宇宙となかよし

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ONLY・ONEのまちづくり 2004.12.3

 今日、企画書を提出してきました。福岡都市圏の某町の総合計画(町の10年間の最上位計画)です。今回も割合自由に楽しく書かせてもらいました。これまで総合計画の企画書は何本も書き、採用されたものもあれば落ちたものもあります。また、総合計画策定の担当もやってきました。

 しかし、どうも「地方自治法」の義務規定としての紋切り型の計画って面白くないんですよね。世の中はすごい勢いで変わってきてるのに、10年前と同じ文言、考え方で進めるのって。なので今回の企画書では今までにないコンセプトを提示しました。ほんとはこれが本来なのかもしれませんが。

 コンセプトの一つ目は「短所是正ではなく長所伸展で」です。我々は「まちづくりの課題」という言葉をよく使うのですが、これって要するに「悪いとこ探し」なんですよね。例えば、下水道の普及率が低いとか、道路が狭いとか。こんなことはわざわざコンサルタントが言わなくっても住民や行政職員は十分わかっていることです。また、下水道を整備したり道路を広げたりするには「お金」が必要です。なのでいくら「悪い」と指摘してもすぐにできることできないことがあります。

 我々コンサルタントの役割というのは、わかりきっている「悪いところ」を指摘するのではなく、自分では気づきにくい「良いところ」を探して、それを引き伸ばすように指南することなのでしょう。これはまちづくりに限ったことではなく、企業への経営指導、人材育成においても同じことです。

 ちなみに今日書いた企画書では、「花の町」「都市と歴史・自然の調和」「なんでもそろっている」という長所を提示しそれを引き伸ばす提案をしました。

 コンセプトの二つ目は「自己充足できるまち」です。仮に人口が増加していても、それは単に福岡市のベッドタウンとして増加しているのでは、「一つの町」である必要はなく、福岡市と合併してしまった方が効率的です。しかし、「一つの町」にはそれなりの利点があります。先日も書きましたが、将来は都市一極集中が緩和されていくでしょう(都会である必要がない、地価が高いなど)。そうなると郊外は重要な企業の受け皿となります。

 ベッドタウンのような町が今後、自己充足的な「リビングタウン」になるには足りない点が二つ。それは二つのショク、つまり「職」と「食」なのです。「職」は先に書いた企業の受け皿として働く場所をもっと増やす、「食」ではせめて日常の食事や学校給食なんかは地元で採れた安全・安心な食べ物を供給するべきということです。「食」を地元で充足するには自然と農業従事者も増え、「職」の方も解決するのです。

 コンセプトの三つ目は「地域間『競争』から地域間『協奏・共創』へ」という視点です。高度経済成長の原動力は言うまでもなく「競争原理」だったのですが、今は低成長・持続的成長の時代。「競争原理」がイノベーションを促進する以上に、失業や不祥事など「負」の部分の方が大きくなっています。これからの時代は、複数の企業が協力し合って、お互いが成長していく方が望ましいと思われます。

 それは自治体においても同じことです。かつての総合計画はすべての自治体が「人口増加目標」を設定していました。しかし、増えるところがあれば減るところがあるのは自然の摂理。全国の市町村がすべて人口増加するのは理論的にも現実的にも不可能です。そこには自ずと地域間の「競争」があったのです。

 しかし、これからは人口全体のパイも小さくなることですし、増えるところがあれば減るところがあってもいいじゃん、という視点が必要です。人口や税収云々よりも、その地域の「顔・アイデンティティ」が大切であり、今後はそれぞれの市町村がお互いの「顔」を知った上で、認め合い協力しながら、よりよい住民サービスの向上を図ればいいのです。

 そんなことを書きながら、具体的に市町村の「顔」とはどんなものか。言いっぱなしでは悪いので当社見解(実は私の見解)として、福岡都市圏の特徴をフレーズとしてまとめてみました。これは私一流の茶目っ気です。

福岡市  :言わずと知れた100万都市、アジアの玄関口
春日市  :何でもそろった人口密度NO.1の生活都市
大野城市:古き朝鮮半島を想わせる、歴史マニアにはたまらない
太宰府市:道真公に思いを馳せて全国から集まるメジャーなまち
筑紫野市:温泉と歴史、イメージは紫色
那珂川町:都会とほんものの自然を遇する雄大スケール
新宮町  :海、街、山のパノラマが映えるコンパクトな定住都市
粕屋町  :バラが香る、住みやすい町NO.1
久山町  :都市圏の奥座敷、なつかしきふるさと景観
篠栗町  :小お遍路さんが闊歩するスピリチュアルなまち
志免町  :炭鉱の歴史と古きよき時代をのぞかせる生活都市
須恵町  :意外と知られていない「器」による朝鮮との掛け橋
宇美町  :産みと海、母性を感じさせる癒しのまち

とまあこんなところです。ローカルなネタですいません。

 さて、三つのコンセプトを示しましたが、共通することは一つ。やはり「ONLY・ONE」ということですね。短所を是正して平均的な水準に合わせるのでもなく、寄らば大樹の陰・長いものに巻かれよ発想でもなく、競争しながらお互いの足を引っ張り合うのでもありません。まちにはそれぞれの顔があり、それぞれが素晴らしいのです。我々コンサルはそれを見つけ、褒めちぎり、伸ばしてやることがこれからの役目だと思うのです。

 コンサルタントの役割も実はパラダイム転換を繰り返しています。
第一段階は「ティーチャー」。これは「ここが悪いよ、これを見習って直しなさい」と教えること。
↓ 
第二段階は文字通り「コンサルタント」。これは「こんな方法がありますよ、あんな事例がありますよ」と専門的知識・方法論を指南していくこと。

第三段階は「ファシリテーター」。これは「皆さんの創意で一つの形を作りましょう」とポテンシャル(可能性)を形にするために誘導すること。

そして第四段階がとして「コーチ」がきます。近年、「コーチング」というスキルが流行っているようですが、これは「あなたはどんな人(まち)ですか、どうすればよくなるでしょうか」と自らの特徴(長所)を気づかせて、それを引き伸ばす方法をさらに気づかせることです。

 第一段階と第二段階は「短所是正型」です。第三段階で「短所是正・長所伸展折衷型」に発展します。そして第四段階では完全に「長所伸展型」となり、他との比較ではなく、まずは「あなたは何でどうなのですか(長所)」を気づかせることに主眼が置かれます。

 現在のコンサルタントは第二段階~第四段階の間をうろうろしているようですが、未来志向型としては「コーチ」がもっとも相応しい形だと思われます。短所なんて時と金さえあれば勝手に解決するものです。それよりも相手(まち)の持つ潜在能力を引き出し、他にはない独自の個性、つまり「ONLY・ONE」を築くことが重要なのです。

 これからのコンサルタントには、まさしく「コーチ」のスキルが重要だと考えています。

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(まちづくりに生かしたい)

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by katamich | 2004-12-03 23:08 | ■まちづくり
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