「電通」の話 2012.3.13

 今朝は病院へ。ちびQじゃなくて、自分のちょっとしたことで。花粉のことじゃないですが。それにしてもまあ、沖縄がめちゃくちゃ楽しみです。だけど気分はちょっとうつろ。インドの時ほどじゃないけど、楽しみの前って行きたくない病に近いブルーな気分になるんですよね。それはある種の変化に対する抵抗なのか、終わることへの寂しさなのか。それとも、花粉で目がかゆくて口をあけっぱなしでぼーっとしてるからか。多分それだ。沖縄は花粉がないので、それだけでも楽しみ。今は何となく外にも行きたくない気分ですしね。

 ところで「電通」って本を読みました。苫米地英人さんの。話題になってたので。苫米地さんと言うと、オセロ中島の脱洗脳を依頼されたとか何とかで、そこでもちょっと話題になってましたよね。いわゆる洗脳(脱洗脳)のプロ。占い師に言われるがままに太って精神崩壊した中島を気の毒に思いながらも、ちょっとバカにした風潮も無きにしも非ずですが、洗脳なんてものは、プロにかかったら素人はコロリです。特に自分は洗脳されないと言い張る人に限ってヤバいでしょう。先日滝の仲間の年配の女性が、その人の知り合いが誰かに洗脳されてるなんて話をしていました。めちゃくちゃバカにした口調でしたが、次に出てきた言葉にビックリ。不動明王に出会ったと言うのです。洗脳されてる知人も神にあったと言ってたそうで、それは頭ごなしにバカにするのに、自分が不動明王に出会ったのは事実なんだとか。一番洗脳されやすいタイプだと思いながら話を聞いていました。

 それはそうと「電通」です。日本の広告代理店の最大手であり、メディア(テレビ局)とスポンサー(企業)の間の文字通り代理店ですが、巨大グループとして日本社会の隅々まで浸透しています。CMを制作しているのも、電通など広告代理店。苫米地氏の話によると、日本人はテレビなどメディアにとって洗脳(集団催眠)されており、その黒幕に電通があると言います。が、何を今さらって話で、メディアが中立でないことくらいマクルーハンだったり竹村健一だったりがとっくの昔から言ってたこと。中でもテレビはかなり強烈な洗脳手段であり、スポンサーはそれを知ってるからこそ、そこに多額の資金を投入するわけです。詳しい相場はわかりませんが、例えば木村拓哉をCMに起用する場合、数億のお金が流れるでしょう。それはつまり、それだけ価値があるから。例えばシャンプー一つ売るだけで、数億を投入する価値があることを企業が知ってるからこそ。

 ようは、メディアの主張ってのはすべて何らかの「洗脳」が施されてあって、それがメディアである以上、中立性はまったくありません。インターネットに通じている人の中には、木村拓哉がシャンプーのCMに出てたからと言って、本当にキムタクがそれを使ってると思ってる人はいないでしょうし、ましてやそれが絶対に良質なものとは限らない。だけど、同じ買うならキムタクがCMしてたシャンプーになるのもまた事実。よほどキムタクのことが嫌いでない限り、人は「見たことある人」からものを買うわけで、その辺のことがかなり詳しく書かれてるのがロバート・チャルディーニの「影響力の武器」って本。今、早速注文しようとした人は、私に洗脳されています。

 ま、それはジョークにせよ、すべて、、、とは言わないまでも、少なくとも「テレビ」からの発信はすべてが「洗脳」であるとまずは見ていい。3.11から一年が経ち、その前後に震災関係の番組がひっきりなしでしたが、確かに震災を風化させてはならないとのメッセージがあるにせよ、それとは別の意図があることもまた事実。一番わかりやすいのが、資金の徴収。番組の中には非常に細かに人々の財布からお金を吸い上げる仕組みがなされています。寄付もその一つ。もちろん寄付がダメってことじゃなく、それさえもメディアによって意図されたこと。具体的な商品を買わせる仕組みもたくさんありますしね。とにかく3.11前後はイヤでも国民は震災関連に興味を持つわけで、だからこそテレビ東京系列以外の民放がこぞって同じような震災特番を組みわけです。本来ならNHKだけで十分なのに、何かの「仕掛け」をするのに震災特番はオイシイ素材であるから。言葉は不謹慎ですがそれが事実。ちなみにうちのツレが反射的に震災特番を録画して行くのを見て、それでちょっと言い合いになったことがありました。「そんなにたくさん見ないでいいやん」と言うと、「日本人として見ておくべき」と主張するのです。「だったら3.10は何が起ったか知ってる?東京大空襲やで」と言うと、「また、バカにして!」とキレられたのですが、ツレの言葉からもわかる通り、今の時期の震災特番はそれだけで視聴率が取れる素材なのです。

 そう言えば最近、ちょっと興味深い事件がありました。詳細は省きますが、AKB48 のリーダー格のメンバーの家族が起こしたちょっとした不祥事について。後藤真希の弟の不祥事については、もうフルボッコ状態であらゆるメディアが取り上げたのに、AKB48メンバーの家族の不祥事については、「週刊文春」がすっぱ抜いただけで、それ以外は黙殺。メディア関係者のツイッターによると、厳戒令が敷かれたとのこと。今もそのメンバーは普通にテレビに出てますし、そんなことなかったことにさえなっている。と言うことは、今、メディア上で最も力を持つ人は秋元康ってことになるのでしょうか。だけど秋元とて絶対的な権力者ではありません。かつては小室だったり、つんくだったり、島田紳助だったりしたことがあるように、秋元をさえも操っている本当の黒幕がいることは間違いないです。しかもそれは電通ですらない。これ以上はちょっと書けませんが。

 もう一つ「洗脳」の目安として典型なのが、キャッチフレーズです。キャッチフレーズ、つまり「名詞」ですが、「名詞」にはかなり強い洗脳効果があることは、エリクソン催眠を知らずともご理解頂けると思います。今、なぜあんなグズグズな政権が与党なんでしょうか。そうなる時、世の中で一番聞かれた言葉はなんだったか。そう、「政権交代」ですよね。じゃあ、そもそも「政権交代」って何がどうなのかきちんと説明できる国民は何割くらいいたでしょうか。蓋を開けてみると、どこが交代したんだってあきれる状態。むしろ前の方がよかったとも言える。その前は何だったか。「郵政民営化」ですよね。じゃあ、「郵政民営化」についてどの程度の国民がきちんと説明できるのか。ほとんどいないんじゃないかな。だけど実際にはほとんど説明できない層、苫米地さんの「電通」では「B層」と括られていますが、そこが最大の支持層になることも事実。「政権交代」なり「郵政民営化」なり、よくわからないけどテレビでよく聞くし、何となくよさそうだから票を入れておけ。でもこれは巧みに「入れさせられてる」だけで、洗脳の罠にハマっただけのこと。と言いながらも、私も民主党に入れましたけどね。

 そしていよいよ来年がまた選挙の年になりますが、今度ももう決まったようなもの。そう、「維新八策」の橋下政権です。実際は橋下以外の人が党首になるでしょうが、単独与党にはならずとも、国政に対してかなり影響力のある立場に立つことは間違いない。「みんなの党」や、民主、自民の離反組(そこには小沢一郎も含む)との連立内閣を結成する可能性も高い。国政一つにしても、する前から決まってるんですよね。つまり世の中が動く時には、必ず何らかの印象的なキャッチフレーズ(名詞)が登場します。言うならば、キャッチフレーズの印象度によって世論は決まってしまうようなもの。しかし、そのキャッチフレーズは自然にできたものではなく、「誰か」が人為的に作ったもの。その「誰か」がまさに「電通」を代表とする黒幕一味なのです。

 ほんと、恐ろしい話なんですが、広告代理店って何を含んでるかわかりませんよ。少なくとも、電、報、ア、大、東など大手には決して口外されない「虎の巻」ってのがあって、その通りにやれば大衆操作など簡単なこと。言っていいかわかりませんが、出版社にもそれがあります。もちろん「虎の巻」のような明文化されたものとは限りませんが、本を売るにはそのためのセオリーがあることを、優秀な編集者はよく知っています。例えばS出版のT氏、D社のI氏、F出版のN氏など、なぜにベストセラーは同じ編集者から生まれるのか。そう、村上春樹級は別として、例えばビジネス書・一般書のベストセラーなんてのは、著者ではなくほとんど「編集者」から生まれています。著者は単なる素材。料理して売れるようにするのが編集者。同じ素材でも料理人によってまったく別物になるように、優秀な編集者は売れるための料理法を知っているのです。ただし、同じ料理するなら素材がいいにこしたことない。それだけ素材の目利きもできるので、結果として、いい編集者にはいい著者しかいないことになるんです。

 ともかく、本のタイトルや装丁もそうですが、世の中を動かすキャッチフレーズについても、その仕掛け人がいて、きちんとしたセオリーの通りにやって、そして人々を「洗脳」しているのです。確実に洗脳できる。つまり確実に売りたいものが売れるわけですから、電通などに資金が集中するのは至極当たり前ですよね。

 うわ、今日はオレ、何を書いているんでしょうか。もう少し続けます。実は苫米地氏の「電通」にもきちんとは書かれてないのですが、今はいわゆる巨大メディアとは別の形で影響力のあるメディアが登場しています。言うまでもなくインターネットですよね。確かに「テレビは洗脳」であり、苫米地氏が声を上げるまでもなく、ある程度の人は知っていること。そしてそれらの層は確実にインターネットに通じています。テレビや新聞よりも、ブログやSNS、2ちゃんねんの情報を信用します。そしてさも、自分たちはテレビの洗脳を受けた愚民なんかじゃなく、自分で情報を判断し自分で考えれる賢者なんだと思おうとします。そしてその層が買う本がまさに苫米地英人「電通」です。

 何を言わんとしているか。苫米地氏は確かに脱洗脳のプロでありながら、洗脳のプロでもあります。「電通」を出版することで人々を脱洗脳したいとのメッセージを発しながら、その実、「脱洗脳」と言う名の「洗脳」をしているのです。テレビに簡単に洗脳されるいわゆる愚民つまりB層がいたとしたら、「洗脳されたくない・されない」と思い込んでいる新たな愚民つまり新B層がここに誕生しており、「電通」はその層に向けたスティルマーケティングなのです。

 具体的に言うと、「ネットワーク」に自分の身を置こうとする人たち。それは今なら「ソーシャルネットワーク」なんでしょうが、ちょっと前そして今も「ネットワークビジネス」の人たちがまんまと「新B層」にカテゴライズされています。「ネットワークビジネス(NB)」から説明すると、私も何度も説明を受けたことがあります、彼ら彼女らが敵視する対象は実は「電通」です。NBの商品は一般の商品よりも割高ではありますが、その差額つまり利益は自分たち消費者に還元されると思い込んでいます。それに対して一般の商品には多額の広告費が含まれているので、利益のほとんどが電通等に流れると説明される。つまりNBの言い分としては、「電通にお金をあげますか、それとも消費者である自分たちに還元しますか?」の二者択一論が敷かれるのです。そこで「反電通」なる分子として新たな被洗脳層が誕生するのです。

 ついでに言うと、NBの人たちが電通以外に敵視するのが「現代医学」です。それはNBだけでなく、ホメオパシーなど非科学的な代替医療全般がそう。彼ら・彼女らは「現代医学=洗脳」という図式はまず敷いた上で、電通が不当で不要なお金を吸い上げているように、医師会と製薬会社がグルになって患者から不当で不要な搾取をしているのだと主張する。副作用ばかりあって本当は治らない現代医学。それに対して副作用はほとんどゼロであり、あらゆる疾病を根本から治す私たちの「医療」こそが本物であるのに、それが受け入れられないのは、まさにメディアによる集団催眠(洗脳)によるものだと。つまりNBの人たちは、「反電通・反現代医学」を錦の御旗として、数多くの愚民を獲得し、新たな洗脳を施しているわけです。そして世界的なNB会社の多くがユタ州ソルトレイクシティであることもきわめて示唆的。理由はあえて言いませんがお分かりだと思います。

 もう一度言いますが、確かに「電通」はテレビによって大衆を洗脳している。それは事実です。しかし一方で、「電通から洗脳されていることを知識として知っている層」をターゲットとした、新たな洗脳が存在するのもまた事実です。その一つがNBに入れ上げる人たち。そして今ならもう一つ、「ソーシャルネットワーク(SNS)」がそうです。苫米地氏の「電通」にも書いていましたが、ツイッターなんてのはテレビに変わる新たな洗脳メディアであって、有名人のツイートはほとんどが仕組まれたもの。以前、2ちゃんねるの元管理人であるひろゆきが、ネット放送の生中継にてポロッとこぼした話があります。「堀江さん、ツイッターでつぶやくとスポンサーからお金もらえるんですよね」と。ひろゆきも「しまった・・」なる表情を見せたのですが、対するホリエモンの額から大粒の脂汗が出てきた話はよく知られています。アフィリエイトの場合は素人がどっかにURLを貼って、そこから誰かが購入すれば手数料がもらえますが、ツイッターから報酬を得られるのは有名人だけ。つまり、ホリエモンが何気なく特定の商品の話題をすれば、そのメーカーからいくらかの報酬が支払われるのです。アメブロもそう。ブログじゃなくてアメブロね。アメブロの特徴はとにかく有名人を配置していること。そしてその有名人たちが、時々、特定の商品のことを話題にすることがあります。一年前までなら、ほとんど同じ文面で複数の有名人が取り上げることもあり。だけど今は、スティルマーケティング(ステマ)として追及されるので簡単にはいかなくなりましたが、敵はもっとかしこいです。ステマとわからないステマをいろいろしてますからね。そして私たち愚民はほとんど無意識のうちにハメられているわけです。

 ツイッターもそうだし、アメブロも、フェイスブックも、それは単に「反テレビ」だから洗脳されてないわけじゃなく、「反テレビ」というカテゴリーで新たな洗脳をされてるに過ぎないのです。典型的なのが「炎上」と「拡散」です。つい最近、3.11で死ぬ間際に父親に送ったメールを取り上げたある女性僧侶のデマが話題になりましたが、その拡散力はすさまじかったです。今の段階では本当にデマかは判明していませんが、そんな話は山ほどあって、3.11にかこつけたお涙ちょうだいの話題も多い。そしてその手の話は、人々の心情を強烈にえぐるのですぐに拡散してしまいます。結果としてその僧侶の本は売れたでしょうが、同じようなことが「意図的」にされてないとも限りません。そして私たちは買わされるのです。

 それにしてもフェイスブックの洗脳力もまたすさまじい。それは「いいね」のワンクリックで簡単に拡散してしまうから。人々にとっての判断基準は「正しいかどうか」ではなく「印象がいいかどうか」であり「よく見るかどうか」です。よく見るものについてはザイアンス効果で印象までいいと思い込んでしまう。そこで見る回数を増やすツールとして「いいね」があり、その数が多ければ多いほど、人はそれを「正しい」かのように判断してしまうもの。ほとんど無意識に。そこで考えて欲しいのが、その「いいね」ですが、私はなぜそこでクリックしてしまったのか。ポチっとする前にもう一度考えて欲しい。友達だから。それはいいですね。食べ物が美味しそうだったから。それもいいですね。

 だけどもしそこにプロがまぎれてたらどうでしょう。人はどうすれば「いいね」を押すのかを熟知しているプロがいたら。簡単に情報操作されてしまいます。今開いているページは私のブログでしょうが、そこだけでもたくさんクリックするところがあります。本や他のブログの紹介。そしてランキング。自分で言うのもなんですが、私はクリックさせるのが上手じゃないと思っています。だけど、中にはものすごく上手なブログがあります。どれとは言いませんが、なるほど見事です。だけど、そのブログが正しいかどうかは別の話。意図的かどうかもわかりませんが、人は仕掛けにハマるとクリックしてしまうのです。

 ま、そんな話をあまりし過ぎるとどんどん嫌われそうなので、この辺にしておきますが、世の中ってのはかなりの「手」が入っていることは知ってていいと思います。だからと言って、あまり警戒し過ぎるのもまた新たなカモになってしまうので、自分も洗脳されてるんだって自覚を持ちながら、ある程度気軽に生きてるのがいいと思います。この手の話はまだまだあるし、実名を出すとまずい話もかなりあるのでこの辺にしておきたいと思います。見事に苫米地氏の「電通」を宣伝させられてしまいました。ありがとうございました。

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by katamich | 2012-03-13 23:39 | ■時事問題 | Comments(0)