたらす上で「写経」はすごくおススメです。慣れると30分ほどで一巻写せますが、その間だけは妙に集中してますもんね。それからおススメとしてはもう一つ。それも「写経」なんですが、今度は本の写経です。中でも超おススメがこれまたディール・カーネギーの「人を動かす」です。7月のQ州ツアーでは、なぜか熱く語る時間がありまして、参加者の皆さんはさっそく購入に走ったようです。もちろん元々持っている方もいらっしゃいましたが、その方は再読すると。ヒューマン・スキルの分野では正直、これだけでいいと思っています。Q州ツアーの参加者の皆さんが、ツアーをきっかけに本当に「人を動かす」を身に付けてしまえば、間違いなく参加費の100倍の利益は得られるでしょうね。そのためには何度も読むことが重要ですが、私は8月に入ってから「写経」をするようにしています。

 ただ写すと言っても、何も考えずに写すのではなく、自分で大切だと思ったところのみをそのまま丸写ししています。たとえばパート1の「2 重要感を持たせる」についてはこんな感じで。



みずから動きたくなる気持ちを起こさせることーこれが、秘訣だ。

人を動かすには、相手のほしがっているものを与えるのが、唯一の方法である。

「人間の持つ性情のうちでもっとも強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」(ウイリアム・ジェームス)

自己の重要感に対する欲求は、人間を動物から区別している人間の特性である。

自己の重要感を満足させる方法によって、その人間の性格が決まるのである。

他人の同情と注意をひいて自己の重要感を満足させるために、病気をする人も、ときにはある。

専門家の話によると、現実の世界では自己の重要感を満たせないので、狂気の世界でその満足を得ようとして、実際に精神に異常をきたす人もあるということだ。

彼女の夢を託した船はことごとく、現実という暗礁に乗りあげて、こなごなに打ちくだかれてしまったが、今や、彼女は、狂気という輝かしい空想の世界にあり、彼女の夢をのせた船は順風をうけて、つぎつぎと港に安着しているのだ。

自己の重要感を渇望するあまりに、狂気の世界にまではいって、それを満たそうというものも、世のなかにはいるのだ。だとすると、われわれが正気の世界でこの望みを満たしてやることにすれば、どんな奇跡でも起こすことができるはずではないか。

「わたしには、人の熱意を呼びおこす能力がある。これが、わたしにとっては何ものにもかえがたい宝だと思う。他人の長所を伸ばすには、ほめること、励ますことが何よりの方法だ。上役から叱られることほど、向上心を害するものはない。わたしは決して人を非難しない。人を働かせるには奨励が必要だと信じている。だから、人をほめることは大好きだが、けなすことは大嫌いだ。気に入ったことがあれば、心から賛成し、惜しみなく讃辞を与える」(チャールズ・シュワップ)

「わたしにもっとも必要な栄養素は、自己評価を高めてくれることばだ」

お世辞と感嘆のことばと、どうちがうか? 答えは、簡単である。後者は真実であり、前者は真実でない。後者は心から出るが、前者は口から出る。後者は没我的で、前者は利己的である。後者はだれからも喜ばれ、前者はだれからも嫌われる。

お世辞の定義について、次のように述べた本を読んだことがある。
「相手の自己評価にぴったり合うことをいってるやること」。
これは心得ておいてよいことばだ。

深い思いやりから出る感謝のことばをふりまきながら日々をすごすーこれが、友をつくり、人を動かす秘訣である。

「どんな人間でも、何かの点で、わたしよりもすぐれているーわたしの学ぶべきものを持っているという点で」(エマーソン)



 この本は4つのパートに分かれて入るのですが、小項目を合わせるとちょうど30あります。と言うことは、一日一項目でちょうど一ヶ月。8月1日から始めましたので、9月には丸々一冊分の重要箇所を写経したことになります。実はこの本、読んで写経しているだけで、どんどん心が洗われるようなんです。何かと耳の痛い話もあるのですが、それでも素直に受け入れること。すると「人格」が向上していく気がするのです。

 私がこの本を本気で再読しようと思ったのが、こないだの「九州ベンチャー大学」の懇親会でのこと。栢野さんがやけに熱く語っていて、その時点で再読する気満々になってたのですが、その日、そしてその2~3日後、人と衝突することがありましてね。それもその懇親会の席でのことがきっかけ。最終的にはきちんと対話して丸く収まったのですが、そんな状況のただ中で「人を動かす」を読むと、、、ほんと、泣きたくなりました。だって私のことでしたから。この通りに人生を生きていると、無駄な衝突を避けられるばかりでなく、よりよい人間関係を築き、もっともっと人生が楽しくなるのに。そう痛感したのです。

 そんなわけで今、二つの写経をしています。一つは「般若心経」、もう一つは「人を動かす」です。まだまだ人格的に最悪なとこばかり目立つ私ですが、そうやって心を洗ってよりより人生を築きたいものです。
 
 ところで話変わりますが、今、フェイスブックが面白いです。それも「高校の同級生のグループ」が最高。先日、地元で有名な花火大会がありまして、それは母校の学校行事とも関係してるため、同級生が集まりやすいイベントになってるんですよね。私は行きませんでしたが、それをきっかけに同級生が30名ほど集まったようなんです。その様子がフェイスブックのグループにアップされていて、そこでもまた盛り上がる始末。私もいろいろ書き込んでいたら、数名の同級生と話が盛り上がってしまい、コメントが200以上にまで伸びてしまいました。話題の中心は「小学校時代の思い出」なんですが、うちは小中高一貫で進んだ人も多いのです。

 その話題の中で、ある一人の女子が卒業時にメッセージカードを集めていたそうなんです。覚えてないのですが、私にも回ってきました。他の女子のメッセージとしては「中学なってもよろしく」的なほほえましい文言が並んでいたのですが、対して私がその女子にあてたメッセージがこれ。小6時の自筆です。
二つの写経 2012.8.5_b0002156_12362189.jpg

 おい!こんだけかよ!とつっこみを食らったのですが、実は素晴らしい。私が表現したのは「空(くう)」の境地ですね。昨日の日記で、私には「文殊菩薩」が付いているって話をしましたが、文殊菩薩が活躍する有名な話に「維摩経」があります。私もこの話は大好き。釈迦の在家の弟子の一人である維摩居士はとにかく弁舌巧み。出家した弟子たちを次々と言い負かすので怖れで誰も近づかなくなったところ、文殊菩薩が最後に買って出たのです。問題は「空」について。次々と論戦が繰り広げられたのですが、最後、維摩居士は黙ってしまいました。

 その「沈黙」に文殊菩薩は驚きを示し、それこそがまさに「空」であると降参したのです。「維摩の一黙、雷の如し」と言われ、維摩居士に軍配が上がったように見えます。しかし、言うまでもなく本当の勝者は文殊菩薩でしょう。そもそもこの議論の発端は病床に伏した維摩居士を見舞うことがきっかけ。維摩居士を言い負かす必要などないし、それはそもそも主旨じゃないのです。文殊菩薩は最後に維摩居士の顔を立て、すべてを丸く収めることができた。これぞまさに「文殊の智恵」です。そしてこの知恵は、、、なんと「人を動かす」にもきちんと書かれています。もちろん「維摩経」のエピソードが援用されているわけじゃないですが、2,000年前の仏典にすでに書かれてるんですよね。つまり相手を立てることの重要さ(「維摩経」のテーマはここではないですが、そのように読むこともできます)。

 昨日の記事にも書いた通り「文殊様の智恵とは実際の事件にぶつかっての正しい判断巧妙な処理方法の案出といった意味合いである。簡単に言うと文殊様の智恵は参謀・商人の智恵とモノの本には書かれています」ということ。つまりこのまんま。ディール・カーネギーの智恵もまさに「文殊の智恵」であり、「人を動かす」はその智恵が惜しみなく紹介されている、ある種の「仏典」とも言えるでしょう。なので「般若心経」を写経するのも「人を動かす」を写経するのも、結局は同じ性質のことなのかもしれません。「般若心経」も「維摩経」も同じ大乗仏教の経典ですしね。そして小学6年生の頃の私ですが、、、これはまさしく維摩居士であり文殊菩薩の境地を示しているじゃないですか!

 今の私ならうるさいほどたくさん書くのでしょうが、当時はそうはせず「沈黙」によって「空」を見事に表現したいたのです。すげえ、オレ。てなわけで、なんとなくいろんな話がまとまったようなのでこの辺にしておきます。それにしてもオレの字、、、今と基本的に変わらんやんけ。まさにオレの字やもんね。昔のオレに会ったような気持ち。ちょっと感動ですわ。しかも「空」ですから。いろんな気づきのある毎日を過ごさせて頂いています。ありがとうございました。

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Commented by yoko at 2012-08-06 21:54 x
Qさん昔は喜志住まいだったんですね。
今通っている大学が喜志にあるので、なんだか親近感を覚えました。

最近自己啓発系にはめっきり興味が薄れてしまったのですが
Qさんのブログを見ていたらちょっとメラメラっとなりました。
というかメラメラしたときに読みたくなりますね!
Commented by さてぃ at 2012-08-07 01:07 x
 ああ、なるほど。栄ちゃんと同じB型ですか…
Commented by 街の雀 at 2012-08-07 08:07 x
>「空(くう)」の境地ですね

苫米地さん風に解釈するとステージの抽象度が上がり
もっとも情報量が少ないということでしょうか?
彼の考える空というモデルは論理としては
理解できるのですが・・・・・・
空に関して解釈もその他いろいろあって
ほんと難しい。
Commented by katamich at 2012-08-07 16:54
■yokoさん!
芸大ですか?
自己啓発系は役に立つのは立ちますよね。
Commented by katamich at 2012-08-07 16:54
■さてぃさん!
栄ちゃんって矢沢永ちゃん?
Commented by katamich at 2012-08-07 16:55
■街の雀さん!
まあ、今回の記事の「空」はネタなんで、なんとも・・・
by katamich | 2012-08-05 23:39 | ■人生哲学 | Comments(6)